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友人の一言で気づいた私の個性「お味噌と、紙の本と、私の夢」



朝の光が眩しい朝、アラームに設定した大好きなアイドルの曲とともに、私の新しい一日が始まります。

そして、目覚ましを止めたあと、そこからは、いまの私に二度寝は許されません。
少し前までは、アラームを止めても、大きな声で声をかけてくれ、朝食まで用意してくれていた家族がいました。でも、今年の四月から住み始めたこの部屋に住んでいるのは、私だけです。

大学生になって、一人暮らしを始めた私にとって、朝は大人への階段を登っていることを実感するひとときです。

そんな私が、最近、特に力を入れているのが「味噌汁」です。

お湯を入れるだけで完成するインスタントの味噌汁も好きですが、最近は、味噌汁を手作りすることにはまっています。

といっても、味噌汁を作るのは、前日です。朝は、夕飯のために作った味噌汁の残りを、鍋で温め、お椀によそるだけです。

なぜ、慌ただしくなりがちな朝に、そんな悠長なことをしているのか?と気になる方もいるかもしれません。
忙しい日々の中では、インスタントのお味噌さえ、手間に感じる方もいらっしゃると思います。

私が「手作りのお味噌」を始めたのは、私の家族も、お味噌を手作りする習慣があったため、最初は「お味噌は手作りするもの」という、固定観念から、大きな理由もなく始めたことでした。

しかし、ある日、大学の友人が部屋に泊まりにきたとき、お味噌を手作りしていると「丁寧な朝の過ごし方をしているね」と言われたことがありました。
私は、その友人の指摘を受けて、お味噌は、手作り以外の選択肢もあったことに、初めて気づいたのでした。

ただ、そんなことに人生で初めて気づいたのにも関わらず、インスタントの味噌汁にすぐに切り替えることは、私にはできませんでした。

スーパーで購入した大きなお味噌を一人で消費することは意外と難しく、毎日コツコツと使用していかなければ、せっかく買ったのにも関わらず、開封済の冷蔵庫の味噌が、すぐに賞味期限に達してしまう可能性があるからです。

そんな切実な理由もあって、一度始めてしまった「味噌汁作り」は、すぐにやめることはできませんでした。

でも、私はこの「手作りのお味噌」を作る習慣が、思いのほか、気に入っています。 

野菜や豆腐、油揚げにワカメ。具材はインスタントより、手作りのほうが、格段に美味しく、手作りのお味噌は、身体だけでなく、心も満たしてくれます。

結局、あのときの友人が泊まりにきたときに冷蔵庫にあった味噌を使い終わったあとも、私は、またスーパーで味噌を購入し、「手作りの味噌汁」を作り続けています。

そして、それが、ほかの人からみて「丁寧な生活」だと感じられるのだと思うと、ただ、お味噌を作るだけなのに、なんだか、特別のことのように感じられて、いまは意識的に続けている私の大切な習慣のひとつになっています。

「丁寧な生活」って、素敵な響きだなぁと、実はかなり気に入っています。これといって大きなと取り柄のない私にとって、あの言葉は、褒め言葉のように感じたのかもしれません。

そして、私が朝に大切にしている習慣は、手作りのお味噌以外に、もうひとつあります。

それは、本を読む時間です。

それも、電子書籍ではなく「紙の本」を読むことが私のこだわりです。

紙の本は、そのページに触れる瞬間、文字が息づいているように感じられます。スマホのツルツルした感触とは違う、あのザラザラとしていて、一冊ごとにも、ページごとにも異なる、あの感触が、その本の個性をさらに強めているような気がして、特別な体験をしているような気分に浸ることができ、私はとても大好きです。
ページをめくる音や、本の香りも心地よく、物語ををより身近に感じることができます。
物語の面白さに、読書に夢中になっても、画面の輝度に疲れることもありません。

「手作りのお味噌」と「紙の本」。
特別なことがない1日も、この2つの習慣のおかげで、私は毎日を丁寧に生きている実感があります。

もしかしたら、友人から、あの言葉をもらって以来、以前はのんびりな自分の性格がコンプレックスだったのに、そんな自分のことを、少しずつ好きになれているのかもしれません。

そういえば、自分の時間を大切にすることは、自分の人生を大切にすることだと、どこかの本で読みました。

丁寧な朝を過ごすことは、もしかしたら、自分の人生を大切にすることにも、繋がっているのかもしれません。

私は、これからも、朝を丁寧に過ごす習慣を続けていきたいと思っています。

そして、いまは、まだ大人への階段を登り始めたばかりの私ですが、いつかは自分だけでなく、大好きな人のことも大切にできる人になれたらいいな、なんて、いまの私には大き過ぎる夢を思い描いています。

そんな妄想をしながら、今日もまた、明日の朝のためにも、自分の将来のためにも、味噌汁を用意し、大好きな本を、私は少しずつ読み進めていきます。



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