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退院促進の話。水中毒。

退院促進ピアサポーターの仕事をして知ることがある。色んな病状、その人にとっての社会とはなにか、苦悩する家族との関係、制度の不備。

水中毒というものを知った。中毒と言うとアルコールや薬物、体には悪いが気分が良くなるもの。水中毒とは過度に水を飲みたくなると言うものだ。何の毒素もないように思うが、大量に飲むと血液中のナトリウムの濃度が薄くなり、意識障害などが起きて命に関わる物である。低ナトリウム血症という。なぜ水が飲みたくてたまらなくなるのか、これは精神の病で毎日服用する薬の副作用として喉の乾きが激しくなることから起きるものだという。経験者の知人によると、水の喉越しがたまらなく病みつきになるという。精神科病棟の入院患者さんにはよく起きる症状のようだ。どこにでもある水なので禁止しても、トイレの水まで飲んでしまうという。病棟の限られたスタッフでは止めることが難しい。

そういう専門的な知識も増えていくのだ。教育を受けなくとも否応なしに入ってくる情報は興味深かった。知る必要があるかなしか関係なく現場の状況にぶちのめされるようなものかもしれない。





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