見出し画像

現実と地続きの未来

子供の頃はうんざりするほど
「将来何になりたいの?」と聞かれたのに、大人になると全く聞かれなくなる。たかだか20年、人生の四分の一程度しか生きてないのに、完成したかのような扱いを受ける。
大人になっても夢の話をしている人たちもいるのかもしれないが、少なくとも私の周りにはいない。

将来どうなりたいだろうか?
あなたもぜひ考えてほしい。

子供がもう少し大きくなれば保育園料がかからなくなるので、浮いたお金で旅行したい。
今の仕事は10年以上続けているので、新しいことに挑戦したい気持ちもある。
子どものための学費とは別に、自分たちの老後のお金のことも考えたほうがいいだろうか?
親の介護はどうしようか。

私の将来なんて、せいぜいこんなものである。

ただの現実の地続きだ。
じゃあ昔の夢はというと、そんな大層なものはなかった。
英会話教室の先生をしていた母が、急に英語で質問してくるので、簡単に答えていたのを思い出す。
What do you want to do in the future?(あなたは将来何になりたいですか?)という質問に、
I want to be a housewives.(主婦になりたい)と答えていたが、実際は主婦になりたかったわけではなかった。

その頃、母子家庭の大黒柱だった母は朝も昼も夜も働いていて
「そうなりたくない。家でゲームしてたい」と言う私に「主婦になったら?」と母が言ったのが始まりだ。
今考えると、私のために一生懸命働いてる人に「あなたみたいになりたくない」という自分に、なんて残酷なんだと思うが、その時はそこまで考えが及ばなかった。

その後はずっとバカの一つ覚えで、将来の夢を聞かれたら「主婦」と答えていた。家でゲームをしたいから主婦になりたいなんて、主婦にも失礼だ。
結局はなりたいものなんてなかったのだろうと思う。好きなことだけして生きていきたかった。
強いて言うなら物書きにはなりたかったが、センスも努力する熱意もないからと早々に諦めてしまった。


大人になって夢にも色々あると気付いた。

人に話して「すごいね!頑張ってね!」と言われるためだけの夢。
なにかやってるわけでもない、ただの夢。周りに応援されることが目的なので、コロコロ変わる。

ただの願望。
5兆円欲しいとか、宝くじ当たらないかな?とか。大抵宝くじは買ってない。言うだけなのでただ。お金貰ったら何に使おう?と楽しい妄想ができる。

現実と地続きの夢。
夢のためにコツコツと努力をしてる。無言実行の人が多いイメージ。

私はせっかくなら現実と地続きの夢を見たい。
自分の夢と現実を地続きにするために、できることは少しずつやっていきたいし、言うだけで満足しないために不用意に夢を語るのもやめたい。

そうなると、この記事を公開できなくなるのだが、それは公開ボタンを押してから考えることにしよう。

あー、5兆円ほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?