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何が大切だと思う?

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

三月に入り、入試シーズンも一段落しました。やっと一息つける時期が来たので、各大学でどのような入試問題が出ているかをチェックするようにしています。

その中で、今年の入試問題として面白かった慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの環境情報学部の小論文を本日は紹介します。

入試問題はこちらから↓

過去問と模範解答が入試問題に

この入試問題の概略をざっくりと紹介すると、慶應SFCが過去に出題した入試問題について、赤本の解答例を示しながら、「どのような力を問うているか」「あなたならどのような力を問いたいか」という設問になっています。

実に慶應SFCらしい出題だと感じます。

なかなかいやらしいのが「解答例」という示し方で「模範解答」とは言っていない点です。一般的に言って、赤本の解答例については、形は整っているものの細かく見ていくとアラがあったり高校生の立場からの論述と言えるのか?というものがあったりと、ある意味でツッコミどころはある文章になっています。

ただ、元の資料を示さずに設問の抜粋と解答例だけで設問が置かれているので、論点としては大外れはしていないのだろうと思います。ただ、鵜呑みにするよりは解答例についても、少し批判的に見た方が論じやすいかもしれませんね。

教員にはより難題に

この問題はなかなか教員にとっては難しい出題ですね。

どうしても教員は自分の教えていることや普段の授業のあり方に引っ張られてしまうため、よほど注意深く考えないと、おそらく今の教育観のマイナーチェンジのようなこと、ある意味で現実路線的なことに終始してしまうように感じます。

「そもそも何を問うているの?」という問いかけは、自分の普段の授業のあり方にも立ち返らざるを得ません。

「こういう力が大切になると考えているのだけど、あなたの授業はどうですか?」という問いかけにもなり得ます。慶應SFCはこういう学力を試したいのでこういう問題で受験生に問いかけるけど、あなたは授業でどういう力を求めて、どういう素材を提示しているのですか?そういう問いかけになります。

教員研修に使ってみるのはどうでしょうか

この問題は色々な切り口で、教員同士の議論ができるような問題だと思います。

設問の置き方もどういう能力が求められ、どのように計るのかという問いから、どのような資料や試験であればその能力が試せるのかという段階を踏んだものになっているので、教員同士で話をする時には、どこに違いがあるのか分かりやすいように感じます。

授業づくりや考査づくりの一つの研修として、この問題は先生方こそ読んで考えてみるとよいだろうと思います。

設問を見るとパソコンでもAIでもなんでも使って良いですよ、と書かれているので、本当に自由に考えてみると楽しいかもしれません。

逆に受験生たちがどれだけ柔軟な解答を書いたのか気になりますね。少なくとも一斉講義のイメージだけでは絶対に書けないと思うので、どういうことを考えているのか、非常に気になります。


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