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【ポートフォリオ】かりるーむ専用るーむ

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名古屋の不動産会社かりるーむさん(cari.jp)の鈴木社長ブログhttp://kblog.mediacat-blog.jp/に投稿した記事アーカイブ。おもに映画について書いてい… もっと読む
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記事一覧

【シネマで社会勉強】No.20 ~ アカデミー直前 「ドライブ・マイ・カー」にすべりこみ!

 

 上映時間の長さにビビッてなかなか足を運べずにいた「ドライブ・マイ・カー」(濱口監督の作品はどれも長いですがw)。

 そろそろ公開も終わりそうなので先日ようやく覚悟を決め観てきました。すでに多くの方が観ていると思いますので多少ネタバレで感想を書きます。

★ 

 序盤、なに不自由ない結婚生活を送っているように見える主人公の舞台演出家が知ってしまう妻の秘密。

 とっさに見て見ぬふりをし

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【シネマで社会勉強】No.19~奇妙な偶然? ラリー映画2連チャン②~「僕と彼女とラリーと」

【1】
 2022年に入りました。年をまたいでしまいましたが前回の続き、奇妙な偶然の後編です。

 スカパーから録画したラリー映画「OVER DRIVE」を見た次の日、何か面白い映画でもやってないかなーとネットで探していたら、「僕と彼女とラリーと」という作品が公開中という情報が。

 ラリーの映画って、ゆうべ見たばかりじゃん……。

 まるでこの映画を見るために昨夜の「OVER DRIVE」でラリ

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【シネマで社会勉強】No.18~奇妙な偶然? ラリー映画2連チャン①~「OVER DRIVE」



 「スカパー!日本映画専門チャンネル」からはるか昔に録画したままずっと放置していた「OVER DRIVE」という邦画作品を先日、何の気なしに鑑賞しました。

 ラリーにかける若者たちを描いた2018年公開の作品。全編にわたりすさまじいクルマの爆走シーンが展開されます。

 物語の中心となるのは、ラリーチームに所属する一流メカニックの兄と凄腕レーサーの弟の兄弟。

 本作のあといろいろとあった東

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【シネマで社会勉強】No.17~強さとユーモアは老後の孤独を乗り越える~「おらおらでひとりいぐも」

【シネマで社会勉強】No.17~強さとユーモアは老後の孤独を乗り越える~「おらおらでひとりいぐも」



 文藝賞・芥川賞ダブル受賞作の映画化です。それまで一介の主婦だったという作者の若竹千佐子さんは夫との死別をきっかけにこのデビュー作を書きあげたそうで、主人公の姿には作者がダブります。

 映画は冒頭から派手なCG映像で地球上の生命の誕生をたどっていく。三葉虫から魚類、そして恐竜から原始人へ……。

 自分たちはこの命の流れの一番末端に位置していることを思う。同時に三葉虫や恐竜のように、ゆくゆ

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【シネマで社会勉強】No.16~ヤクザは家族? 映画「ヤクザと家族 the family」感想【若干ネタバレあり】

【シネマで社会勉強】No.16~ヤクザは家族? 映画「ヤクザと家族 the family」感想【若干ネタバレあり】

久々の投稿です。コロナの影響もありご無沙汰しておりました。

今回ご紹介するのは公開されたばかりの日本映画「ヤクザと家族 the family」です。

ポスターがどことなく、アカデミー賞受賞で話題になった韓国映画「パラサイト〜半地下の家族」っぽいですね。

ポスターとタイトルから、かなり家族のきずなを前面に出した作品のように思わせますが、自分としてはそのへんはさほど大きくはないような気がしました

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緊急事態の下でとりあえず思うこと。

緊急事態の下でとりあえず思うこと。

 かりるーむさんのブログでは、おもに映画やエンタメの話題などを肩の凝らない感じで気ままにつづっていこうと思っていましたが、

 昨今のこの状況ではなかなかそうもいかないなーと。やはりこの問題についてふれなければいけないなーと。

 誰もが言ってますが、今年のはじめごろ、つい三か月ほど前には、まさかこんなことになろうとは誰が予想していたでしょうか。

 最初は海の向こうの出来事にすぎないとタカをくく

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【シネマで社会勉強】No.15~『Fukushima 50』は原発事故をどう描いたのか。

【シネマで社会勉強】No.15~『Fukushima 50』は原発事故をどう描いたのか。

 かりるーむをご覧のみなさま、お久しぶりです。

 前回の更新から二か月近くたってしまいました。この間、みなさまがたもさぞかし大変だったかと思います。

 新年度も始まったので心機一転、このブログの更新ふくめ頑張るつもりなのでよろしくお願いいたします。



 さて、自粛ムードで最近は家にこもりがちでしたが、今日は月に1度の映画サービスデーだったので劇場へ足を運びました。

 選んだ作品は『Fu

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【シネマで社会勉強】No.14~祝 アカデミー賞受賞!『パラサイト』

【シネマで社会勉強】No.14~祝 アカデミー賞受賞!『パラサイト』

 以前個人のブログに本作品のレビューを書いたのですが、このたびのアカデミー賞受賞を祝して転載させていただきます。
 公開からかなりたっていますが、ネタバレまくりなので映画未見の方は読まないことをおすすめします。

☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
(以下ネタバレ)

 今年第1発目に劇場で観たのは、ポン・ジュノ監督作品『パラサイト』でした。

 序盤、一家が素性を隠

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【シネマで社会勉強】No.13番外編~『ホテル・ムンバイ』ヒット! タイトルに「ホテル」がつく映画5選。

【シネマで社会勉強】No.13番外編~『ホテル・ムンバイ』ヒット! タイトルに「ホテル」がつく映画5選。

 今回は社会勉強もいったんお休みです。番外編でただいまヒット中の映画『ホテル・ムンバイ』にあやかり、タイトルに「ホテル」がつく映画を5本、ピックアップします。

①『ホテル・ルワンダ』

 テロリストに襲われたホテルで従業員たちが一丸となって戦う『ホテル・ムンバイ』という映画からまず連想したのは2004年制作の『ホテル・ルワンダ』です。

 やはり実話をベースに、ルワンダ虐殺下の難民を受け入れたホ

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【シネマで社会勉強】No.12~上映後も熱いトークセッション! 福岡発地域映画『翔べない鳥も空を見る。』

【シネマで社会勉強】No.12~上映後も熱いトークセッション! 福岡発地域映画『翔べない鳥も空を見る。』

【福岡発の地域映画を無料上映】

 7月27日、埼玉県吉川市の市民交流センター「おあしす」にて九州・福岡発の地域映画『翔べない鳥も空を見る。』の上映会が多くの観客を集め行われました。

「SNSが当たり前な若者、当たり前じゃなかった大人たちに贈る」と題されたこの映画はアジアフォーカス・福岡国際映画祭2018の招待作品にもなりました。監督と脚本を手がけたのは1988年生まれの若手、小田憲和監督です。

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【シネマで社会勉強】No.11~こんなおジイちゃんになってみたい! 心あたたまるロード・ムービー『ハリーとトント』

【シネマで社会勉強】No.11~こんなおジイちゃんになってみたい! 心あたたまるロード・ムービー『ハリーとトント』



【1】

 超高齢化社会に向かいつつある日本。お年寄りをめぐるさまざまな問題をニュースなどで聞くたび、つい自分の老後にも不安を感じてしまいます。

 先日、政府から定年後の第二の人生の資金として最低でも2000万円が必要というショッキングな発表がありました。

 人生の最終ラウンド、お金はもちろん精神的な面でもどのような気持ちで臨めばいいかは大切な問題です。

 そんな難問に、ひとつの回答とな

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シネマで社会勉強⑩	この日常は世界の半分でしかない~『半世界』

シネマで社会勉強⑩ この日常は世界の半分でしかない~『半世界』

【1】

 小さな田舎町で暮らすもう若くはない男たち三人の生きざまを描いた『半世界』。タイトルはいったい何を意味しているのか、いろいろと想像しながら観始めました。

 映画の舞台は山と海に囲まれた小さな町。場所を特定しないまま物語は始まりますが、やがて三重県の伊勢志摩あたりらしいと見当がついてきます。

 この町で炭を焼いて生計をたてている紘(稲垣吾郎)のもとに、自衛隊を除隊し、帰郷してきた旧友の

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シネマで社会勉強⑨山本晋也監督、古今東西の名作映画を語る

シネマで社会勉強⑨山本晋也監督、古今東西の名作映画を語る



●埼玉県草加に山本晋也監督来たる!

 今回は番外編で、映画関連のイベントを紹介します。

 埼玉県草加市の中央公民館ホールにて、映画監督の山本晋也氏と元NHKアナウンサーの渡辺俊雄さんが古今東西の名作映画をセレクトし、その魅力を語り合うトークショーが開かれました。

 僕の地元から目と鼻の先なので、さっそく会場に足を運びました。場内はほぼ満席、おふたりの人気の高さがうかがえます。

 今年8

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シネマで社会勉強⑧被災地のいまとそこで生きる人々~『生きる街』

シネマで社会勉強⑧被災地のいまとそこで生きる人々~『生きる街』



【1】

 昨年、夏の休みを利用して仙台から石巻、釜石と三陸の海沿いを車で走りました。

 東北もむかしツアー添乗員をしていたころはよく来ていましたが、最近はご無沙汰でした。

 添乗の仕事を辞めるきっかけのひとつが、2011年の東日本大震災でした。

 3月に発生したため、ちょうど東北の桜の開花時期に重なってしまい、花見のツアーもほとんどが中止。添乗の仕事も大幅に減ってしまいました。

 仕

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