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【絵本】「ぼくがラーメンたべてるとき」 長谷川義史



「そのとき・・・。かぜが ふいていた・・・。」



「ぼくがラーメンたべてるとき」 長谷川義史



慮るという言葉を想起し、

慮るという言葉の風を

感じました。


ぼくがラーメンを食べてるとき、
となりで猫のミケがあくびをしています。

ぼくが ラーメン たべてるとき、
となりで ミケが あくびをした。

となりで ミケが あくびをしたとき・・・。
となりの みっちゃんが チャンネルかえた。


そのとなりでバイオリンを弾いてる
女の子がいて、そのとなりの町の
男の子がバットをふり、そのとなりの
町の女の子がたまごを割る。

幸せな日常の中、そのとなりで、
そのとなりで、そのとなりの国で、
という風に、状況が変わっていきます。


すると、いろんな事情が
絵とともにわかってきます。


ぼくがラーメンを食べているときに
他の国では、女の子が赤ちゃんを
おんぶしてたり、女の子が水を
くんでいたり、男の子が牛をひいて
いたり、女の子がパンを売って
いたりします。


不意に


ページをめくると男の子が倒れていました。

かぜが ふいている


男の子がたおれているその上に風が吹いています。

そのとき・・・。


最初のラーメンの男の子の場面に戻ります。


私たちは、家の窓の外からラーメンを
食べている男の子を目にするのです。


私たちはそのシーンを遠目に
見ています。カーテンが揺れて
います。

そのとき・・・。

かぜが ふいていた・・・。


いつか誰かが歌っていた。
答えは風に吹かれていると。

あらゆる人が、いろんな事情や
状況があることを想像し、慮る
ことができれば・・・。


そうなれば・・・。


ぜひ裏表紙まで見てください。
そこには風が吹いています。


たった数分で読んでしまえる
絵本でありましたが、絵が重厚
であったかくて、なによりも
内容がとても深い。


今度、ラーメンを食べるときには
必ず思い出すでしょう。
幸せな日常と遠い国の人々を。


The answer, my friend, is blowing in the wind

  


【出典】

「ぼくがラーメンたべてるとき」 長谷川義史    教育画劇
 Blowin’ in the Wind  Bob Dylan

 


いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。