韓国発ミステリー映画「訪問者」

ご無沙汰してます、kです。遠出のできない毎日が続いています。仕方ないのでHuluでせっせと映画を見る毎日。。しかし、在宅のおかげで今まであまり観て来なかったジャンルの映画も観るようになってきて、これは逆に間口が広がって良かった気がします。

先週は、2018年公開の韓国映画「目撃者」を観ました。

目撃者


以下、若干のネタバレあり。

この映画、メインビジュアル(上の左側の写真)の不穏な感じも目を引いたのですが、実は作品のあらすじを読んだ時点で「おや?」と思いました。明らかにエピソードに見覚えがあったのです。あらすじをHuluから引用してみましょう。

深夜に泥酔状態で帰宅した会社員のサンフンは、女のかすかな悲鳴を耳にする。恐る恐るベランダに出ると、女がある男に殴り殺されているところを目撃。次の瞬間、殺人鬼は、サンフンの部屋の明かりに気づき、部屋の階数を確認するのであった・・・

このラジオをお聞きの方ならピンと来るかもしれません。そう、有名なサイコパスチェックの質問に、酷似しています。リンク先から引用します。

あなたはマンションに住んでいます。
夜中ベランダへ出ると向かいの道で男が女を刺しているとこを目撃しました。男はあなたに気付き、こちらを指差し何か呟いています。
男は何をしていた?
この答えは、「階数を数えていた」

なぜ階数を数えていたのかというと、目撃者が何階に住んでいるかを確認していた、というわけです。あとで殺人犯が殺しに来るわけですね。

なので、この質問に対して「階数を数えていた」とすんなり答えられたあなたは発想がサイコパスだよ、という話なのですが、この映画「目撃者」はどう考えてもこのサイコパス診断の質問のネタ一つを種にして作られていそうです。

インターネット上の小ネタから映画を一本作ってしまう事例は、『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』とか『風俗行ったら人生変わったwww』とか、あと古くは『電車男』など邦画でも見かけますが、韓国映画にもそういう作り方があるとは知りませんでした。

しかし、どう考えても殺人犯が「階数を数えていた」だけのネタを1本の映画にすることはできません。なので、展開には色々と工夫がなされています。

例えば、主人公サンフンが殺人を目撃する現場は、集合住宅の中庭。この住宅堅い仕事をしている真面目な一般市民がちょっと背伸びしたら買えるくらいの価格帯の模様です。主人公も、最近一念発起して購入し、引っ越してきたばかりです。そんな矢先に、敷地のど真ん中で殺人事件が起きてしまいました。

マンションの住民は警察の捜査に対してむちゃくちゃ非協力的です。

キム・サンホ

刑事役のキム・サンホ。コミカルな見た目ですが、オフショットはかっこいい。

キム・サンホオフ

引用元:https://ameblo.jp/kazumi-si/entry-12398706394.html

イケオジですね!

住民は殺人事件のせいでマンションの価値が下がるのが怖いのです。人ひとり死んでんねんで!・・・といっても、みんな一番心配なのは自分の懐。むしろ、見も知らぬ女が殺されるなんていい迷惑、みたいな態度。だから目撃者である主人公サンフンが名乗り出て協力すれば良いのですが、それができない理由がある。まず、サンフン自身が殺人鬼にばっちり目撃”されて”しまっていて、家には妻も子供もいる。そして、2つ目は実は殺された女性にまだ息があるときに一度通報する機会があったのに保身のために通報しなかった、という事実が判明するからです。サンフンが通報していれば、彼女の命は助かったかもしれない。そのことを非難されるのが怖いために、刑事の懇願にも応じることができません。しかし、日常生活の端々に殺人鬼の影がチラつくようになります。彼はサンフンに迫ってきています。

という感じで、複雑な人間心理を追いながら、いつ現れるかわからない殺人鬼をハラハラしながら待つというサイコホラー的な要素が同時に楽しめる、ネットのネタ1つから企画された(と思われる)にしては、中々見応えがある映画になっています。

一つ難点をあげると、主人公が警察に非協力的な態度をさせ続ける動機にイマイチ理由付けが足りないような気がしました。

例えば中盤、もう殺人鬼がちょっと離れたところにいて、キム・サンホ刑事がすぐ目の前にいて、家族も全員すぐそこにいて・・・みたいな状況で嘘をつき続ける意味はないのでは・・・? まぁ、パニックになっているような描写はありましたが、最も懸念しているであろう「家族を人質にとられる」心配がない状況なのに、助けを求めないことには違和感がありました。一応、主人公は職業柄、警察という組織そのものへ不信感を抱いていますという伏線はあるのですが・・・。

あと、本国ではR15指定だったそうで、ちょっとグロいシーンもあります。

アオキさんは喜びそうですね。

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