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《優等生》に関する考察

『物価の優等生』という言い回しから始めて、《優等生》という言葉は必ずしも誉め言葉ではないのでは、という記事を書いたところ、コメントでご賛同もいただきました。

この言葉、なかなか奥が深く、辞書によれば、

① 成績・品行とも特にすぐれている学生や生徒。
② 言動にそつがないが、個性がなくおもしろみに欠ける人。

『優等生』(goo辞書、Weblio辞書など;デジタル大辞泉より)

うーむ。やはり、二面性のある言葉のようです。
『物価の優等生』はやはり、①でしょう。でも、②のニュアンスも少し混じってるかな?── コストアップを販売価格に転嫁しないところが、『おりこうさんじゃない!』てな感じに少しバカにされているかも。
だから生産者は不機嫌なんだ!

「キミは優等生だからわからないかもしれないけど」
とか、
「それは優等生的発言だね」
なんて、ホメてるようで、実は②の方で使っていますな。

《優等生》という言葉で私が勝手に思い浮かべるのは(まったく勝手な連想で、失礼なのは重々承知で)現在NHK『あさイチ』司会の鈴木奈穂子アナウンサーです。

もちろん、①の意味です。(個人的にはまったく知らないけれど)成績・品行ともに完璧に見えます。華丸さんが脱線しそうになってもきわめて上品に元のレールに乗せる ── すごい!
でも、もし他人から『優等生』と言われたら、彼女も②の方か、と一瞬不愉快になるかもしれません(でも、『優等生』だからそんな素振りも見せず……って、ああ!こんなこと言うと余計②だと勘ぐられる!)

「勝手な連想」とはいえ、鈴木アナウンサーには申し訳なく、何せ、誰もが知っている人を挙げないと話が進まない。私個人の小学校時代の『優等生』を引き合いに出しても、
「誰それ?」
で終わってしまいますからね。

そうか、誰もが知ってるマンガの登場人物でもいいんだ。

それならやはり、
『ドラえもん』中の奇跡の人、出木杉できすぎ 英才ひでとしクンですね。
完璧な《優等生》です。
出木杉できすぎクンの研究はなかなか勉強になります。
私が勝手なことを言っている、と思われてもいけませんので、Wikipediaから引用します:

性格:人柄が朗らかで性格がよく、自分に陰湿ないたずらを加えた級友まで許すほど寛大な心の持ち主
……
勉強にしか興味がないというわけではなく、漫画やゲームを楽しんだり冗談を口にするなど、ウィットに富んだ面もある。

能力:基本的にあらゆる分野において非凡な知識と才能を持つ万能少年。学業では、テストは常に100点で宿題もきちんとこなし、先生からは「出木杉はりっぱだ」「みんなも見習いなさい」と評され気に入られている。そのうえ、テスト前日に夜更かしをして85点だったことさえも、これからに役立つ貴重な経験として記憶しているという。しずかが30分、スネ夫が3時間、ジャイアンが4時間、のび太が朝までかかる宿題を10分で終えてしまう。
……
スポーツも優秀でサッカーを好む他、野球でも守備では超ファインプレーを連発、打撃では大ホームランを飛ばし、しずかたちから「プロみたい」と感心されるほど。
また趣味も多彩であり、……

出木杉英才 - Wikipedia

うーん、イヤミなくらい完璧ですね。
『イヤミな』と書いた人間(=私)こそがイヤミなヤツ、と忌み嫌われるくらい完璧です。

出木杉できすぎクンは①に該当しますが、②にも半分ぐらい該当するかもしれない。まず、言動にそつがない
ただ、おそらく彼の唯一の弱点は、恋愛がらみのところかと思います。

しずかに好意を持っており、2人きりで学校から帰ったり、遊んだりすることが多い。本人は「運命的なものを感じるね」と発言したり、「しずちゃんのことは大好き」と明言している場面がある。ただ、その「大好き」が恋愛感情なのかどうかは不明。映画『のび太の結婚前夜』での未来の彼は、嫉妬心など見せず笑顔で2人の結婚を祝福している。また、アニメ第2作2期版『のび太の結婚前夜』では、「昔からしずかちゃんのことで、野比くんに勝てる人はいない」と敗北を認めるような発言をしている

出木杉英才 - Wikipedia

これじゃアカンでしょ。
ホントに好きならここは主張しないと、しずかちゃんに、
②『個性がなくおもしろみに欠ける人』
と思われますよ
。……いや、いやいや、彼は全てわかった上で、人と争うことをしない道を選んだ『超・優等生』なのかもしれない。

では、『優等生』の反対語は何か、と調べると、── 『劣等生』
これはあんまりじゃないか、って思いますよね。
①の中でも前半の『成績』の部分だけの反対語です。後半の『品行』がいかに良かろうとも、『成績』が悪ければ『劣等生』のレッテルを貼られる。
『品行』部分での反対語は『問題児』かな?)

『劣等生』と並んで『落第生』を挙げた例もありました。
つまり……留年を経験した人間(私)は、『優等生』の対極にいる、というわけか。
ムムムム……。

……そういえば、小学校時代に『まさる』という名の級友がいたな ── 成績は良くなかったし、品行にも問題があった。でも、個性的で面白いヤツだった。
うーむ、だとすれば……
まさるクンは、辞書中、①の意味でも、②の意味でも『優等生』ではなかったわけだ。
……まあしかし、彼の名前は『優等生』ではなく、まさる ── だから、一般的な学校の『成績』以外のところで何か人よりまさるところがあれば、名付け親の願いは叶ったわけだ。

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