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【部下育成】ケーススタディから学ぼう 〜1年目の社員編〜


人事コンサルタントをやっていると、よく経営者や管理職層の方から「部下の育成でこんな時どうしたらいいの?」とお悩みを聞くことがあります。

今回はそんな人材マネジメントに関するお悩みを実際のケースから対策方法を考えていきたいと思います!

ケース① 遅刻が日常化している部下

毎朝、朝礼や会議に5分程度の遅刻することが日常化している部下への対応。本人曰く、「毎朝夜遅く、体調がすぐれないので出社がギリギリになってしまう」とのこと。

ケース① 対処法

⇒ なぜ朝礼や会議に遅刻しているのか、理由を本人に問いかけて、原因を探るコーチング的なアプローチをしてみる

⇒ 原因を深掘りした上で、仕事の能力は「業務遂行能力」だけでなく「自己管理能力」を向上も必要であると示唆する。
※ 業務遂行能力=仕事と思っていても、自己管理能力(社会人として規則正しい生活をする等)は仕事と本人が認識していない場合もあります

⇒ 一人で仕事が完結しているではなく、組織内で仕事をしているので自分が遅刻することで、職場メンバーや仕事で関わる関係者に与えているデメリットを認識させる
※ 自分が良ければ良いというスタンスの場合は、事実に対する受け止め方(認知)を補正する必要もあります

⇒ 社内で時間を守れていない人は、お客様との時間を守れない恐れがあることも示唆する。社内でできていないことも、お客様の前ではちゃんとやっているは言い訳(社内外問わず時間を守る基本スタンスを伝える)

⇒ 今後、遅刻しないようにどんなアクションに取り組むのか決めさせる
※ こうしないという命令形よりも、どうすれば繰り返さないか本人に考えさせるほうが行動変容には有効です。ついアクション指定しまいがちですが。

ケース② ホウレンソウができない部下

こちらが期待しているレベルでホウレンソウができていないが、本人にその自覚がない部下への対応。本人曰く、「ちゃんと報告していると思います」との反応。

ケース② 対処法

⇒ ホウレンソウができていると思っている理由を質問する
※ 報告、連絡、相談を本人はしているつもり。上司の求めているレベル(精度・頻度・粒度)とGAPが生じていることが要因と挙げられます。

⇒ 相手の期待値を捉えることが「仕事の指示受け」であると説明する。
※ 多くの場合、ホウレンソウ以前のコミュニケーションの問題として、仕事の指示出しをする際、仕事の指示受けをする際、もしくは双方のタイミングで問題が生じているケースが多く見受けられます。

⇒ 仕事の依頼をしている人の期待値について質問する
※ 部下が上司の求める期待水準をどのくらい認識(解像度高く)できているのか、面倒でも一度部下に確認してみることをオススメします。なぜなら思っている以上に「伝わっていない、細かなニュアンスや受け取り方の認識ギャップ」が生じやすいものだからです。

⇒ 自分の思い込みや自分の水準を基準に仕事をしていないかどうか考えさせる
※ 「自分の方で理解できていればOK」ひどいときには「自分さえ良ければ良い」という考え方をしている際には要注意です。あくまでも仕事は期待されている要求水準を把握して、それにどの程度応えられるのかが重要ですので、独りよがりな考え方・そのような認識を正してあげることも初等教育の段階では重要です。

⇒ 改善アクションを決めさせる
※ 先述のケース同様に、部下本人に対策アクションを考えてもらうアプローチをおすすめします。その際に、できれば上司から今後は、どのくらいの頻度で報告が欲しいのか、どういう状況になったら相談して欲しいのか、連絡はどのような内容を、どういう手段でレポーティングしてもらいたいのかなど、実施形式やコミュニケーション頻度なども合わせて伝えていただくこと効果的です。
「それは人によって、状況によって臨機応変に」というのは上司側として思いがちですが、これも指示出しする側からの要求水準の明確化という点で大切だと考えます。

次回は2年目社員編をお伝えいたします。
お楽しみに!

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