見出し画像

マーケティングをやったことない僕が、何を考えてマーケティングを進めているか(全4部〜最終話〜)

App Annie(アップアニー)の日本法人の代表に着任して7ヶ月が経とうとしています。早いものです。着任時は冬物のアウター着ていたのですが、気づいたらTシャツで出勤しています。

三代目の代表就任後、元々やりたかった(やる必要があると思っていた)PR担当を少しずつ始め、4月半ばくらいから3ヶ月の間、時間の半分を割いてマーケティングマネージャーを兼務する形で仕事をしてきましたが、振り返ると怒涛の日々だったなぁ…と思います。

常にビジネスの本質を意識して頭と脚を動かして活動してきた一方で、クライアントと社内メンバーのケアが手薄になってしまったという点が大いなる反省です。見限らずに自走して自身の職責を果たして仕事を進めてくれたメンバー達に改めて感謝です。

「再現性のある言語化」は僕の数少ない得意領域ですので、もがきながらやってきた3ヶ月間のマーケティング活動を記録しておくべく、4部作のブログを書こうと思い立ってちょうど1ヶ月。最終話を綴ろうと思います。

しつこいですがバックナンバーは以下からご覧下さい。

当初書こうと思っていた目次はちょっとずつ変わっていますが、以下が目次になります。

目次
【その1】(第1部はこれ)
- まず何をしたか?「違和感」の顕在化・言語化
- 妄想力を働かせる
【その2】(第2部はこれ)
- とりあえずいろいろやってみる
- PRは超大事
【その3】(第3部はこれ)
- 広告はプロに任せるけど形骸化したKPIは無視
- オフラインのイベントは「自分ごと化」と「拡散」を意識
【その4】(最終話はここ)
- 売ってきたからこそできるマーケティング
- マーケティング経験や知識よりも重要なこと

最終話は、マーケ施策とかではなく、どちらかというと考え方とかマインドセットの部類に近いかと思います。なのでその1〜その3含め、全体的に僕が仕事に向かう姿勢を汲み取ってもらえたら嬉しいです。

売ってきたからこそできるマーケティング

このタイトル、誤解のないように言っておきますが、セールスしていないひとはマーケティングができないという意味ではありません。セールス経験がある人は、その経験を多分に活かして「ひと味違う」マーケティングができるんじゃないか、という意味です。

僕がApp Annieに入ったのが2014年8月。新規セールスとして活動を開始し、2015年の実績でGlobal Top Salesに選ばれ、2016年には新規セールスチームのマネージャーに昇格してインサイドセールスと新規セールスをマネジメントしながらマーケティングチームと密に連携して様々な仕組みを改善したことを評価してもらい、Global Top Sales Leaderに選んでもらいました。

翌2017年も新規セールスチームのマネージャーを継続し、2018年3月までの3年7ヶ月、App Annieを初めて採用してもらうためのセールス活動に従事してきましたが、結果を出すためのポイントの1つですが、売り方を常に意識して「工夫」してきました。

「工夫」というのはどういうことか、というのが実はキモなのですが、Productは「年間契約のデータサービス」だけなので、契約をすることによる直接的なベネフィットはありません。つまり契約して、データにアクセスできるライセンスを開放し、オンボーディングセッションを経たからといって、クライアントのビジネスは1ミリも変化しません。

データは、単なる文字列です。そこにどういう意味と価値を持たせ、その価値を腹落ちしてもらうかという点が非常に重要になります。

それを非常〜〜〜〜〜に上手に絵にしたのが以下です。
(Source: https://www.theifactory.com/news/gaining-wisdom-from-data/)

セールスの活動では、一番左の「Data」をいかにして一番右の「Wisdom」に繋げていくか、そのストーリーテリング力が重要になります。そしてそのストーリーを作る上で最も大事なのは「仮説」です。

特に新規のセールスをしていると、App Annieを知らない人も多く、また会社名を知ってる人がいても「あー、あれでしょ?アプリランキング情報を無料で提供してくれるとこでしょ?え、違うの?ボランティアで無料情報配信してるのかとおもた」とか素敵な勘違いをしていたり。

それを正すところからセールスの活動はスタートしていました。なので、

- App Annieは何者なのか(なぜ事業活動をしているのか)
- 何を提供しているのか
- クライアントは何故App Annieにお金を払っているのか
- 何がうれしいのか

という、主にはWhatとWhyの部分を念入りに解きほぐしていき、その上で

How(どうやって活用するのか)
When(いつ導入するといいのか)
Who(誰が活用すべきなのか)
Where(どの事業領域・目的に活用するといいのか)

というStepを踏んで商談というものは進んでいきます。

僕は、セールス側で1社1社解きほぐしていた「What」と「Why」は、最低限マーケティングで代替できると思っています。それらはとてもベーシックなメッセージで伝えられるはずです。

難しいのがこの先です。現状、App AnnieのHPを見ても「What」と「Why」すらイマイチよくわかりません。モバイルの領域に関心や危機感がある人が見れば自分ごと化して理解しようとしてくれますが、僕らがこれから接したいと考えている業界・職種の人たちは(仮説ですが)モバイル領域を他人事化している人たちです。そんな人達がApp AnnieのHPを見て、「何をしてる会社で、どんないいことがあって、何故この会社がビジネスをできているのか」を理解するのは客観的に見て相当ハードルが高いと思っています。

それなりの実績を残して売ってきた、という経験により、上記のWhatとWhyはもとより、How / When / Who / Whereのところまでマーケティングでカバーしていくことが可能だというのが僕の持論です。

ある程度セールスで場数を踏んでいくと、業種業界は違えど、モバイル領域における課題は共通項が多くあります。この引き出しを多く持つことができたのはセールスの活動で多くの企業と直接接してきた事で得られるものだと思っています。

重要なのはこれらの「引き出し」をあけるためには「自分の言葉でわかりやすく説明できる」ことです。なので他の人が作った資料やネタをシェアしてもらってもそれは「引き出し」にはなりません。

セールスとして日々クライアントに対して「ただのData」を「価値・意味のあるWisdom」に繋げていくかを考え、実行してきた経験があるからこそ、マーケティングメッセージやコンテンツといったコミュニケーションの幅と深みを持つことができると思っているわけです。

目の前のクライアントに向かって価値訴求をするか、広く市場に対して価値訴求をするか、相手が変わるだけで基本的なやり方は変わらないと思います。

これが、売ってきたからこそできるマーケティング、です。

マーケティング経験や知識よりも重要なこと

結論から言ってしまうと、とにかく重要なのは「高い視座をもち、ビジネスの本質を見抜いて理解し、高度化に向けて経済合理性と実現可能性のバランス感覚を持ちながら行動に移すこと」です。

すみません。長いです笑

でも、何とかシンプルに言語化しようとしてもこれが限界でした。

ちなみに、言うまでもありませんが、これってマーケティングに関わらず、あらゆる職種のビジネスパーソンに広く当てはまると思います。

高い視座については、わかりやすく言うと「ビジネスがビジネスとしてなり得てるのは何故か」という事に疑問を持つところがスタートです。さらにわかりやすく言うと経営者視点です。

ビジネス=商いは、相手あってのもの。相手がお金を払ってまで得たいものは何か?最低でも頂いているお金と同等の価値を提供できているか?という「稼ぐ」面はイメージしやすいかと。

もう1つは、社会的・人道的意義の側面です。我々は何者か?社会に対し、市場に対し何をすべきなのか?社会に存在し続ける為には何を社会に提供し続ければよいのか?という点です。

そんなの経営者が考えてればいいじゃん、って思う人はそれでいいと思いますが、言うまでもなく相対的に高い視座を持っている人はマネジメントチームから見ると特別な存在になります。

視座を高くもっておくと、会社の様々な意思決定や変化にいちいち目くじらを立てて不満を感じる事も少なくなり、自分本位の視点だけ持つことによる余計なストレスを感じなくなっていくので、自分のためにもなると思います。

経済合理性、という言葉は便利で使いやすいですが、あえて耳の痛い話をすると、例えば「あなたが費やしている時間とアタマは、もらっている給与に見合ってますか?」にどれだけ胸を張ってYESと言えるかどうか、というような視点です。

逆に言うと、大したビジネス貢献せずに、自分本位の視点で要求だけ高いという人って、経済合理性の観点が抜けてるため「プロフェッショナルではない」と思わざるを得ません。

こういう考えでビジネスを見ていくと、いわゆる「コスパ」に辿り着きます。ここでいう「パフォーマンス」にバラエティがあるのでここでは多く触れませんが、例えばマーケティング施策でいうと「どれだけ多くの契約に繋がるか」がパフォーマンスとして取り入れられます。なので、1件あたりのリード獲得単価が高かろうと、契約率や単価が上がるのであれば、マーケティング施策の投資予算は増やすべきという考え方です。

そして(たぶん)抜けがちなのは「行動に移すこと」です。議論や情報収集ばかりやってるだけなのは、言ってしまうと「何もしていない」のと同じです。

ここに書いてあること全部、僕はパーフェクトにやれてるわけじゃないですが、外部の著名な経営者やマネジメント層の方々にご指南いただく中で、僕の考えややってることを言語化して腹落ちさせた内容として捉えてもらえればと思います。

繰り返しますが、マーケティングに限らず、企業の営利活動に携わるすべての人には例外なく大事なポイントだと思います。

僕自身、起業家ではないですし、するつもりもありません。ビジネスの世界に20年近く身を置いていると、自分の適性や能力はある程度自分でわかっています。

僕は0→1よりも1→100のフェーズで価値が出るビジネスパーソンなので、0→1の人は心から尊敬します。この0→1の起業家の多くは、社会的意義を強く持っており、その意義に賛同した人たちが集まって組織になっているのを見ていると、上述した「ビジネスの本質」をちゃんと腹落ちさせて全体をできるだけ鳥瞰した上で自分の役割に落とし込んで仕事をしているように見受けられます。

そういった組織はとても強いと思いますし、僕としてもApp Annie Japanをそういうチームにしていきたいと考えています。

さて、全4部作いかがでしたか?だいぶボリュームも多く、全部読破した人はかなり限られるかと思っていますが、1〜3部のトップ写真と、今回の最終話のトップ写真を続けて見ていただけると、僕からのメッセージが伝わるかな、と思います。

まだまだ道半ばですが、試行錯誤のバタバタ劇を経ながら体験や思考を言語化して残していければと思っていますので、その時にまたnoteに綴っていきます。

ありがとうございました!!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

22

向井俊介@App Annie

アメリカ本社の世界最大手のアプリ市場データプロバイダー、App Annieにて日本法人の代表を務めています。 ここに記載のある内容はあくまでも個人の意見や示唆であり、会社のオフィシャルなコメントやメッセージではありません。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。