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本からもらうもの。「天狗の台所①」より

こんにちは!tamasiroです。
「お腹を満たせば心も満たされる」とはどこで聞いたか読んだか。
記憶していませんが、一理ありますよね。
美味しいものは気持ちを前向きにしてくれる時があり、また誰かと共有することでつながりができたような気もしてきます。
そんな美味しいご飯とつながりの物語が今回の本に詰まっています。

こちらはマンガコミックです。
著者は 田中 相 さん。発行は講談社です。
日本の原風景。
スローライフ。
ロハス。
丁寧な暮らし。
ご近所づきあい。
ページをめくりながらこのような言葉が浮かびました。
読んでいてふわりと心が軽くなるような優しさをもらいながら、ゆっくりと読み進めたいお話しです。


こんなお話し

自分が天狗の末裔であると十四歳で知ったニューヨーク育ちの少年。
天狗の末裔は十四歳の一年間、しきたりで日本で隠遁生活を送ることになっているときいて期待を胸に向かいます。
隠遁生活先の兄とは価値観が合わないため反発してばかりの毎日。さらに暮らし始めてみると自然の中の生活は不便がいっぱい。
期待していたような刺激もなく、ただひたすらに生きるため、食べるための作業の繰り返しです。
やがて都会育ちの彼は慣れないながらも素朴な暮らしを徐々に受け入れ、自然の中で育まれる美味しい生活を楽しみはじめます。
生きるための食の大切さ、生きるための人とのつながり、素朴に営む生活の中の喜び。
現代人にとってはすでに久しくなった日本の原風景と丁寧な暮らしがつづられています。


読後に

時代が変化しても、人間は栄養を外部から摂取しなければなりません。
少しでも美味しいものを食べたいと思う人類は、飽くなき探求から様々な新メニューを生み出し続けます。
入れ替わりも早く、一年もすれば流行が過ぎ去ってしまうことは珍しくありません。
でも、もし探求の外にある本能で美味しいと感じるものがあったらどうしますか?
体が喜ぶのか、心が喜ぶのか、判断できませんが食の満足感は突き詰めればそういうことなのかもしれません。
何を無駄と判断するのかは人それぞれです。
生活を送る中で摂取するものや道具などを、自分の手を加えたもので満たすこと、何で作られているのか正体の明らかなもので満たすことは現代の生活の中ではとても難題。
難題で、とても贅沢なのかもしれません。
私は作中にあるような生活の経験がありませんが、考えてみると久しくなるまでそれほどの歴史は経過していません。
体験してみたいと思う反面、主人公のようにポジティブに受け入れられるかというと自信のないところ。
最近の世界の課題として取り上げられている “持続可能な社会” を実現化すると、このような原点回帰も一部で必要になっていくのかなと思いました。
生活、食、人のつながり。
このような平和に生きるための基本的な営みを、作中から提案されているように感じました。
まだ一巻なので、ここからどのような展開となっていくのか、素朴な生活がどのようなものなのか、楽しみに次巻も読み進めていこうと思います。


最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日が素敵な1日となりますように😊

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