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混成部隊を率いる力

  昨日はメンタルの毎月の受診日で、状況としては落ち着いていることから、話は5分で終わる予定でしたが、ひょんなことから話題が盛り上がり、自分の価値を棚卸しすることができました。
 
 僕はいくつかの分野で、専門的な知見と臨床経験を、他人より多く持っていますが、これはあくまで、組織の中での第一人者的な立ち位置であり、何かこの専門性を裏打ちするような公的な資格を有しているわけでもなく、組織の外に出ていけば、僕より専門性の高い人間は数多くいます。

 ですので、専門性だけで外海に打って出て、単身勝負すると、海の藻屑と消えてしまうでしょう。

 僕の強みは、外部の専門家の人たちと話ができる専門的な知見を、臨床経験をもとに語ることできるという強みと、複数の専門性を有することで、異なる専門性の間を融合し、他の人とは異なるアプローチで問題解決しようという発想が思い浮かぶことです。このとき、人的ネットワークを使い、外部の人の力を借りることもあります。

 また、マネジメントにおいて、異なる処遇、様々な専門職、働かない人、働く人を包含しつつ、それぞれの適性に応じた使い方をして、集団としての組織の力を最大限引き出す、ここに一日の長があることでしょうか。

 皆が精鋭という部隊を率いるのは、それだけ激戦地に送られることを意味するし、鼻っぱしが強い連中を統御するので、それはそれで大変な面もありますが、多くの組織において、そうした精鋭部隊を動かせるような恵まれた立場にいる人は、そうはいないと思います。

 多くの場合は、さまざまな立場や事情を抱えた人たちを束ね、補完しあうことで、もともと個々の力の単純集計では40とか50しかないところ、働く人のモチベーションを高めて人より動くようにして、働かない人はそれなりに頑張ってもらい、事情のある人はできる持ち場を与えることで、組織の力を65ぐらいまでは引き上げ、何とか戦えるようにする、これがリーダーとして求められるのだと思います。

 この場合、働かない人を抱えてどう戦うかがポイントなりますね。今の時代、働かないと決めれば、あとは自分を守るツールは事欠かないため、そこを無理して働かせることは非常に困難であり、そのうえ、「辞める」カードを切られると、いくら戦闘力が低いとはいえ、離脱されると穴が開くので、それはそれで痛い。

 かといって、働かない人を放置しておくと、働く人の意欲が失せ、組織の戦闘力は落ちてしまいます。

 このへんのバランスが、リーダーとしての腕の見せ所であり、処遇面では報いることには限界があるため、あとは日頃から、働く人との信頼関係を強化し、働く人を中心軸においた、属人的、私兵集団的な、リーダーとの結びつきの強い集まりをつくることが、組織の機動性を高めるうえでも、求められるように思います。

 こうした話をしたところ、主治医からは
「複数のクリニックを抱える医療法人の運営は、まさに混成部隊を率いる姿そのものであり、これは医師には無理で、そうした部隊を率いて、外部と折衝をする力があり、かつ、専門性をある程度理解している、
そんな事務長であれば、いくらお金を出しても惜しくはないですし、1千万円ぐらいでは、とても見つからないでしょうね」
と言われたので、なるほど、もしかすると、自分のキャリアを棚卸しして、見える化することで、売り込めるかもしれないと、昨日の受診でヒントを得たように思いました。

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