現代は「かぐや姫」で有名ですが、正式には
「竹取物語」
平安時代、前期に作成されたとされ、作者や制作年なども不明。日本最古の物語です。

あらすじ
おじいさんが竹藪のなかから光り輝く竹を見つけ、切ってみると中からなんと小さな赤子が。

大きく育ったかぐや姫はたいへん美しく、その美しさは世間の目にとまり、多くの求婚者が続出。
その噂は領土をも越え宮廷の帝（みかど）にまで届くほど。

幾人もの求婚者を跳ねのけるが、5人の求婚者が食い下がる。かぐや姫はその真意を測るように無理難題を結婚の条件と出すが、その難題を5人はことごとく断念していく。

帝が動き出し、申し出により引けなくなったおじいさんとかぐや姫だが、かぐや姫は月人であり、月に帰らざるを得なくなり地球と家族にもお別れをするというお話です。

平安時代は西暦で言うと710年～1,192年。
コペルニクスが地動説を唱えたのが西暦1,543年の話です。

西洋では宗教観の教えの兼ねあいもあり、天動説をずっと信じていた…
いえ、信じざるを得なかったとしても、その500年もまえに日本では月と自分たち、地球というの関係性が解っていたのか…

そんな疑問からこの物語にすごく興味がわきました。

竹取物語

詳しくはWikipediaで十分だと思いますが、ここで念頭に入れて頂きたい部分は

• 「竹取の翁」平安時代

• 「たけとり」鎌倉時代

• 「竹取翁物語」室町時代

といった、実際の各時代のタイトルを見るとわかる様にかぐや姫が主役として書かれていたのではなく、翁（おきな）おじいさんが主として書かれた物語であることです。

なので翁から見て聞いた主観や感覚からの目線で考えてみて欲しいです。

桃太郎のときとおなじく、翁と媼（おうな）の老夫婦には子宝に恵まれなかったという設定です。

一説には翁がかぐや姫を竹から取り出したときは二十歳ぐらいだったという説もあります。なのでかぐや姫は今でいう「養子」のような形になんとなく解釈されていますが、翁とかぐや姫との恋愛物語という見方も可能です。

文節に「妻である媼に預ける」とあります。
日本が一夫一妻制を義務付けられたのは明治8年で、それまでは養う財力さえあれば一夫多妻や妾（めかけ）を何人抱えてても問題はありませんでした。

媼とは子が授からず、老後にも自身たちに何かあったときの世話がなされず、第二婦人を必要としたのも必然ではないでしょうか。

宇宙人説（月人）

「天人」や「月へ帰る」という表現により「宇宙人説」や「未来人説」など考察されることも多々あるかと思います。

作者や制作元も不明な所から、シュメール（アヌンナキ）説へとつながる部分でもあり、古代都市の文明が現代よりも進んでいたという可能性からも宇宙人のような存在、人類に知恵と農作をもたらした存在として、浦島太郎の竜宮城と共にロマンがあふれるお話だと思います。

神格化と黄泉の国

月というのは仏教（元のバラモン教）では月天、月天子、十二天の1人や月光菩薩といった神格化された認識でもあります。

神話でも天照大神（あまてらす）須佐之男命（スサノオ）の兄弟である「月読命（つくよみ）」の象徴でもある月。

卑弥呼が※日の巫女（天照大神の使者）とするならば、赫夜（かぐや）姫は夜＝月読命の巫女を彷彿とさせているような気がするのは私だけでしょうか。

神話の中でも多く語られない月読。考察の域はでませんが、月読は月と夜、そして黄泉の国の神です。かぐや姫の国＝月の国とは、黄泉の国とつなげ、死者の国へ帰るとは死を意味する暗喩かもしれません。

※卑弥呼＝日巫女の説は一定数の学者の間では定説となっているようです。
これもまた、別のお話にて…

なぜ竹から？

⇓　現代訳

『根元が光る竹が一筋あった。
翁が不思議に思って、寄って見てみると、筒の中が光っている。
それを見ると、約9センチ位の人がとてもかわいらしく座っていた。』

少し無理がある説になるのですが、竹の成長速度は想定よりもずっと早く、１日で121センチも成長した記録があります。

竹藪に酔っぱらった人がその場で寝てしまい、襟元が竹先に引っ掛かり一晩で竹に持ち上げられ死亡するという事例もあるのだとか。

通常の状態の人であれば、途中で気が付く、もしくは何らかの対応が可能だったでしょうが、怪我をおっていたり、その場で息絶えた死体であればどうでしょうか。

ようするに、何らかの理由によりどこからか逃げだし、隠れ潜み、やせ細った妊婦が竹藪で息絶えたまま、吊り上げられた状態の比喩であれば、何とか「竹の中から9センチの胎児が」というお話のリアリティが付くのではと思います。

樹海などで見られる「首吊り死体」
竹の枝に人の全体重を支えられるとは思えませんので、自害の方は考えにくいですが実際の首吊りは肉が腐敗し、千切れるまで首の関節がはずれてかなり伸びます。

首吊り死体の発見者の話では、地面に足が付くまで首や背骨が伸びていて、遠目ではまるでただ立ち尽くしているだけの人のように見えるそうです。

とあります。その逃げていた妊婦とは貴族や皇族の妾で、王位継承の争いの火種の子として命を狙われるというのもよくある話です。

昔話、伝承、おとぎ話やあそび歌とは、公には言いにくい事実をまことしやかに伝承したいメッセージが隠れているものです。
竹取物語の作者が不明、そして「さぬきの造（翁の名）」なぜ”讃岐”の者なのでしょうか…

山窩（サンカ）

日本先住民の一つとされている民族「山窩」はご存じでしょうか。
色んな理由から山奥へと住み暮らす民族がいました。

彼らの「副業」とも言える職業が「竹細工」といわれ、それを得意とする山窩のことを「ポン」とも呼ばれていました。
詳しくはまた別の機会にこの山窩についても考察したいと思います。

桃太郎もこのかぐや姫も、おじいさん、おばあさんには子、家族がいません。

現代では巣立ち、一人立ちしたんだ、という暗黙のような了解のような解釈でいる方も少なくないと思いますが、昔では武士、サムライになるために上京する、といったような者は稀だと思います。

つまり、姨捨（おばすて）、口減らし、厄介払い
時には村八分にあった被害者、時には犯罪者や異端者、落ち武者、といった可能性があるのです。

そう、かぐや姫のおじいさん「翁」の職業は「竹細工師」とはっきりかかれているのです…

月と言えば、ウサギ🐇

「月にウサギが餅をついている」
月の影の形からそういわれているのも、ずっと昔からです。日本では18世紀からと言われていますが、月の兎はアジア各国で古く言い伝えられています。

中国では戦国時代から
「月の中に兎とヒキガエルがいる」というお話があるぐらいです。
仏教や徐福といった、多くの影響をうけてきた平安の時代、日本でもそういったお話を聞かないことでもないでしょう。

そして、兎といえば「繁殖力」が生物の特徴としての象徴でもあります。現代でのバニー姿がＳＥＸの象徴なのは、そうゆう意味です。人間以外で繁殖期がなく年中発情が可能な生物なのですから。

そんな月＝兎の国の姫
平安時代の性事情は源氏物語を知っている方であればご周知だと思います。夜這いや強制的な営みが基本のようなものでした。

女性側も、汚れたという話が広まって欲しくないことから、現代以上に泣き寝入ることしかできずにその場で抵抗できなければ諦めの境地でした。

といっても、子供の出産後の生存率は10人に1人といった時代というのもあり、ドラマや映画以上にご懐妊はおめでたいといった風潮が支配的なため、風俗的にもご承知な暗黙だったかもしれません。

翁にとってのかぐや姫、月の国とは、遊女と上流階級のことだったかもしれません。

最後に

現代の価値観ならば、不思議な世界＝死後の世界や宇宙の世界、異世界パラレルワールドとしての考察になりがちです。

このかぐや姫も浦島太郎も、宇宙などと現代では考えがちですが、桃太郎や鬼の説でもある「外国人」「外国」というのは今の我々でいう所の「宇宙」「宇宙人」みたいなものです。

平安時代ごろから、日本では「肌が白い」が美しい条件となりました。通説ではそれは「真っ暗、薄暗い夜、蠟燭の火や月明かりでは肌が白ければ眼鼻、口が際立つから」とされています。

外国人「男性」は体格や力の差が大きく、時に「鬼」「天狗」といった評価になりがちだった。が、外国人「女性」はどうだったのか、という疑問もあります。

私個人的に、このかぐや姫こそが当時の「外国人女性」を指していたのでは、と考えてしまいます。
白さが美しさの基準なのであれば黄色人種の日本人からすれば、ロシアなどから渡ってきた「白人」の女性はさぞ美しく見えたことでしょう。

今のところ、その根拠は一切ないのでこの最後として記載させて頂きました。翁が山窩だとして、山に隠れ住んでいたのは翁本人も異端者＝外国人だったのでは…そこに逃げ込むようにやってきたかぐやの母親…

「9センチの赤子が３か月で成人へと成長した」
3か月とは流石に尋常ではない荒唐無稽な話ではありますが、我々日本人と、外国人（特に白人）では成長速度（発育という意味で）全然違うとおもいます。

食文化が変わり日本人も大きく成長するようになった現代でも、見た目の年感覚が違うと思います。
日本人感覚で白人の子を見て「20歳ごろだろう」と感じても、実際には14歳ぐらいだったり、逆でもよくあるそうで、外国人さんが日本人をみて「20歳ぐらいだろう」と思ったら実際は30代以上だったりするようです。

大昔はそういった「差」は顕著だったとは思いますし、昔の表現とは色々と飛躍するものでもあります。
天の怒り（雷や台風）は神の怒りのように…

まとめ

翁というなにかと「運」がいい男性が、とある上流階級の正妻ではない妾として捉えられていた外国の女性の死体を竹藪で貴重品と共に見つけ、妊娠していた腹を裂き取り出した。

その赤子を育て、そのかぐや姫も翁が秘蔵っ子として隠していたが、媼ともかぐやとも子宝に恵まれず、帝が欲しいというなら惜しみながらも献上する。しかし、帝よりももっと謎の権力者がかぐや姫を引き取りに来る。

それは水平線に輝く月へと帰る外国船だったのでは。
という考察でした。