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ピーナッツのなます

テレビで千葉県の醤油を使ったスペイン小皿料理アヒージョの紹介があった。オリーブオイル、千葉県の醤油を加えて、ピーナッツ、ホンビノス貝などの県産食材を煮込んだ料理だったが、それで、わが家にもピーナッツを使ったなますがあったことを思い出した。

子どものころ、父親がよく暮に作っていた。落花生の皮を剝いて、ピーナッツをすり鉢ですりおろして、味噌、砂糖、酢を入れて、そこに千切りにして茹でて布巾で絞った大根と人参をすり鉢の中で混ぜていた。その頃は、祖母(つねおばあさん)や従兄弟(まこと)も住んでいて一緒に作っていた。私も、味噌、砂糖、酢を入れたりと手伝った。味噌や酢を入れるときに父から「味噌の量はそのくらいだ」と言われながら手伝った。

大人になり、一度作ったら、家内が珍しがって美味しいと言ってくれた。その後、すり鉢が行方不明になり何年も作っていない。

ピーナッツのなますは、妻は始めて食べたとのことで、私も飲食店やスーパーで見かけたことがない。このピーナッツを使うのは、父が千葉県市川国分の出身だからだろうか。それが祖母の実家だけのものなのか市川やそれ以外の地域にもあるのかは聞いていない。

ピーナッツのなますのことを思い出したので、従兄弟のまことの家に聞いてみた。そしたら、娘さんから「ピーナッツのなますは父がいた頃は、年末年始の旅行に行く前は毎年つくっていた。父が落花生を剥いてすり鉢でする手伝いをしていた。今でも、母子でその味を引き継いでいる」との返事をもらった。懐かし味がずっと守られて作られてきたのがうれしい。今は祖母も父も従兄弟も他界したが、その味が引き継がれていることがすごくうれしい。

以前に白ごまで代用できるかと思い、やって見たことがあったが、やはりピーナッツの味には勝てなかった。すり鉢が手に入ったら、またピーナッツのなますに挑戦してみたい。

先日5月5日におじゃました日に、
新検見川のいとこ家族が
作ってくれたピーナッツのなます

2023.2.9
2023.5.28追加



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