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足りないのは、身体性への自覚 ― 男がフェミニズムについて考えてみた

日本赤十字社の宇崎ちゃんポスターが、「過度に性的ではないか」とネットで話題になっている。

このポスターに関して議論をするつもりはない。しかし、私は男性である。そして、どちらかといえば「オタク」に近いアイデンティティもある。正直、戸惑っている。

一方で、1~2年前からフェミニズムには興味があり、少しだけ調べていたこともある。男である私は、フェミニズムが提示する議論に混乱し、戸惑い、そして吐き気も経験した。「フェミニズムなんて嫌いだ」と思ったこともある。

その中で、「それでもやっぱり考えてみよう」と思いたち、Twitterで考えや気持ちを書き出してみた。以下、私のツイートを並べる。

フェミニズムに接した男の戸惑いと吐き気

男がフェミニズムを学ぶことについて

男がフェミニズムを理解しにくい理由は、身体性への無自覚?

提案:身体・演劇エクササイズを取り入れた「男性のためのフェミニズム入門」

最後に

反応

おまけ:フェミニズム初心者のための情報源とキーワード

フェミニズムは、一般にはジェンダー学という学問で取り扱われます。なので「ジェンダー」の入門書を手に取るとよいでしょう。(下記は一例です)

まずは、フェミニズムの歴史と流派をざっと抑えましょう(下記リンク)。フェミニズムは大ざっぱに分類しても「第一波/第二波/第三波フェミニズム」という歴史があり、さらにさまざまな流派がある(一枚岩ではない)ことを、まずは理解しましょう。

個人的には、次のサイトである程度学びました。ボリュームたっぷりで、いろいろな角度からフェミニズム(そして自分自身の生きづらさ)を考えることができます。

これからフェミニズムを学ぶ方(特に男性)は、次のような事項や概念を押さえるとよいでしょう。

■マンスプレイニング、有徴/無徴
(下記記事は男性にとって、理解が難しい or 気分を悪くする可能性があるので注意)

■バッド・フェミニスト

ロクサーヌ・ゲイ『バッド・フェミニスト』という本があります。

「バッド・フェミニスト」という概念は、葛藤の中で生きる女性のリアルを表す、現実的で人間らしい考え方だと思います。男性にとっても励みになるでしょう。

彼女は、自分も長くフェミニストと呼ばれることを拒み、フェミニストを誤解していたと繰り返す。そして、フェミニズムの正しさを支持しながらも、ものすごく女性を貶めるようなラップ音楽の歌詞や、ピンクのドレスに感じてしまうどうしようもない魅力の双方を否定しないために、完璧ではないけれどもフェミニズムを固く信じる「バッド・フェミニスト」を名乗る。
「バッド・フェミニスト」とは何か? | 文春オンライン

個人的に好きな書評:

本当に言いたいこと

最後に言いたいことがあります。

自分の身体と向きあってみよう。自分のことを大事にしよう。

私は、自分の身体に自信がない人間です。物心ついたときからお腹は出ているし、服もテキトーだし、表情はいつも硬い。肌はアトピーだし、運動は苦手で、猫背です。鏡を見ることも普段はありません。たまにちゃんとした服を着るときだけ。

おまけに、大人になってからのモラハラでうつになり、長らく自分を大切にすることをすっかり忘れていました。

そしてここ1ヶ月で、また本格的にしんどくなったため、今は仕事をかなり減らしています。余裕ができたので、本格的に「自分を大事にする」練習をしています。

その背景でフェミニズムについて改めて触れると、実はそのメッセージは「あなたの身体はあなたのもの」「あなたは自由に生きていい」だったりするのです。フェミニズムは、本来は人の幸せのためにあったはずの学問なのだと思います。

(繰り返しますが、フェミニズムは一枚岩ではないです。まともな情報源でゆったり学べば、その分別はつくと思います)

結局、私はフェミニストを自称することはないと思います。ただ、「バッド・フェミニスト」的な立場にはいたいと思います。文化的にインストールされた「男らしさ」には縛られているし、エロい話もまあまあ好きだし。

さあ、もう一度。

自分の身体と向きあってみよう。自分のことを大事にしよう。

藤原 惟


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