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【予習】第62回カンヌ映画祭【コンペティション部門編】

今回は予習がてらカンヌのコンペに決まった監督たちの受賞歴をまとめてみたいと思います。


『メガロポリス』フランシス・フォード・コッポラ

ベルリン : なし
カンヌ : 
『大人になれば…』(コンペティション部門)
『カンバセーション…盗聴…』(コンペティション部門/パルムドール)
『地獄の黙示録』(コンペティション部門/パルムドール)

『テトロ 過去を殺した男』(監督週間)
ヴェネツィア : なし

 きました!今年一番の話題作と言っても過言ではないコッポラの作品です。コンペに入るのは『地獄の黙示録』以来のこととなり話題性抜群です。最近は奮わなかったコッポラですが、賞レースに本格参戦なるでしょうか。

『The Apprentice』アリ・アッバシ

ベルリン : 
『マザーズ』(パノラマ部門)
カンヌ : 
『ボーダー 二つの世界』(ある視点部門/作品賞)
『聖地には蜘蛛が巣を張る』(コンペティション部門/女優賞)
ヴェネツィア : なし

 こちらも注目の監督!今アツい北欧ホラーの代表監督、アリ・アッバシが今回手掛けるのはなんと若きドナルド・トランプ!セバスチャン・スタンがトランプを演じるということでアカデミー賞にも絡んでくるかも?今のところハズレがない監督なので楽しみです。

『Motel Destino』カリン・アイヌー

ベルリン : 
『Praia do Futuro』(コンペティション部門)
『Zentralflughafen THF』(パノラマ部門/アムネスティ国際映画賞)
カンヌ : 
『Madame Satã』(ある視点部門)
『O Abismo Prateado』(監督週間)
『見えざる人生』(ある視点部門/作品賞)
『Firebrand』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『スエリーの青空』(オリゾンテ部門)
『Viajo Porque Preciso, Volto Porque te Amo』(オリゾンテ部門)

 知らない監督だと思ったらある視点部門作品賞をとった『見えざる人生』の人ですね。残念ながらこの監督の作品は一作も観られていないのですが、今回二度目のコンペ入りということで日本公開あるでしょうか?というかどこかで特集上映して欲しいですね。

『Bird』アンドレア・アーノルド

ベルリン : なし
カンヌ : 
『Red Road』(コンペティション部門/審査員賞)
『フィッシュタンク~ミア、15歳の物語』(コンペティション部門/審査員賞)
『アメリカン・ハニー』(コンペティション部門/審査員賞)
『牛』(カンヌ・プレミア部門)
ヴェネツィア : 
『Wuthering Heights』(コンペティション部門)

 きましたアンドレア・アーノルド、『アメリカン・ハニー』は残念ながらネトフリでの配信を見逃してしまって未だに観られていないんですよね…また配信復活してくれないかなぁ…
 ドキュメンタリーの『牛』は素晴らしかったので過去作を追ってみようと思います。どこで観られるのか分かりませんが。

『Emilia Perez』ジャック・オーディアール

ベルリン : 
『真夜中のピアニスト』(コンペティション部門)
カンヌ : 
『天使が隣で眠る夜』(国際批評家週間)
『Un héros très discret』(コンペティション部門/脚本賞)
『預言者』(コンペティション部門/審査員大賞)
『君と歩く世界』(コンペティション部門)
『ディーパンの闘い』(コンペティション部門/パルムドール)
『パリ13区』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『ゴーリデン・リバー』(コンペティション部門/監督賞)

 カンヌの常連オーディアール新作です。個人的にはあまりハマっていない監督なんですよね。パルムドールとった『ディーパンの闘い』もちょっと微妙だったし…でも『ゴールデン・リバー』はなかなか良かったかな。あまり期待せず臨みたいと思います。

『Anora』ショーン・ベイカー

ベルリン : なし
カンヌ : 
『レッド・ロケット』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : なし

 『フロリダ・プロジェクト』が話題を呼び『レッド・ロケット』でコンペ入りを果たしたショーン・ベイカー、またしてもコンペ入り!セックスワーカーの女性を主人公にしたコメディのようです。『レッド・ロケット』はあまりでしたが他は好きなので期待しています。

『The Shrouds』デヴィッド・クローネンバーグ

ベルリン : 
『裸のランチ』(コンペティション部門)
『イグジステンズ』(コンペティション部門/芸術貢献賞)
カンヌ : 
『クラッシュ』(コンペティション部門/審査員特別賞)
『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』(コンペティション部門)
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(コンペティション部門)
『コズモポリス』(コンペティション部門)
『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(コンペティション部門)
『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『危険なメソッド』(コンペティション部門)

 カンヌ常連クローネンバーグの最新作です。何気に『クラッシュ』しか観たことないんですよね。キワモノ監督というイメージだったので、まとめていてカンヌ常連すぎて驚きました。他の作品もちゃんと観ないと。

『The Substance』コラリー・ファルジャ

ベルリン : なし
カンヌ : なし
ヴェネツィア : なし
その他 : 
『REVENGE リベンジ』(シアトル映画批評家協会賞/外国語映画賞ノミネート)

 三大映画祭経験なしの女性監督がコンペ入り!素晴らしいですね。とはいえ『REVENGE』はかなり話題を呼んだ作品ではあったので驚きではないかもしれません。初カンヌとなった本作、どのような評価が出るか楽しみです。

『Grand Tour』ミゲル・ゴメス

ベルリン : 
『熱波』(コンペティション部門/FIPRESCI賞)
カンヌ : 
『Aquele Querido Mês de Agosto』(監督週間)
ヴェネツィア : なし

 ポルトガルの異才ミゲル・ゴメスがついにカンヌのコンペ入り!『アラビアン・ナイト』がとても好きだったので楽しみにしています。またしてもクセがありそうな不思議なあらすじ、ミゲル・ゴメス節全開の作品になっていそうですね。

『Marcello Mio』クリストフ・オノレ

ベルリン : なし
カンヌ : 
『17 fois Cécile Cassard』(ある視点部門)
『Dans Paris』(監督週間)
『愛のうた、パリ』(コンペティション部門)
『ソーリー・エンジェル』(コンペティション部門)
『今宵、212号室で』(ある視点部門)
ヴェネツィア : 
『変身物語 神々のエロス』(ヴェニス・デイズ部門)

 日本での公開作はあまりないクリストフ・オノレ監督新作です。『ソーリー・エンジェル』のみ観ていますがあまり…という感じ。今回はなんとマルチェロ・マストロヤンニを描くということで期待が高まっています。しかもカトリーヌ・ドヌーヴが出演するということでどういった作品になっているのか気になります。

『Caught by the Tides』ジャ・ジャンクー

ベルリン : 
『一瞬の夢』(?/Netpac賞)
『海が青くなるまで泳ぐ』(ベルリナーレ・スペシャル)
カンヌ : 
『青の稲妻』(コンペティション部門)
『四川のうた』(コンペティション部門)
『海上伝奇』(ある視点部門)
『罪の手ざわり』(コンペティション部門/脚本賞)
『山河ノスタルジア』(コンペティション部門)
『帰れない二人』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『プラットホーム』(コンペティション部門/Netpac賞)
『世界』(コンペティション部門)
『Dong』(オリゾンテ部門/Doc It賞)
『長江哀歌』(コンペティション部門/金獅子賞)
『Wuyong』(オリゾンテ部門/オリゾンテ・ドキュメンタリー賞)

 三大映画祭全てに出品経験があるジャ・ジャンクーの新作!これは嬉しい。熱烈なジャ・ジャンクー信者の僕としては大歓喜です。中国の豊かな風土を映した大河ドラマ的作風のジャ・ジャンクー、日本公開が待ちきれません。

『All We Imagine as Light』パヤル・カパディア

ベルリン : なし
カンヌ : 
『何も知らない夜』(監督週間/ゴールデン・アイ)
ヴェネツィア : なし

 『何も知らない夜』で新人賞であるゴールデン・アイ賞を受賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭でも最高賞を受賞したインドの女性監督による作品です。まさかカンヌコンペに入るとは。今度はフィクションであるようで、どのような語り口を見せてくれるのでしょうか。

『憐れみの3章』ヨルゴス・ランティモス

ベルリン : なし
カンヌ : 
『籠の中の乙女』(ある視点部門/作品賞)
『ロブスター』(コンペティション部門/審査員賞)
『聖なる鹿殺し』(コンペティション部門/脚本賞)
ヴェネツィア : 
『アルプス』(コンペティション部門/脚本賞)
『女王陛下のお気に入り』(コンペティション部門/審査員大賞)
『哀れなるものたち』(コンペティション部門/金獅子賞)

 もう説明不要ですね。『哀れなるものたち』でも大きな話題を呼んだランティモス!大好きな監督です。またしてもエマ・ストーンとのタッグとのこと、アカデミー賞にもどういったからみ方をしてくるのかも今から楽しみです。

『Beating Hearts』ジル・ルルーシュ

ベルリン : なし
カンヌ : 
『Pourquoi... passkey』(?/Gras Savoye賞)
ヴェネツィア : なし

 『この愛のために撃て』などの俳優ジル・ルルーシュの監督作品です。監督としては『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』でセザール賞にノミネートされるなど確かな評価を得ています。今作もコメディということでどのようなアプローチを見せてくれるのでしょうか。

『Wild Diamond』アガーテ・リーディンガー

ベルリン : なし
カンヌ : なし
ヴェネツィア : なし

 本作が長編デビュー作となるガチガチの新人による作品です。初カンヌでコンペとは…こういうことがあるから映画祭って面白いですよね。短編はどこかで観られるのでしょうか。予習して臨みたいと思います。

『Oh, Canada』ポール・シュレイダー

ベルリン : 
『ハードコアの夜』(コンペティション部門)
『ライト・スリーパー』(コンペティション部門)
カンヌ : 
『ミシマ : ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(コンペティション部門/芸術貢献賞)
『テロリズムの夜/パティ・ハースト誘拐事件』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『魂のゆくえ』(コンペティション部門/Green Drop賞)
『カード・カウンター』(コンペティション部門)

 こちらも説明不要、ポール・シュレイダーによる新作です。正直あまりハマったことがないシュレイダーなのですが、今回はユマ・サーマン、リチャード・ギアと豪華キャスト。あまり期待値を上げず待ちたいと思います。

『Limonov』キリル・セレブレンニコフ

ベルリン : なし
カンヌ : 
『ザ・スチューデント』(ある視点部門/フランソワ・シャレ賞)
『LETO-レト-』(コンペティション部門)
『インフル病みのペトロフ家』(コンペティション部門)
『チャイコフスキーの妻』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『Izmena』(コンペティション部門)

 『ザ・スチューデント』以降飛ぶ鳥を落とす勢いのセレブレンニコフ、なんとなく『LETO』を彷彿とさせるルックですね。政治家のエドワルド・リモノフを描く物語ということです。

『Parthenope』パオロ・ソレンティーノ

ベルリン : なし
カンヌ : 
『愛の果てへの旅』(コンペティション部門)
『家族の友人』(コンペティション部門)
『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』(コンペティション部門/審査員賞)
『きっと ここが帰る場所』(コンペティション部門/エキュメニカル審査員賞)
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(コンペティション部門)
『グランドフィナーレ』(コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
『もうひとりの男』(現在の映画部門)
『The Young Pope』(アウト・オブ・コンペティション部門)
『The Hand of God 神の手が触れた日』(コンペティション部門/審査員大賞)

 『グレート・ビューティー』でアカデミー賞も制したパオロ・ソレンティーノ監督の新作です。実はあまりハマらないなと思っていたのですが、イタリア映画祭でやっていた『愛の果てへの旅』がかなりよく自分の中で評価が上がった監督です。今回も映像が見ものの作品になっていそう。

『The Girl with the Needle』マグヌス・フォン・ホーン

ベルリン : なし
カンヌ : 
『Efterskalv』(監督週間)
ヴェネツィア : なし
その他 : 
『スウェット』(ポーランド映画賞/監督賞)

 なんか聞いたことある監督だな、と思っていたらあの傑作『スウェット』の人でしたか!この人腕ありますよ。1919年のコペンハーゲン、養子縁組の地下組織に巻き込まれる女性を描いた作品ということですごく面白そう。日本公開希望です!

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