エロティシズムと筋トレ

エロティシズムは、私たちが日常で感じる性的魅力や愛情だけではなく、生と死の間にある深い人間の欲求に根ざした現象である。具体的に、私たちが「死」という非永遠性と直接対峙し、襲ってくる不安から永遠性を求めようとした時、本能的に感じる「欲望」である。例えば、愛する人との生殖行為は人間が本来もつ欲望の一つである。生殖行為は無常からの脱却を目指す運動であり、その影響で、自己の肉体を永遠化させようとする為に最も好ましい人間を愛し、行為に至るのである。

この概念を「死から身を守るもの」として捉えると、人間の基本的な生存本能と直接結びついていることが見えてくる。私たちは、宇宙の中で孤独な存在として生きており、友情や愛情など他者との結びつきを通じて、その無防備な状態から自己を保護しようとする。

エロティシズムは性的な関係に留まらず、筋トレや勉強といった自己改善の行為にも広がる。これらの活動が私たちにとって魅力的なのは、直面するかもしれない困難や死のリスクに対する準備として、生存能力を高める手段となるからである。こうした自己鍛錬の行為は、生命の豊かさを追求し、自己の可能性を最大限に引き出す試みとして理解できる。

この視点からエロティシズムを考えることで、人間の行為や欲望が単なる肉体的な満足を超え、生の深い肯定と死への抵抗に根差していることが明らかになる。

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