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palpation-触診-

触診




あえて一言で表現すると
触診とは
「圧力を分析する」
ということ

それが全てではありませんが、その考えがないと、触り方や触る場所も圧をかける方向も根拠をもって決めることができない。
手で何を感じているかというと圧力。
圧力変化を感じることによってその組織の形状や状態を推定する材料を取得している。
それらの情報を使って触っておくべきポイントを絞りさらにそこで集めた情報と統合して判断を下す。

触診というと触っているだけだと思われるかもしれませんが、実際には
「筋肉が過緊張を起こしている」という言葉一つをとっても
なぜ癒着ではないと判断するのか、何故周りが弛緩しているのではないと言えるのか
何故循環不全による硬さではないと言えるのかなど
それらは手に感じる圧力の情報収集を、必要な複数箇所から行うことで妥当性のある判断を下すというところまで行ってからの発言となる。

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そこで
「○○によって筋肉が過緊張を起こしている」と一言付け足そうものなら扱わなければならない情報量が一気に膨れ上がる。

なので触診に必要な能力は手の感覚だけではない
多くの方がそれ以外の要素に制限がある。
100%の人と言ってしまってもなんら違和感がないくらい。
手のセンサーの測定限界より
その他の要素のほうが問題で情報を取得できない
あるいは情報をうまく扱えていないということ



力のコントロール

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人の感覚は非常に繊細で様々な情報を取得することができるわけですが、様々な情報とは、基本的には触り方による圧の変化、分布や組織の移動量と、その抵抗などがあります。
圧力の分析だけで済まない理由の一つには
例えば触れる際に組織に押し付ける力が何によってもたらされているかも重要になるので、出来るだけ詳細に情報が取れるような条件設定の仕方があります。
押し付ける力がなければ、指での情報が取れないわけですが、その押し付ける力が重力によってもたらされているか(自身の手の重さや相手の重さなど)、掴む力か、腕や肩周りの力か、という具合。
使う筋によって、力のコントロールをどの程度精度高く出来るかに大きな差があります。
出来るだけ無駄な力は使わず、出来るだけ微細なコントロールができる筋を使って押し付ける力をコントロールすることで価値ある圧力の情報をとることができます。皮膚の感覚がいくら優れていても押し付ける力が不安定であれば詳細な情報はとれない。



触診力を向上させるために必要なこと


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触診力を向上させたい場合、何ができていて何が出来ていないのかを把握するために
大雑把に分類すると(多少かぶったりイレギュラーがあっても気にする必要はない)
触診に必要なことは

○三次元で組織をイメージできるか(解剖の知識)

○組織の状態や役割に対する情報量(むくみ、過緊張、弛緩、癒着、や神経支配などとそれらを触った時の感触の違いを知っているかなど)

○圧情報の取得量
(圧そのものに対する感度と、正確な圧情報をとるための条件設定)

○圧情報の分析力
(知識と集めた圧の情報を使って何が起こっているかを考え、次に触るところを決めたり、判断を下す能力)

の4つくらいに分類しておく
触診を進める中で何が足りないのか、何は足りているのかを考えていくと行き詰まりにくい。
最中の成果も、今後の成長についても。

そしてその4つの項目一つ一つに対して自身で評価を出来るかどうかが自分で成長できるのか、他者に頼るべきなのかの大きな要素になる。

自分でなんでもやりたい人(自分で成長したい人)は、どう自分のやっていることを評価していくのかを考えれば良いし

他者に教わる場合でも、何が足りないのかを把握しているとどこで何を学ぶべきかがわかりやすい。



次回はこの続きです。

触診に関する記事を2日間にわたってご紹介します。



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