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私の大好きなレトルトカレー

近所のスーパーで「私の大好きなレトルトカレー!」という掲示板あり。ボンカレーやら銀座カリーやら食品メーカーが開発しているカレーのブランドを書いて貼っていく趣向。所謂、一般食の販促イベントだが、その中に「ママの手作りカレー!(ゴマすり味)パパより」という作品を見つける。趣旨を理解していない且つ、それを許してしまう主催者の価値判断に、スーパーの入り口で独り暗澹たる気持ちになる。レトルトカレーは買わずにスーパーを後にする。

評判の良い「憧れを超えた侍たち 世界一への記録 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」を視聴。普通過ぎる感想だが、大谷翔平最高。ドキュメンタリーとしてはそこまでストーリーを作り上げることもなく、いわゆる一つの筋書きのないドラマ(©️長嶋茂雄)を伴走しているテイスト。「今日は楽しそうですね?」というインタビュアーの問いに大谷翔平のアンサー「え?僕はいつだって楽しいですよ?」の台詞がとにかく最高。一流の人はいつだってストイック、且つ楽しむことを忘れない。オプティミズムはシリアスに勝るというエンターテイメントの王道。

もう無くなってしまった南北線の発車メロディーが今更吉村弘だったと知る。言われてみれば!

「世間とズレちゃうのはしょうがない」(養老孟司×伊集院光)をKindleで読む。〆のパートの、「近頃、多様性は〈実感〉から〈論理〉へトレースされている」という指摘に視界が開けた心持ちに。多様性は生態系が生き延びてきた原因のひとつ後天的に理解されるものだったのに、多様性を前提とした社会を志向するという倒錯した状態は多様的ではないよね、という指摘。「多様性を目指そうぜ」と一つの目標へ向かっていくスローガンとの矛盾はどうしても、ある。とはいえ、そのゲームの履行が我々の選択肢を増やし、よりより社会へ向かっていくのは否定出来ないし、そうしていくしかないんだけど、心のどこかで〈実感〉なき〈論理〉が人を排除していく性格を孕むことをきちんと認識しておきたい。スローガンへの賛同と意見の表明だけでなく、実際に現場を見たり、アクションすることも肝要。サステナブルって我々の生活をスローダウンする事だと思うんだけど、企業が唱え始めると、結局、資本主義の論理に回収されちゃうんだよな。企業の世間体や株価、所属組織への従業員のロイヤリティを高めるための緩和というか。論理ってデジタルみたいな正しさだから、なんか業が抜け落ちちゃうんだよなあ。軸を踏み外さないように。ベースにどっしりと生活を眼差すことが、大事。

ほんとにどうでもいい話なんですが、大瀧詠一の「A面で恋をして」を聴くと必ずAMENのアルバムジャケットを思い出すんです。こちらです。ほんと、どうでもいいですね。すみません。

AMEN「AMEN」

山手線内で見かけた「英語ってどう考えても必要でしょ」というビジネス英会話スクールの広告に「英語は必ずしも必要ではない」とアンサーしたい。英語が必要なのは、基本的にはホワイトカラー且つ、ステイクホルダーに英語圏のビジネスパーソンがいる一部の職業や部門が中心。それか、英語圏への移住が決まった家庭とか。人生を豊かにするために、英語の理解が関係するのは大いに賛同するところだが「どう考えても必要でしょ」と囲い込まれると流石に駁せざるを得ない。加熱装置にライドオンして資本主義内のキャリアアップゲームに参加して生の実感を得たいのは分かるが、それは、限られた文化資本の一部の人たちの縋る物語である。私が言いたいのは、「日本社会のうちの大半はそうではない人たちに依って成り立っている」ということである。むしろ、この分断されたコミュニティーを繋ぐのは、英語より落語ではないかしら。与太郎を包摂していくマインドと制度設計だったり、ズンドコな日常の輝きや救いの共有なのではないか(とは言え、都営三田線にその広告を載せるのはマーケティング的には理に適っている訳だが)

美術館の展示の入り口に「写真OK!〈X(twitter)、Instagram、facebookで拡散を❤️〉」と書いてあったので、撮影OKと理解し、iPhoneで動画を回したら「すみません、写真はいいんですが、動画はご遠慮頂いております…」と学芸員。その後、写真のみOKと理解し、写真を撮ろうとしたところ、「すみません、映像作品がフレームに入る写真はご遠慮頂いております…」と学芸員。はいはい、まじかよ、アートめんどくせえな。著作権の関係とか、SNSで拡散して集客したいだとか色々な背景が交錯してるんだろうが、金輪際、私は美術館の中でシャッターは切らん。一切スマホも出さん。学芸員がスマートフォンを覗き込んで写真か動画か確認してるのも気持ち悪い。私には、フロアや展示ごとの撮影ルールを確認してまで、シャッターを切るモチベーションはない。展示全体について、<撮影&拡散OK>か<全部NG>の2択にしてくれませませ、と私の中のさだまさしが吟じているのであった。私が撮影したら、アートは死にますか?おしえーてーくださーいー。

ストーンズのFool to CryのMVシャレッシャレ。最高。

(94) The Rolling Stones - Fool to Cry (Official Lyric Video) - YouTube

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