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編集は「前提共有」と「面白さをロスしない」が大事

文書編集をする際、僕は以下の2つのことを大切にしています。

  1. 読み手との前提を揃えること

  2. 元ネタの面白さを殺さないこと

この2つを意識することで、読み手に伝わる編集ができると考えています。

同じ景色を見るために前提を揃える


文章に限らず、コミュニケーションにおいて自分と相手の前提、いわば情報量を揃えることは非常に大切です。

なぜ前提共有が必要なのか。それは前提が揃ってない状態では「同じ景色」を見れないからです。同じものを目にしていれば大きな誤解は生まれません。

同じ景色をみて話すと、誤解が生まれづらい

特に「自分/自分たちを一度も見たことも聞いたこともない人」たちには丁寧に情報を渡す必要があります。前提によって同じ言葉でも捉えられ方が変わるからです。

一方で、前提共有は人間は話をするときに自分の無意識的な前提に目を向けることが難しいです。何故ならば本人からすれば当たり前だから言葉にしたことがないからです。

編集をするときは、読み手にとっての「前提抜け」に目を光らせ、書き手にとっての無意識を共に言葉にしていく必要があります。

編集の仕事は書き手の無意識を言葉にして、読み手との前提を埋めること

前提共有をするときのポイントは「書き手・話し手にとって過剰に思えるほど、話す前に前提を共有する」ことでしょう。

こうやって丁寧に相手と自分の知識の距離を縮めることで、スムーズに意図を伝えることが出来ます。


専門用語や会社特有の言葉に気をつける

前提共有は、企業が文化や取り組みを話すときには必須です。
なぜなら、企業は専門用語や会社特有の言葉があるからです。

このようなギャップを埋める編集が必要不可欠です。書き手と読み手の知識レベルや情報量の差を少なくするために、わかりやすい表現への言い換えや補足説明が重要になります。

長期休暇 -> ボーナス休暇と換言している

例えば、上記の例では長期休暇を表す社内用語「ボーナス休暇」をアイキャッチの中で言い換えしています。本文中でも補足して説明しています。

社内用語は世の中ではそのままでは通じません。

社内用語はそのままでは社会で通じない

また、専門的な知識を前提とした文章を一般向けに編集する場合、書き手側の前提が強すぎて読み手に分かりにくくなることがあります。

繰り返しますが、書き手と読み手の知識レベルや情報量の差を少なくすることが大切です。


元ネタの面白さを”ロス"しないこと

個々の取り組みには課題があり、課題を解くプロセスには面白さが宿ります。

記事を書く人や編集者が面白いと感じたポイントには、しばしば読み手も共感できる普遍的な魅力があります。

「編集」でその面白さを殺したくないのです。より魅力的にするのではなく、元の魅力を殺さないようにする。魅力をプラスするのではなく、"ロスしない"意識が大事です。

ポジティブ要素を残す

文章において、書き手がもつ熱意やユーモア、取り組み、斬新な視点は読み手が面白さを感じるポイントです。

これらを編集によって不自然に無くすと、記事全体の面白みが失われてしまいます。AIに編集させた文章が面白みに欠くのは、書き手の持ち味が不自然にカットされるからでしょうね。

ネガティブ要素を減らす


文章において、誤字や脱字、意味の取りづらさ、文字間隔やフォントの見づらさ、書き手らしさの除去は面白さを減少させるネガティブなポイントです。

分かりづらく読みづらいものに向き合いたい人は居ませんし、それがそのまま「面白くなさ」に繋がってしまいます。

まとめ

読み手に合わせて前提を共有し、記事の核となる魅力を損なわない編集が大切です。この2つのポイントを意識することで、読み手が読みやすく面白さを感じやすい記事を作れます。

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