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第19回:「喜び」で「統合」を図る

今回のテーマは「喜び」で統合を図るです。私たちが意識の次元を上昇させるためには、「統合」を行っていかなければなりません。なぜかというと重い意識のままでは意識の次元を上げることができないからです。

登山家が高い山に登るときに、できるだけ荷物を少なくするように、私たちも意識の次元を上げるためには、重い意識を減らしていく必要があります。この荷物減らしという行為が「統合」であるといっていいでしょう。

「統合」のコツは第三の視点を使うこと

まずは、あらためて「統合」について説明していきます。「統合」とは、対立するような二つの意識を一つにまとめるということです。

二つある意識を一つにするということは、普段使う意識の量を減らすということであるため、「統合」を行うことで次元上昇に不要な意識を手放していいけるようになります。

では、この「統合」をどのように行っていくのかということ、対立するような二つの考えがある場合、その二つの考えを中和させるような第三の視点を取り入れることで、抽象度の高い考えを採用するようにしていきます。

中和とは、互いの性質を失わせる効果があるため、中和の効果が生まれると、必然的にそれよりも一段階上の視点でものごとを見れるようになります。

例えば、「男女」という概念も、最近は「女性的な男性」や「男性的な女性」が認知されてきたことで、多くの人が性に対する考え方を変えるようになっています。

つまり、「女性的な男性」や「男性的な女性」の存在が、これまでの「男女」の概念を中和させていて、これまでのような「男とは」とか、「女とは」といった考え方を使えないようにしています。

このため、最近では「男女」という視点でものごとを見るのではなく、「人間は」という視点でものごとを見るようになってきています。

この「女性的な男性」や「男性的な女性」の人たちの出現が第3の視点になっていて、「男女」という概念を消失させ、抽象度が一つ上の「人間は」という視点を浮かび上がらせているといっていいでしょう。

こういったことは、固定概念を変えさせる力となっていて、「男とは」と「女とは」といったこれまでの二つの考え方を、「人間とは」というふうに一つにまとめることができます。

こういった感じで二つのものを一つにまとめることができると、意識の荷物を減らすことができるようになります。

余談ですが、この人類の長い歴史の中では、当然「女性的な男性」や「男性的な女性」といった人達は存在していました。

しかし、彼らのような人達がいたのにもかかわらず、中和の作用が起こらなかったのは、世の中の風潮として中性的な人が存在することを認めようとしない頑なさがあったからといっていいでしょう。

とはいえ、最近は人としての多様性を認める社会になってきているため、「女性的な男性」や「男性的な女性」の人達が、自ら持っているその性質を「喜び」として表現できるようになっています。

そういった彼らの印象が、私たちの考え方を変える力となっていて、まさしくその中性的な存在が、「男とは」とか「女とは」といった概念を「中和」させるようになったといっていいでしょう。

このように二つある概念を第3の視点を取り入れることができると「統合」が起こるようになっていて、私たちが普段持っている意識をコンパクトにして軽くすることができるようになります。

「喜び」で「統合」を行う

今回も、「パワーか、フォースか」という本で紹介されている「意識のマップ」を使わせてもらいますが、この「意識のマップ」の上から4段目にある「喜び」のところを左に移動していくと「ひとつに統合」という言葉があります。このことは「喜び」には「統合」の作用があるという意味でとらえることができます。

表の中の赤い線や文字の色は、分かりやすいように私が付けています。

「喜び」には、人の意識を上昇させる力があるため、この「喜び」の意識を使っていけば、自然な形で「統合」を起こしていくことができます。

人が「喜び」で生きるとき、ネガティブな物事も受け入れられるようになります。

例えば、試験に合格した「喜び」は、それまでの苦労を「受容」させます。この「受け入れる」という「受容」の意識は「統合」に欠かすことのできない意識です。

先ほどの「男女」の例でいうならば、「女性的な男性」や「男性的な女性」の存在を受け入れることで、「男女」に対する古い考え一新させることができるようになります。

また、「喜び」は、「愛」の意識や、「理性」の意識を養う力があります。例えば他者と「喜び」を共有する場合は、人と人との交流であるため、性別や年齢、人種といった概念を消失させます。

この性別や年齢、人種といった概念を消失させるということは、ものごとを等しく見るという「愛」や「理性」の力を養うことであるため、「喜び」の感情を持てるようになれば、自然とポジティブな意識を獲得できるようになっています。

もちろん、「喜び」には人をやる気にさせる力があるため、「意欲」や「勇気」の意識を生み出すこともできるし、「喜び」によって、ものごとを「中立」に見るという「平等」の意識を養うこともできます。

こういったことから、人が「喜び」で生きることができると、「意識のマップ」の「喜び」の下にある「愛」や「理性」、「受容」、「意欲」、「中立」、「勇気」といった意識を同時に獲得できるようになります。

したがって、私たちは「喜び」を軸にして生活しているだけで、意識のレベルを上げることができるようになるため、無理をせずに「統合」を行うことができるようになっていきます。

普段から「喜び」で生きていると、本当の「喜び」に達することができる

「意識のマップ」の「喜び」を横に見ていくと、「人生の視点」では「完成」があり、「プロセス」では「(神)変身」があります。このため私たちが「真の喜び」に達することができると、意識の変容が起こるといっていいでしょう。

私がこのサイトで書いている「喜び」とは、どちらかというと日常的な「喜び」だったりします。このため「意識のマップ」にある「喜び」と私がここで書いている「喜び」には、密度や奥深さといった点で違いがあります。

しかし、普段から「喜び」を軸にして生きることができれば、いつしか「真の喜び」に到達できるようになるといっていいでしょう。なぜかというと、先ほども述べたように「喜び」で生きていると、自分では気づかないうちに「統合」が起こってしまうからです。

例えば、私は学生時代にサッカーをしていたために、野球をなんとなく否定的に見ていました。しかし、ここ数年の大谷選手のメジャーリーグでの活躍に「喜び」を感じていたら、最近は、サッカーと同じくらい野球が好きになっていたりします。

こういった感じで、楽しいと感じることを見つけて、その対象に「喜び」を感じられるようになると、それまでの考え方や見方をポジティブなものに変えることができたりします。

他にも、これまで苦手と思っていた食べ物を、友人の勧めで食べてみたところ、美味しいと感じたことで、苦手意識をなくすことができ、食べ物に対する偏見を一つなくすことができたりしています。

このように、たとえそれが小さなことであったとしても「喜び」を感じることができたなら、それまで感じていた重い意識を手放していくことができるようになり、いつしか「真の喜び」にたどりつくことができるようになっていくことでしょう。

「笑い」で重い意識を手放していく

「喜び」以外にも「笑い」を使うことで、重い意識を手放していくことができたりします。人は笑うだけで気分が明るくなったりするのは、笑うことに重い意識を捨て去る効果があるからといっていいでしょう。

笑いには人と人との意識のギャップを解消させる効果があります。例えば、考え方の異なる二人のやり取りを笑いに変えることで、二つの考え方の違いを中和させ、新たな見方を発見させることになります。

落語では、よくうっかり者としっかり者が出てきて、しっかり者がうっかり者をしっかりするように諭していきます。しかし、話の最後に、うっかり者の思わぬ発想によって、二人の立場を逆転させてしまい大きな笑いが起こっります。

この笑いは、しっかり者のうっかり者に対する偏見を捨てさせることに繋がっていて、落語を聞いている人も笑いと一緒に偏見を手放せるような仕組みになっていたりします。つまり、笑い中には、偏見や頑なさといった重い意識を捨てさせる構造があったりするのです。

よく笑いうことで元気になって健康を増進できるというような話を聞きますが、その理由の一つとして、笑いには重い意識を捨てさせる効果があるためです。こういった理由から、人はシンプルに笑っているだけで人は健康になれるし、重い意識も手放せるようになるといっていいでしょう。

人は「喜び」の中で笑って過ごしているだけで、意識が軽くなっていき、意識の次元も上げてくことができるようになるでしょう。もちろん笑いに限らず、何かに夢中になって「喜び」を感じているだけでも重い意識を手放すことができるようになります。

私たちが「喜び」を感じることができたとき、内なる魂と同期することができます。私たちの魂は常に「喜び」とともにあります。そういった内なる魂と一緒になって「喜び」で過ごすことができたとき、私たちは無理をすることなく「統合」を果たし、重い意識を手放すことができるようになります。

といったわけで、今回は「喜び」で「統合」を起こし重い意識を手放していくという話を書いてきましたが、次回は「喜び」の意識を使って内なる魂と同期して自由度を上げていく、ということについて書いていきたいと思います。


*こちらは、記事の中で紹介した「パワーか、フォースか」です。読み応え十分で、たくさんの気付きを得られる本です。


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