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レクと行事がニガテです。

施設のレクと行事がニガテです。まあハッキリ言うとなくしてもいいと思っています。というのはこれは高齢者に限らずなのですが、ジブンでジブンの時間を楽しむという姿勢が「楽しく生きる」ということの基本だと思うからです。

百歩譲って「職員がやりたいから」あるいは「職員が楽しみたいから」ならまだ意味があるかもとは思います。職員が楽しんでいる様子を見るのが楽しい・楽しませてくれようとするのが嬉しいと感じる人もいると思うので(それでも中にはそれを冷ややかな目で見る人もいると思いますけど)。

一番、困るのは職員自身が人を楽しませることがニガテで自分が楽しめないのに「入居者を楽しませなければ」という理由で行われるレクや行事です。
こうなるとレクや行事は職員をかなり疲弊させます。そしてグダグダのものになり入居者にとっても楽しいものでもなく写真を撮って証拠を残すために行われるような状態になります。

それは施設自体がレクや行事があることを良いことのようにアピールポイントにしていたり、行事やレクを積極的にやっている施設が良い施設であるという社会的な思い込みがあるからです。

そもそもハロウインやクリスマスなど今までの高齢者にとっては季節行事ではないです。それなのやってるところやたら多いです。職員自身が楽しんでバカやる分にはまあ良いとして、入居者さんに仮装させたりトナカイのツノをつけて無理やり笑わせて写真撮ったりするのはいかがなものでしょう?
もし私の父(厳格でプライドの高い人)がそんなことさせられて、その笑顔の写真を見たら私は「あの父が…」と、むしろ辛い気持ちになります。

そんなわけで実は入居者にとっても、いいことはさほどない(ゼロではないです。楽しんでくれる場合もあるのは知ってます)にも関わらず、行事やレクを行うことは多くの職員を疲弊させています。職員の中には行事が大好きで楽しんで良い行事やレクができる人もいますが、私の体感値ではむしろニガテ意識を持っていてできればやりたくないと思っている職員の方が多いからです。

施設の中に誰もイベントやるのが好きな人、得意な人がいないにも関わらず毎月1回やらけれはいけないからやっているという施設も多いです。なんの意味があるのでしょう?そのエネルギーはもっと大事なことに使いましょう。

施設の中には自分で自分の時間を楽しめる人が必ずいるはずです。それは本を読むことだったり、体を動かすことだったり、お花を育てることだったり散歩をすることだったり、スポーツを見ることだったり、映画を見ることだったり、おしゃべりをすることだったり。それが身体の衰えにより、自分では探すことができなくなっていたり、出掛けられなくなってしまっていたりメディアのあり方が変わってしまい操作ができなくなってしまったりといった理由で諦めている人が絶対にいるはずです。その人たちの気持ちを拾ってなんとか実現できる方法がないかを一緒に考えた方がはるかに有効なエネルギーの使い方だと思います。

中には元々、人に依存した人生を送ってきて「楽しむこと」人に頼る人もいます。そういう人はレクや行事が必要なのかもしれませんが、私はそういう人にも時間をかけて自分の楽しみを見つけてもらうようにお手伝いすべきだと思っています。なぜなら「生きる」ということは自分の時間を「楽しむ」ということだと思うからです。

「やりたいこと」をやること。それが人生で一番大切なことです。


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