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頑張るって我慢することじゃないよ!

「頑張ります!」
という言葉をよく耳にする。実に心地よい響きだ。
でも、しっかり意味を理解して使っている方は少ないように思う。
何故か、、、僕がそうだったかです。


中学生の頃の話。
つい最近のように感じますが、もうすっかり35年以上も前の話です。


地元の体操クラブに所属していた僕は、雨の日も風の日も日々練習に明け暮れていました。んーっ、風の強い日はお休みしていたかもしれません。


当時はロサンゼルスオリンピックが開催されており、日本人選手の金メダルラッシュが毎日のように放送され、日本中が盛り上がっていたのを鮮明に記憶しています。特に体操選手が10点満点を出して金メダルを取ったものだから、毎日ようにテレビに釘つけになっていました。


カッコいいなぁ、僕もできないかなぁ、、、と安易に考え、見様見真似で何度も練習してみるのですが、これがなかなか上手くできない。
ムーンサルト(月面宙返り)


あれこれとコーチに助言を頂くのですが、たぶん頭に入っていなかった。
「頑張ります」と返事だけはしていました。


ところが、どれだけ頑張っても思うようにできない。
周りの選手はあっさりできる様になったのですが、どれだけ頑張っても上手くできない。コーチが助言してくれる度に「頑張ります」とだけ返事をしていたのです。


そして、ついに競技会の選考から外されてしまった。
上手くできる様になったひとつ年下の子に先を越されてしまったのです。
レギュラーメンバーの発表の時は平静を装っていましたが、その後、ロッカールームに戻ると自然と悔し涙が頬をつたったのを記憶しています。


上手くできない自分を恨みました。
しっかり指導してくれないコーチを恨みはじめてもいました。
これだけ練習してるのに、どうして上手くできないんだ。
もう辞めちゃおうかな、なんて投げやりな気持ちにもなっていました。



学生服に着替えロッカールームを出たとき、もう日もすっかり暮れ、体育館のロビーは非常用のあかりだけが緑色に灯っていた。
薄暗くなった出口付近に人の気配を感じ、ふと目をやるとジャージ姿のコーチがポツンと立っている。どうやら僕を待っていたようだった。


「ゆーじ、悔しいやろ、あれだけ一生懸命に練習してたもんな」
と、コーチが声をかけてくれた。


「悔しいだろ」という言葉を聞いた瞬間、せきを切ったように涙が溢れだす。


「悔しいと感じるのは、お前がしっかり頑張ってきた証や。しっかり向き合い、大事やと思ってきたからそう思うんや。結果が出ると信じてきたから」


コーチは続けた。
「でもな、お前、頑張る頑張るってうてたけど、頑張るって我慢することやないからな。苦労を背負い込むことでもないで。お前、全然楽しんでなかったやろ、そこやわ」


確かにそうだ。
僕は確かに頑張っていた。自分が本気で取り組んでいたことは自分が一番わかる。でも、こんなに頑張っているのに、全然上手くできない自分の存在に落胆していた。だから、まだ出来るはず、頑張りが足りないって自分に言い聞かせていた。自分を誤魔化していたんだ。


楽しさなんて全く感じてもいなかった。


自分を傷つけないように生きようとすると、傷つけないものを探してしまう。楽しむために生きようとすると、楽しいものを探すようになる。


コーチの口癖だ。
僕はちゃんとコーチの助言を聞いていなかった。「頑張ります」という返事で自分をコーティングして誤魔化していただけ。


「成長する人」と「成長しない人」の差は何だ、と問われるならば、今ならこう答えます。


相手の言うことをちゃんと受け止め、聞き入れ理解しようとする。
自分で勝手に解釈しないで、理解できるまで何度も質問できるかどうか。
そう、関心を持てるかどうかです。


決して「頑張ります」と答える元気の良い人ではない。
これだけは分かりますね。


最後まで読み進めて頂きありがとうございました。🌱


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