最近の記事

好きになった街に住む

好きになった街に、これから住もうとしている。 言葉でうまく説明できないけれど、 すーっと、心が元あったところに戻っていく感覚を授けてくれる場所。 通勤に便利とか、 あれこれ物が揃っているとか、 生活がしやすいとか、 行きたい場所にすぐに行けるとか。 私にとって、これから住む場所は そういうところではないのだけれど、 なんでもない日を、今よりも、温かく過ごせる気がする場所。 目をつぶってでも過ごせるくらいに慣れた、 心地よすぎる日常を静かに溶かして壊して アップデート

    • 年の終わりに

      今年のうちに、一年のお礼をと、 実家近くのお寺へひとり向かう。 少し冷えて澄んだ空気の中で、 鳥の声、差し込む木漏れ日、小さいぶらんこ、ときどき鐘の音。 そういえばぶらんこっていつの間に、こんなに小さく見えるようになったかな。 おしりがはみ出しそうになりながら、背中を丸めて、そこに座って綴っている。 お寺の門の前で頭を下げる人。 何かを願い手を合わせる人。 お守りを嬉しそうに懐にしまう人。 一年の苦労を洗い流し また新たな年への幸せを願う人たちが 自分以外に、こんなに

      • 今日のうみめし

        今日は、3年ぶりの木枯らし1号が吹いたらしい。 快晴の下、どんどん風が吹き上がっていった。 陸にいると、歩くのが大変で早く室内に入りたいくらいなのに 海にいると、それはそれは、大チャンス。 風を待ってた人達が続々と海に出て、自分の帆を上げる。 水は透明度を増して、夏の観光シーズンが過ぎたんだなと感じる。 風向きも北寄りになって、次の季節がもうすぐそこまで来ているんだなと感じる。 富士山はいつの間にか雪をかぶって、先に冬の景色を纏って待っている。 さて、今日のうみめしは

        • 鳥肌モノの仕事

          働いていて、正直めんどくさいこと、思い通りにならなくてウンザリすることっていっぱいある。 あーまだ火曜日じゃん。 早く週末になって海に繰り出したいなー。 と思う。 今日も初めはそうだったんだけど。 でもたまに、仕事をあきらめずにやめずに続けていると 「嬉しくて鳥肌がたつ瞬間」も訪れる。 年に何度あるかわからないくらい貴重な感覚なのだけど、 今日はそんな瞬間が訪れた一日だった。 「誰かの人生にとって、確かに役に立つことができた」 「自分が不器用なりに真剣に向き合った

        好きになった街に住む

          子どもが教えてくれること

          1歳半の甥っ子。 先月ぶりに会ったら、できることが増えていて驚いた。 口をすぼめて「ふーっっ」と息を吹いたり ちいちゃい手をひらひらさせて「ばばーい」と手を振ってみたり みかんを運んできて私の口まで入れてくれたり。 たった一ヶ月の間に、自分でできることが増えていた。 いつも誰かに抱っこやおんぶで運ばれていた頃よりも、 自分の足で立って歩けるようになったら とにかく嬉しそうで楽しそうで、あちこち歩き回っている。 少しずつ覚えた言葉を使って 周りの大人と心を通わせては、きゃ

          子どもが教えてくれること

          秋刀魚、いよいよ我が家にも襲来。

          毎年秋になると、東北のじいちゃんが届けてくれる三陸の秋刀魚。 おっきな発泡スチロールがマンションに届く。 蓋を開けるなり、むわんっと深い磯の香り。あぁ、生き物って感じのにおい。 キンキンに冷えた氷にまみれて、15匹分の目がぎょろりとしている。 一匹ずつ、水で洗って、拭き取って、ラップでぐるぐる巻いて空気が入らないように、気をつけながら次々と冷凍庫へ運ぶ。 こりゃあ手がかかるわ。 初めは、「大変だ〜」と思いながら作業していたけれど いつのまにか夢中になって、没頭してい

          秋刀魚、いよいよ我が家にも襲来。

          おかえり、お鍋。

          いつのまにか、風が冷たくなっている。 「ザンショが長くて..」「いつになったら涼しくなるんだろう」などと人間がかってにぼやいている間に 自然の方は黙って、じっくり着々と、次の季節への移ろいの下準備を始めていたのだ。 そういう変化を、本当は一日ずつ、葉の色づき一枚ずつ、窓の外で鳴く虫の声一つずつ、感じて生きていたい。 さて。そんな今日は、昨年の冬ぶりに、キッチンの棚から土鍋を引っ張り出してきて、鍋にすることが決定した。 思えば平日も休日も、たくさんお世話になったこのお鍋に

          おかえり、お鍋。

          旅先で、波に乗る。

          夏休み、北海道を長らく旅しています。 ここではそのかけがえのない旅の記録を。 今朝は、サーフィンしに苫小牧へ。 旅先で、ボード1枚でその土地の波に乗ることが、私の夢のひとつだった。 前日夜にビアガーデンを満喫している中、 サーフショップから「明日は少し早いですが、AM2:30頃にホテルに迎えにいきますね」との連絡が。 「に、にじはん..?!」 beerでゆるみながら、ぽやぽやしていた頭に衝撃が走る。 サーファーの朝がこんなに早いなんて。 翌朝、なんとか身体を起こして送迎

          旅先で、波に乗る。