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隣の芝生|エッセイ

隣の芝生は青い。

結婚するまでは、色んな人が羨ましくてしょうがなかった。自動車学校や専門学校の学費を払ってくれる親がいる人や、優しくて聞き上手でいつも周りに人が絶えない友人、好き勝手生きてるように見える人たち。他にもたくさん。

自分の見た目に関しては、元々そこまでコンプレックスはない。美人ではないが、ブスいじりされてもデブいじりされても、ふーんってなるだけだ。
ただ、性格には結構なコンプレックスがある。
大して面白いわけでもないのにぎゃーぎゃーとうるさい。友人は話してて楽しいし、喋るの上手だと褒めてくれるが、私は友人のように一緒にいて落ち着く人になりたかった。
無駄に喋るすぎるので、あそこでもう少し相手に話し振ればよかった。こう相槌打てばよかった…。と解散後に反省会することが多い。
過剰にスイッチオンの状態を続けて、疲れて寝込むこともある。
正直言って、自分の性格が好きではない。
私の周りの人は優しい人が多いので、あの子みたいに聞き上手になりたいな、優しくなりたいな、と参考にしてみたが、劣化版になるだけだった。
元からそういう性質の人には敵いっこない。(敵うとか敵わないとか考える自分も嫌だ)

その後結婚したから青く見えなくなったかというとそういうわけでもなく、人の欲望は際限がないので、新婚旅行費全額親が出してくれたとか、新車を買ってもらってるとか、そういうのが羨ましかった。
ただ、受け取り方は変わったかもしれない。

親に買ってもらう人が多い中、自分で働きながら車校で免許とって、自分で頭金出してローン組んで欲しかった車を買ったこと。
高校卒業と同時に親から離れられたこと。
夫と一緒に貯金して結婚式費用と新婚旅行費用を準備したこと。
早くから自立して、誰にも文句言われない生活をしていること。
自分が親にしてもらいたかったことを子どもたちにできていること。
離れていく人も居るけど、選んで仲良くしてくれる人がいること。
特に、夫がいることが大きいかもしれない。
私があまりよくないことをすると「それはよくないよ」と教えてくれる人が一番近くにいて、楽しいこともツライことも共有できる。

結果、私やるじゃん!頑張ってるじゃん。って、自分の現状を認められるようになった。
もちろん私だけの力ではなくて、たくさんの人に支えてもらってるのだが、それでも頑張ってる自分を好きになった。

ないものはない、しょうがない。
自分が持ってるものも素晴らしい、大切にしよう!と心から思えるようになれてよかった。


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