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保険に加入してから状況が変わったらどうしたらいいのか? Part3

こんにちは。SKPです。
前回は、保険を見直す際の手段「払済・延長」について紹介しました。

今回で3回目となりますが、引き続き見直しの手段をご紹介です。どんどんニッチになっていきますが、知っていれば使えるかも?というものです。

今回の手法は『保険を解約したくないけど、一時的な資金が欲しい』そんな時に使える手法です。「資金が得られる」と言う点で、前回の払済・延長とは異なるメリットがあります。

契約者貸付

この「契約者貸付」は、昨今の「新型コロナウイルス対策」で特別措置が設けられていますので、ご存じの人も多いのではないでしょうか?まず、そもそも「契約者貸付とは?」からご紹介します。

契約者貸付は、その言葉通り保険会社から契約者への「貸付」です。加入している生命保険の『解約返戻金の70~90%前後』を上限として、資金の貸付を受けることができます。簡単に言うと借金ですね。

借金ですので本来、利息も生じるのですが、現在は新型コロナウイルス対策で一定期間の間、利息が免除(金利0)とする取り扱いを多くの保険会社が実施しており、優遇措置が取られています。

なお、契約者貸付を受け、その返済をしないと、貸付の残った金額分、解約した時の解約返戻金・保険事故発生時の保険金の受取額は減少します。これは単純に先に受け取っていた分だけ減らされる、ということです。

今回のコロナ渦のような緊急時はさておき、個人的な見解としてはあまりこの契約者貸付はお勧めできません。

特にある程度の金額を「契約者貸付」で受け取ることができる場合、既にそれなりの期間保険料を支払っている。つまり、ある程度古い保険であることが多いです。

ここでは細かく触れませんが、1990年以降「標準利率」と言うものが徐々に下げられていっています。直近では2017年に0.25%へ下げられました。この標準利率は保険の「予定利率」の基礎となるものです。下がっていっているということは「古い保険」にはこの利率が高いものが多くあるのです。【下図、標準利率の推移】

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それが何?と思うかもしれませんが、契約者貸付の金利は『予定利率』に一定の利率を上乗せして計算されます。つまり一般的に「古い保険」ほど「予定利率が高い=利息が高い」ということです。

今は「金利0」と優遇されていますが、一定期間を抜ければ当然利息はかかってきます。利息の負担が重たくなれば、保険を解約せざるを得ない、という本末転倒な状況にもなりかねません。

一時的な資金を得るためには有効な手段ですが、「今なら無利子だから」というだけ判断しないように注意が必要です。

保険期間の短縮

続いて「保険期間の短縮」という方法です。これは「90歳・100歳定期保険といった長期の定期保険」を「5年・10年の掛捨定期へ切り替える」といったものです。

実際には違いますが「今の保険を一度解約してから入りなおす」と言った方がイメージとして近いかもしれません。

保険期間の短縮をした場合、長期の保険だから生じていた「責任準備金」が不要となります。(この責任準備金については以下をご参照ください)

この不要となった「責任準備金」はどうなるかというと、契約者へ一時金として返ってきます。解約ではないため「解約返戻金」とは言いませんが、金額的には同じような水準です。

また、掛捨へと切り替えたことにより、積立に回す金額がなくなった+保険期間も短いものとなったため『保険料』も減少します。

そのため、期間が短くなっても従来の保障を確保しつつ、保険料という出金を減少させ、一時的なお金を受け取る。ということが、この手法だと可能となります。

もちろんメリットだけではなくデメリットもあります。掛捨になるため貯蓄性はなくなり、解約返戻金はなくなります。

また、短期の定期保険となるため更新をするのであれば、その都度保険料は上がっていきます。長期的な保障をできるだけ安く、ということであれば別途対策を考える必要があるでしょう。


今回まで3回に分けていろいろな手法を紹介しましたが、どれが良いというわけではなく、状況に応じて「何が今の状況であれば好ましいか」で、実際には保険の見直しをしていくことになります。

紹介した内容は、調べればHPなどで簡単に出てくるのですが、「知らなければ使えない」という部類の情報です。

特に「部分解約はできるが、保険期間の短縮はできない」というように保険商品・保険会社により対策として「できる・できない」があります。

こういったことを前提にして「保険に入る人」は少ないと思いますが、同じような保険を選んでいる時、保険料の大小だけではなく「加入後の運用の可能性も踏まえて保険商品を選ぶ」ということも大切な視点の一つとなります。

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