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【1分解説】海外勢に比べ遅れている日本企業のリスク開示

※1分間で読める600文字以内でお伝えします。

「この企業はどのような事業リスクを抱えているのだろうか?」

投資家は、企業の中長期的な業績に影響を与える可能性のあるリスクに関する詳細な情報を求めます。リスク開示の面で先行する欧米企業では、悪い情報を事前に開示することにより、投資家の不安を払拭しようとする取り組みが進んでいます。

楽天IR戦記の著者・市川祐子氏は「株式市場にとって楽観には天井があるが、悲観は底なし」と語ります。ですから、悪い情報は隠すことなく、あらかじめオープンにすべきと指摘します。

リスク情報開示の日米比較

リスク情報の開示で日本はアメリカに比べ遅れている

上記は、日米上場企業のリスク開示状況を比較したグラフです。これを見ると、全体として日本企業のリスク開示情報がアメリカより不足している姿が浮かび上がってきます。

例えば、人材の確保が困難になったり、税制が変更されたり、固定資産の減損が発生したりといったリスクの場合、アメリカの上場企業の9割近くが情報を開示しています。対する日本企業は3~4割の開示に留まります。

こうした現状を踏まえ、金融庁は「記述情報の開示に関する原則」の中でリスク情報の拡充を促しています。単なるリスクの羅列に留まることなく、下記の点について詳細に記述することが望ましいとされています。

1. リスクが顕在化する可能性の程度時期
2. リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響
3. リスクへの対応策

今後も、有価証券報告書の非財務情報の充実化は加速しそうです。

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