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春雷の夜には

2020.03.13 

今は明け方で、その少し前には春の嵐が訪れていた。

毎年やってくる春雷は、雨雲と共に夜中に雷雲を連れてやってくる。

若い頃は、寝れないのじゃないかと思いながら過ごしていたけど、

ときどき光る稲光に魅かれたりしていた。

遠くから次第に近づいてくる。

雨が激しくなり、そう思っているうちにまた止んでいく。

終わりかと思えば、続いたり、もう少し降るのかと思うと去っていく。

今年は「春雷好きかも」と思いながら聞いていたら、

ぜひ次回には、夜中にじっくりと春の嵐を聴きながら、お茶をするのも良いのではないかと思いついた。

そうすると、あとは「何を飲み」「何をお茶菓子にするのか」を考えてみた。

夜中だけれど、この際、やはり飲むのは紅茶ベストだろう。

ダージリンかな。いずれにせよ、爽やかなストレートティーが良い。

元々フレーバーティーは苦手だし。

とても手こずったのは、「お茶菓子」

ティータイムに定番のスコーンが良いかと思ったけど、夜には合わない。

生クリーム系は論外だし、チーズケーキ系もアウト。

和菓子じゃ紅茶に合わないし、フルーツはやはり朝だ。

ムース系もどうもしっくり来ない。

モンブランも生クリームが入ってる。

焼き菓子のパウンドケーキやクッキー、サブレーも夜って感じじゃない。

あれこれ迷ってたどり着いたのが、ベリー系。

でも、パイじゃない。

さっくり感としっとり感を兼ね備えて、甘過ぎないお菓子。

「東ハト・オールレーズン」か、、、。

ずっと長い間食べてないので、もしかしたら甘くなってるかもしれない。

だいたいベリー系じゃなくて、レーズンなんだけど。

春雷を迎えるための一人お茶会。

お茶菓子の候補が決まらないのも締まりがないので、少し検索してみたら、

「ガレット」が良いかも。

そば粉の方じゃなくて、「ガレット・ブルトンヌ」

さらに「ラズベリーとクランベリーのガレット」かな。

表面はカリッとしてるけど、中はしっとりしてるところがピッタリかな。

冬から春へと移り変わるその瞬間に立ち会うのって、

ワクワクする。

空の上で繰り広げられる毎年やってくる春雷。

旬の食材を楽しむように、ひっそりとじっくりと夜長を過ごすのも満更ではないのではないだろうか。

ただし、初回限定で。


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