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「宇宙神霊記」 美内すずえ


「人間の幸せだけを考えないでください。地球の生命体、そのものの大きさを考えてください。すべてはつながりあっているのです。もとを正さないと、人間も生きのびることはできないのです。」



「宇宙神霊記」 美内すずえ



この本は初版が1991年4月20日ですから、今から30年も前に出版されています。


今でこそ次元上昇やスピリチュアルと言えば、すんなりと受け入れられる方も多いと思うのですが、当時はまだスピリチュアルという言葉も一般的ではなかったと思うので、美内すずえさんがその当時から今の状況を予言していたかのような言葉に驚きました。


この本は、「ガラスの仮面」や「アマテラス」などの作品を描かれた漫画家・美内すずえさんのスピリチュアル体験記といいますか、ご自身の霊的覚醒や宇宙神霊とのチャネリングした記録から構成され、美内さんの考えや真実が記されています。

現実とは一般に、目に見える世界のことをいいます。が、本当は、現実は目に見えない世界が含まれています。いえ、むしろ、目に見えない世界のほうがとても重要なのです。

私がこの真実を知ったのは、宇宙神霊の存在を感じ、宇宙神霊とチャネリングできたからです。

(中略)

夢で霊界へ行き、夢でいくつかの前世を知り、宇宙神霊からのメッセージを受けとる。こうしてしだいに、夢のなかには、私が今生きている現実とは違う「もう一つの現実=真実」がひそんでいることを理解するようになったのです。


美内さんがチャネリングできるようになったのは、「夢」の重要性に気づいたこと。


17歳のとき、空を飛んでいた夢。


どこか遠い国の島の全貌を空の上を飛びながら見ていました。


西洋の城らしいものが見え、そこに急降下し、回廊のあいた穴に突入しました。


そこには、体の透きとおったたくさんの幽霊が!


それが「夢」だと思っていた美内さん。


7年後、ある喫茶店で見た少年雑誌に驚きます。あのとき夢で見たまったく同じ光景が少年雑誌に載っていたのです。


その写真のタイトルが


「世界の幽霊島」



それは夢ではなく、まさしく現実だったとわかったのです。


いろんな不思議な事象が夢だと思っていた美内さん。その夢は時間が経っても、とても詳細に明確に細かい部分まで覚えていて、忘れることがなかったのだそうです。


のちのち美内さんは夢を見ていたのではなく「幽体離脱」して、その島に行ったのだとわかりました。


そんな霊的体験をした美内さんがついに、「驚異的な目覚め」霊的洗礼を受けることになります。

私を根底から揺さぶるターニング・ポイントとなったのは。霊的洗礼!日本の偉大なサイキック・パワー・スポット、天河大弁財天社での霊的洗礼でした。

(中略)

私の視線は古代のよみがえりをとらえ、意識は宇宙へ飛び、魂の躍動を実感し、ようやく開きかかっていたチャクラが天河往訪を機になんと全開したのです。


天河神社に導かれる前に、訪れていた聖地がありました。


八ヶ岳の千が滝と京都の鞍馬寺です。
2箇所とも天河神社と縁がありました。

八ヶ岳の千ヶ滝は、役小角を通して、天河神社とつながっていたのです。


鞍馬寺は、なんと

鞍馬寺から南をたどって線を引くと、京都御所を通って、天理、三輪山と日本の重要地点を過ぎ、なんとあの天河神社へと結ばれるのです。

古代からの日本の中心を南北に走るクッキリとした線。宇宙の中心軸は、日本の中心線を内包し、天河神社へと結集していく。

こうした真実に、私は宇宙神霊の大きな存在を感ぜざるをえませんでした。


僕も2回天河神社に行かせていただくことができました。本当にすごく遠くて、容易には行けない聖地でした。「縁がないと行けない神社」であるとも本書に書かれていました。


そこで感じたのは、言葉で言い表すことが難しいのですが「違う空間」に居るような感覚でした。


僕は覚醒したとか、そんな神秘体験はまったくなかったのですが、頭がス~ッとして、身体が軽くなるような、それでいて「違う空間」に居るような、日常では体感できないような気持ちになりました。


美内さんは「ここで感覚を研ぎ澄まされたのだなぁ~」と考えながら、しばらく椅子にすわって目を閉じました。


天河神社で感じたこと、考えたことを踏まえて、本書の印象に残った言葉を何度も自分の心の中に響かせるため、以下に留めておきたいと思います。

現在のような貨幣経済中心の世界から、高度な精神文明が栄える新しい時代に突入するとき、地球は次元移動をすることになるでしょう。そのときこそ、ニュータイプが一致団結して、宇宙的規模の平和を実現させることができるのです。

かつて、地球は高い精神文明をもつ高次元に存在していました。しかし、今は低次元に属しています。だから、世界各地で起こってきた、そして今も起きている戦争、利益だけを考える経済、地球規模の環境破壊など、問題は山積みにされたまま。

けれど、宇宙神霊によれば、地球が低次元でいるのは一時期のことらしいのです。やがて、次元移動して、高次元の存在になるといいます。

その新しい地球のために、ニュータイプとなったあなたのパワーが必要なのです。もちろん、ニュータイプとなるには、特別な選ばれた人である必要はありません。むずかしく考えないでください。

ただ、自分自身を真に解放してあげればいいことです。そして、時期がくれば、あなたには自然に霊的覚醒が訪れることでしょう。

この「時期がくる」ということ。これには、とても重要な意味があります。

たとえば、あなたがニュータイプとして覚醒するときは、まさしく覚醒しなければならない時期が訪れているから、なのです。

もっと身近な例でいえば、ある人と友達になるとき。ある本と出会うとき。

人生において、ある選択をするとき。これらはみんな、あなたにとってそれらが必要な時期がきたということになります。すべて必然の結果なのです。

だから、すべてのものとの出会いをたいせつにしてください。もちろん、私のこの本との出会いも。

極端にいえば、私たちは、前世つまり過去の生で行ったカルマを解消していくために生きている、といっても過言ではありません。

(中略)

私たちの現在は、前世で行った善悪のカルマ(行為、行動)の必然的な結果であるというわけです。そして現世の行為の結果が、来世の運命を規定していくのです。

だれでもがもつカルマを解消していくことで、魂はクリーンになり、波動が高まるわけです、いわゆる個人の魂の成長です。これが、ニュータイプとして生まれ変わるための基本的な条件なのです。

自分の前世を知るには、他人を頼らずに、まず「内観」することが大事です。自分の内面を掘り下げていって、正直にありのままに見つめなおすのです。

あなたは今まで、友人やまわりの人たちとのかかわりで、ふと意外な自分に気づくときがありませんでしたか。そんな長所や短所を深く内観し、とくに自分が否定したい欠点を逆に見つめていくと、そこに自分の前世の断片が見えてきます。

人間の幸せだけを考えないでください。地球の生命体、そのものの大きさを考えてください。すべてはつながりあっているのです。もとを正さないと、人間も生きのびることはできないのです。神の意識が必要です。


僕がこの本で一番感銘を受けた言葉があります。心の中でずっとモヤモヤと考え続けてきたことが、納得できるわかりやすい言葉で書かれていました。


それは


感性を研ぎすませることにつながっていました。天から啓示を受けたような感覚でもありました。

チャネリング能力をアップするいちばんの近道は、「ひとつのことに熱中する」ことです。あなたは、そのひとつをもっていますか。

もし、まだもっていないのなら、みつけようと努力しているでしょうか。今は学校の勉強や仕事がいちばんたいせつ、と思っているのでしょうか。でも、それよりも、もっともっと大事なものがあるのです。

もちろん人にはいろいろな役目があります。数学や物理などの分野で活躍する人も、アートの方面に進む人も、それこそさまざまな人がいるでしょう。

みんな自分にふさわしい才能をもっているのです。だから、自分の役割を早く見つけることが大事なのです。

現在のあなたにとってたいせつなことは、いろいろな世界を知ったうえで、将来をもう一度考えることではないでしょうか。

本当に好きなことは、なんだろうか?本当にやりたいことは、なんだろうか?と、自分自身に問いかけ、じっくりと考えてみてください。

(中略)

損得を考えず、好きなことに夢中になって、ひとつのことを突きつめていくこと。これが、自分の感性を研ぎすませていく結果を生みます。

そして熱中するあまりに雑念が消えさって我を忘れる、つまり自我を忘却する状態になることがあります。が、この状態こそ、チャネリングしやすい状態だといえるでしょう。


美内さんにとってその状態は、漫画を描くことでした。


漫画を創作、描くことで心がクリーンになり 「壁一枚超える」状況になったといいます。つまりこれがチャネリングしやすい状況だったのですね。


自我を忘却するほど打ち込めることで感覚が研ぎ澄まされ、自然に魂が磨かれていくのです。

チャネリング自体は決してむずかしいものではありません。誤解をおそれずにいえば、心を解きはなてば、だれにでもできることです。もともと、人間だれにでも備わっている能力なのですから。



【出典】

「宇宙神霊記」 美内すずえ 学研


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