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計画的偶発性理論とアイデア発想術

「計画的偶発性理論/計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」は、キャリア理論の考え方の一つで、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されました。

簡単に言うと、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう、という考え方です。

「こんな歩みで出世したい」などと計画しても、なかなかその通りにはいかないし、むしろ偶然起きたことや出会いによって自分がいい方向に進んだりする。その偶然を意図的に作れるように行動するのが良いという理論です。

僕はこの理論が当てはまるのはキャリア論だけではないと常々考えています。人生すべてに当てはまることなのではないか、と。 特に、ビジネス企画の手法に当てはめると、「そうそう、そうだよ、これしかない」と言わざるを得ないほど、当てはまっています。

アイデアというものは、偶然でしか生まれません。

僕はそれを「ランダム思考」と呼び、「ランダムに情報を拾って組み合わせよう」「課題を持ちながら、いろいろな人に会って話そう」「何を見ても聞いても、自分の課題に組み合わせてみよう」ということを周囲にも推奨し、過去にTedxTokyoでも、そのことをスピーチしました。

このスピーチから6年がたち、実は今では少し考え方が変わっています。単なる偶発性でアイデアを探すだけではなく、まさに「計画的偶発性」によってアイデアを捕まえることが必要であると。

アイデアがひらめくことは「偶然」でしかないのですが、ただのランダム思考と、計画的偶発性がどう違うのか。

引き寄せたい偶然が起こるような情報や人の近くにいるようにするのです。

例えば僕は、自分が欲しているものを常に知り、意識するために、本気で「そうなったらいいな」「これがほしいな」と思っている個人的欲求をリストアップしています。その中でも、絶対に欲しいという「強欲」を常に頭に置いて生きています。自分自身が欲しい企画をやるか、欲しいとは思わない企画をやるかで、発揮できる能力が全然違い、その結果引き寄せられる偶然のアイデアの質が変わります。自分に本心からの欲求があれば、細部でのアイデアが偶然に見つかって、具現化の段階で壁を越えていくことができます。

不自然で無理矢理な情報源からアイデアを得ようとしても、結局は、腑に落ちる可能性が低いのです。自分の強欲がわかると、自分がどこにいて、誰と話している時にアイデアを手に入れられるのかが自然にわかるようになります。

例えば、いつもは一緒にいないような賢者や、有名人・有力者と一緒にいたからと言って自分の創造性が高まるわけでもないし、新しい情報を得ても、それが自分の欲しいアイデアとリンクする可能性は低い。自分の欲求を知ることで、自分が話したい人の性質がわかり、その人と一緒にいる時間に、必要なアイデアを引き寄せることができます。もちろんいろいろな新しいことを経験し、新しいインプットをすることは重要ですが、それによって、自分が欲しい出会いを作る「計画」ができるようになる方法は、自分の「本音の欲」が何であるかをまず知ることなのです。

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