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【Workshop 2021】MAN-PRINT-等身大の影を撮影しよう!-レポート@平塚市美術館

2021.5/8 13:00~16:00

平塚市美術館で「MAN-PRINT-等身大の影を撮影しよう!」ワークショップを開催しました。本来は、昨年の開催予定でしたが、コロナの影響で延期となり、1年越しの開催となりました。

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平塚市美術館でのワークショップは、2019.8/14。平塚市美術館:先生向け体験講座「光で描く!私の世界~フォトグラムの制作」から2回目の開催となります。

今回は、親子で「等身大の影」を撮影するワークショップとして企画し、3組6名の参加者と、初夏の陽気の下、密回避の為全ての制作を美術館の中庭で行いました。

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始めに、自己紹介をした後、フォトグラムの撮影についてレクチャーをしました。フォトグラムとは、カメラを使わずに写真を撮る技法やその写真のことを指します。

参考作品を一緒に見ながら、カメラを使わずにどのように撮影するのか、また影の写り方について太陽の光と影の出来方を確認しました。

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今回は、サイアノタイプ (Cyanotype)という紫外線と塩化鉄の化合物による写真の古典技法で制作します。事前に感光液を綿布に塗布したものを感光布(支持体)としました。

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撮影の前に、まずは、全身のポージングを決めます。どのようなポーズで撮影するか、持参した大切なものや記憶の品のレイアウトをどうするか、親子で考えながら決めていきます。

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そしていよいよ撮影です。眩しい陽差の下、約10分間、じっと感光布の上でポーズをとります。

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小さい頃習っていたバレエのポーズや、大好きな本を読んでいるポーズなど、自分自身を表現する撮影になりました。

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じわじわ感光が進んでいく中、どの様な像が撮れているのか想像する時間になります。(手や足が痺れてくる時間にもなり、周りの人たちが励まします笑)


みんなでカウントダウンを行い、感光布から身体を動かします。

その瞬間!等身大の全身の自分の影とご対面!

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今までの時間がしっかりと焼き付いています。


その後、感光布を裏面にして、お母さんたちの撮影。

子どもがポーズやモチーフの配置をディレクションをして、再び10分間撮影。手軽に画面をタップすれば写真が撮れる今、像が焼きつく時間を「待つ」時間はこの制作の醍醐味です。

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学芸員さんも撮影に参加!

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撮影時間には、なんと、子どもたちが感光布の周りをぐるぐる走り回りました。まるで時計の針の様です!

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そして、再びカウントダウンを行い、感光布から開放!


自分の等身大の影とご対面!この瞬間は「脱皮」した様な何とも言えない不思議な感覚を味わえます。

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そして、得た像を定着させるための現像作業。

サイアノタイプ では、現像は水で行います。

この瞬間は、制作の中でも最も感動的な場面。撮影した像が現像することで鮮やかなブルーと白のグラデーションによって目の前に現れます。

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陽差が良く、とても美しいブルーのフォトグラムができました。

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美術館の野外の階段に干しながら、作品の鑑賞会を行いました。

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参加者全員の撮影の時に工夫したことや、印象に残ったことなどを共有して、ワークショップの振り返りの時間となりました。


今回は、親子で両面に等身大の影を撮影したので、光に像が透けることで、両者が重なり合う様な影になりました。

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参加者の方のアンケート


1:本日のワークショップはいかがでしたか?

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2:ワークショップを通して、光や時間を素材にした制作に興味が湧きましたか?

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3:ワークショップを通して、自分と家族の関係を表現できましたか?

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4:ワークショップを通して考えたことや印象に残ったこと、感想などを書いてください。

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最後にコロナ禍で大変な中、ご参加くださった参加者の皆様、またワークショップ実施に1年以上も尽力くださった美術館のスタッフの皆様に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

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記録写真:Moka Mastushita


●ワークショップ開催データ

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・開催日時
5月8日(土) 13:00~16:00

・開催場所
平塚市美術館正面玄関前の芝生
※屋外での活動となりますので、暑さや日差し対策をお願いします

・講師

浅見俊哉(美術家・写真作家)

・対象、定員

対象:親子(年長~小学生)、定員:10組20名

・参加費
1組3,500円

・お申し込み期間

2021年4月1日~4月22日

・ホームページ

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00250.html


フォトグラムの詳細については以下のリンクへ↓


⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター