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この頃の猛暑多湿でやられ気味な北海道ラベンダーたちの状況レポート。

ちゃちゃっと収穫を終えたこの頃のラベンダーのようすをまとめて報告あげちゃいます!


●前座、地域緑化。

雪害で街路樹の白樺が駆逐され、花も雑草も生えていない沿道にラベンダーを移植!
手始めに花壇を空けるために高橋ホワイトラベンダーを移植!

おそらくの英国矮小品種であるHidcoteの遺伝を持っているホワイトラベンダーなのでどうやらこれ以上は大きくならないようす。
なのでここに移してあげました。土質は粘土っぽいです。

ラベンダー栽培1、2年目はそんなことも知らずにオイル採る専用の品種!と意気込んでいたのですが、株・花茎サイズともにかなりコンパクトな園芸品種であることが判明したのでオイル採りには向かないと判断して花壇栽培から放逐されることとなりました。。。

ということで殺風景な近所の花壇?沿道の緑化木として植えて管理してあげることにしました!
本来役目を終えた後も活用される未来があるのは美しいことっすよね…!

空いた花壇にようやく、、、

白花品種の'ミンティーアイス'

本来は4株定植の予定でしたが、移植作業が遅れに遅れて6月末の猛暑で4株全てを一度枯らしてしまいました。Your dead…
で、かろうじて根っこだけで生存し、再び葉っぱを出しはじめた子らを新天地に植えてあげました!

通称レースラベンダーだとかエジプティアンラベンダーだとかFern leaf Lavenderだとかで呼ばれる、Lavandula multifidaでっす。
主に北アフリカで育つ完全乾燥帯・南方のラベンダーですね。
北海道では基本的に越冬できないそうでっす。そこを頑張ってみるのがおいら!


ではさてさて本題…
この頃ラベンダーの育ちが芳しくないようすをレポートあげます。

●ここ最近の高湿度にやられた?と思しき子たち。

3号濃紫早咲ラベンダー花壇のようす

まさかの3号濃紫ラベンダーにもしっかり枯れが発生。
花壇の真ん中を狙われたので、菌類か特有の感染症か!?とも疑ったのですが、7月半ばからフツーに酷な気候続きなんすよね。
さすがの北海道品種ベースたる3号濃紫でもダメかーといった感想。

ナリサワ花壇がヤベー事になっている…

先にレポートで上げましたが、問題のナナ・ナリサワ
これが特に彼の被害が大きい。。。

マグレで余して育てていたスペアのナリサワは比較的元気な様子。

無論反対側のナリサワ花壇1基目もこの有様。ナリサワは特に湿度に弱い北海道品種…?
収穫が遅れて株を弱らせたという見方もできるんですが。
ただ開花が進行していただけでここまで枯れあがることは生物学上ありえない話ですね。(タネ作る前に死んでどうする…!)

やはり暑さ湿気と開花疲れがダブルコンボで決まった感じでしょうか。

こちらも葉っぱ落ちがひどい2号はなもいわ

ちょっとくたばられるのだけはカンベンして欲しい大事な子2号はなもいわたち。

彼らの彼あがり具合もかなり気になる北海道品種ですね。
5月〜開花前までには葉の量・樹勢を持ち直したんですが、収穫後のこの曇天続きでしっかり弱ってしまった様子。

収穫後のカルシウム散布など、土壌の養分コントロール次第で耐えられるのかなぁーといった見立て。
間違ってもこの時期に葉っぱを増やそうと窒素分を与えると枝葉の軟化から腐れやコケ類の侵入を許してしまうことになるので注意かな、と。

あえて吸水をさせず休眠に追い込む消石灰か有機石灰を撒いてやるとこの多雨時期は被害軽微で乗り切れるのかもしれません。

で2号はなもいわ同様に大事にしたい子、丘紫ホワイト。
この子たちも頭3株は健康っぽそうなんですが、樹勢がイマイチなケツ4株があまり芳しくない様子。

下に切れて写っている4号おかむらさきですが彼らは大柄品種の名を欲しいがままに暴れ狂っている様子、、、
とは言っても、花茎がぐるぐる暴れまわるのは成長時に水分が多かった証拠。
ちゃんとドライ気味に育てれば真っ直ぐな花茎となります。


●むしろこの多湿気候を逆手に元気に育ってきてる品種…

3列中央▶︎アロマティコブルー花壇

3列いるうちの中央が何やら新緑に包まれて元気なようす。。。

アロマティコ花壇のようす

反転位置から撮るとこのような品種の並び。
他の品種たちに比べて明らかに様子が違いますよね。

苗の値段が1株¥1280とべらぼうに高く設定されている、シンジェンタが作った近代的な品種のアロマティコブルーなんですが、どうやら暖地でも比較的安定して育ち、多湿にも抵抗性をみせる南方向きに改良された品種のようなのです。(これを見る限りでは)

だもので、ここ最近の高温・多湿環境他のコモン品種たちがやられ気味な中このアロマティコブルーだけが元気に成長を再開していた、という状況なんですね。

再び伸びてきたアロマティコの花穂
Grown at Hokkaido 'Aromatico Blue' Calyx

この北海道ではなかなか稀な高温と多湿の時期に皮肉にも成長を旺盛化させる異端な育ちを感じるアロマティコブルーでした。


さらにさらに、、、

このラベンダー見本園に生えてる雑草…生薬?和ハーブリストに新たな子が新入りしました!

和名'ゲンノショウコ', イシャイラズ, イシャナカセ etc…
English common name 'Japanese geranium'
改めて観察すると、どの花もつがいで生えてることに気付いた!
そしてドクダミ、カキドオシエリアに混生して繁茂していた!

葉っぱがトリカブトに代表されるキンポウゲ科あるいはゼラニウム科っぽく、花はスミレのように小さく凛としていて見栄えがある謎の雑草。。。

夕方ラベンダー畑の草取りをしていて大きく根を張って育ってたのを引っこ抜いたのですが、その際詳しく調べてみると、なんとゼラニウムの一種!
聞き馴染みのない和名はゲンノショウコという名で、フウロソウ属(Genus Geranium)植物でした!
ゼラニウムっぽいという読み、大当たり!(カワイイので育ててあげようかな)

とはいっても"ゼラニウムオイル"を生み出せるニオイテンジクアオイ(Pelargonium graveolens)とは属が違っていて産地もかなり遠いアフリカ南部の植物なので、完全同じゼラニウムではないので誤解なきよう。。。

うちのラベンダー畑で見られるジャパニーズハーブは他これこれら、、、

ミントやローズマリーらとつくりが似ているカキドオシ

オイル抽出率めっきり低いですけどしっかりした柑橘系の精油が採れるシソ科カキドオシ!6月頭に花をみっけて蒸留しましたね!

こちらもレモン様の香りをオイル抽出できるドクダミ

こちらも精油抽出率がめっちゃ低いドクダミですね、これらもわんさかいます。

他にはセイタカとかいるのですがこちらは和ハーブのくくりを外れて北米外来種になってしまうので割愛。。。


若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。