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とにかく、目が痛い。

 毎日、目が重たい。朝も昼も夜も寝る前も、目が重たい。
 理由ははっきりしている。スマートフォンとPCを見ているからだ。自分の目や視神経は、とにかくPCの画面のライトからダメージを受けるようにできているらしい。今も、目の奥から頭にかけて痛む。 
 現代の、2023年の社会で生きるのに、スマホとPCから逃れる術はない。会社では資料を作ったりメールを送るために日中パソコンをみており、友人とのやりとりはLINEやDiscordで行う。わたしは日中の仕事とは別に文筆やトークの仕事もしているが、仕事の依頼や連絡はgmailできて、宣伝はTwitterやThreadsで行う。情報収集もSNSだやネットのニュース記事だし、仕事のためもあってYouTubeやTikTokも見る。ネットでしか読めない記事や文章も多い。買い物もネットを使うし、映画やライヴのチケットもネットから買わざるを得ない。ファミレスの注文から公共料金の支払いまで、あらゆる作業においてスマホが必要になる。つまり、仕事をするにも、友人と連絡をするにも、その他諸々の手続きをするにも、PCとスマホから逃れられないのだ。そのことが、わたしにとっては慢性的な苦痛の元になっている。
 何も対応をしていないわけではない。PC用の眼鏡を使っているし、5万円ほどした医療の場でも使われているというモニターも3年前から導入している。それでも、目は痛いし重たい。
 この感覚がなかなか伝わらないのは、痛みが数値化されてないからだ。視力は、数字として観れる。目が悪ければ、眼鏡やコンタクトなどの器具も使用できる。レーシックなどの技術もある。しかし、視力と、PC画面に対する目の弱さは関係ない。わたしは6年ほど前にレーシックを受けているが、視力が良くなっても、目の痛みは一切変わらない。
 わたしが許しがたいのは、PCとスマホをわたしが捨てたら、収入源がすべて絶たれるということだ。今の仕事で、PCなしで成立するものはない。しかも、友人とも連絡がとれなくなる。お金も友人もなしで生活したいのか。それが嫌だったら、目を酷使してPC画面を見つめ続けろ。存在しない誰かから、ずっと脅迫されている気がする。
 インターネット技術があまりに人の欲望を駆動させるものだったため、その弊害に対する処置が遅れているのは間違いない。ネットでの犯罪やいじめなどは、以前から社会問題化している。そんななかで、「目の痛み」を問題視している人は、全く見たことがない。みんな、そんなに目が弱くないのだろうか。至近距離でずっとスマホをみて、楽しそうにしているひとがたくさんいる。信じられない。どうやら、自分の苦しみ方は少数派らしい。わたしがPCを見ていて目の痛みを感じたのは2001年が最初だった。それ以降、ずっと慢性的な目の痛みに覆われている。一体どうすればいいのだろう?このまま死ぬまで、目が痛いままなのだろうか。
 この文章はPomeraで書かれていて、目のダメージを追わずに済んでいる。PomeraとKindleだけは、わたしの目に優しい。こちらの使用にすべての電子機器を合わせてくれればいいのに。少なくとも、Kindleと同じモニターのスマートフォンが出てもいいじゃないか。もしすでに存在しているなら、誰か教えて欲しい。
 目の弱い人間は、マイノリティに留まり続ける。それは、単に数が少ないからだけではない。PCとスマートフォンを使用端末とするシステムは社会の根幹を為しており、そのシステムに都合の悪い人間は黙殺されるからだ。他のことに関しては逃げ道や抜け道はあると信じられても、目が痛まない社会に関しては絶望的だ。何も希望が持てない。
 私ができることは、とにかく目が痛いんだと訴えることしかない。自分だけではどうにもならないので、本当になんとかしてほしい。もう疲れたのだ。痛みを感じない状態で、見ることを楽しみたい。ちょっとしたデジタルデトックスでは、どうにもならないんだ。

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