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ハレの日に残したい言葉がある。| Daily Life Essay「あじわい亭」~6品目~

2024年最初の結婚式参列。
ありがたいことに社会人になってから出会った夫婦からのお誘い、しかも50名ほどという限られた中での1人として。

出会ってから直接会ったり、オンラインで話したりした回数は両手に収まるくらい。それでも1回ごとの時間が濃厚で味わい深く、あまり他人に話さないような事柄もシェアできた関係性だからこそ、呼んでいただいたのかもしれないし、結婚式出席可否の連絡が来たときに喜んで参加しようと決めた理由だった。

挙式、披露宴ともに2人らしさが各所に表れていた素敵な時間だった。余興がなく歓談がメインなところ、参加した人ひとり一人のフォト撮影、自分が好きな花を選び中心に飾る演出、披露宴中にそれぞれの卓に座っての談笑、参加した人のライフワークが詰められた冊子、式の終わりに渡された新郎新婦からのびっしり書かれた手紙。2人のらしさと人への向き合い方が凝縮された空間で、とても居心地がよかった。そして何より2人がキレイでかっこよかった。

出会い、お互いのことを知り、親しくなった人とあと何回会えるのだろう。半年に1回、1年に1回、2-3年に1回、5年に1回なんて人もいるかもしれない。これが最後かもしれないし、また会えるかもしれない。互いに人生というレールを走り続けているからこそ、定期的に交わり会うこともあれば、1度交わったけど全く違う方向に進み、もう出会えないことだってある。電車で例えれば、少なくとも今関わり続けられている人は、線路ですれ違ったり、駅で行き違い電車として停車時間(=会っている時間)に互いの近況を確認したりできている。それが当たり前と思ってはいけないということを、15年前の夏に学んだ。また会えるだろうと思わず、これが最後かもしれないと心のどこかで思うことの大切さを。

だからこそ、ハレの日を祝うことができたこと、2人にとっての大事なイベントに1ピースとして関わることができたことはかけがえのないことなんだ。それを気付かせてくれた2人に、ありがとうと伝えたい。

最後に。
どんなに辛いことが友人に起ころうと、ぼくはその友人の味方でいたい。そして、辛いことが自分の身に起きたとき、その友人の肩に寄り添えるようになりたい。持ちつ持たれつという言葉があるように、支え合いながらそれぞれの人生という船のオールを漕ぎ進めていきたい。

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