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生涯一ダンサーとして生きるということ

生涯踊り続けたいと思った幼い日

3歳でバレエを始めるってさして珍しいことじゃありません。ちょっと変わっていたのは現代舞踊の児童クラスだったこと。母は、クラシックバレエとモダンダンスの違いを知らなかったのです。

そこで、師と出会い生き様を見て大好きになりました。踊ることは現実世界での表現が不器用だった私にはピッタリで、一生踊りと共に生きることを当たり前に思うようになりました。

踊って生きるの意味

踊って生きると普通に言ったら踊りで稼ぐという意味になります。舞台に立つにしろ、教えるにしろ、貨幣価値に換算しないと暮らしは回らないからですね。

自分にその概念はありませんでした。硬い仕事について、ほどほどに仕事しながら、ガッツリ踊りに没頭する。そんなことを夢見ていましたが、世の中はそんなに甘くはありません。

就職氷河期第一期生のわたしは幸か不幸か仕事に追われない人生になりましたが、踊りに全てを捧げながら経済が回らないという旧来の制度はまず周囲の理解を得られず、不当に非難される人生にならざるを得ませんでした。

自己表現は禁止に近いピラミッド社会は合わずに別れを告げ、個人活動を始めたのは人生の後半に差し掛かったせいもあります。

周りは今さらとか、せっかくいい位置にいるのにという反応でしたけど、運営にまわるとか、サポートに徹するのは踊って生きたいわたしにはどたいムリな話でした。

歳とともに踊る

今も日々の積み重ねや努力の中に進歩を見出し喜ぶ毎日ですが、傍目からは酔狂なものに映るでしょう。

アクロバットな技や美しいバレリーナの踊りでもなく、体のピークを過ぎて今尚鍛錬と創造を優先させる生き方は愚かなものに見えるだろうことは想像に難くないのです。

ただ、わたしの目指すものがそこではない。

その一言に尽きます。人生そのものを踊りで表現して生きたい。不器用もヘタも衰えもすべて内包しながら、それでも現時点のベストを尽くして踊って生きる。

不思議なことに幼少期からその一念だけなんです。

ムキムキにストイックに専門的に鍛え上げているわけではないし、クラシックバレエの基礎を追求するわけでも、コンテンポラリーダンスの技術を磨くわけでもありません。

自分が一番美しいと思う世界観を身体で構築すること。

そこに人生かけての追求があり、生涯一ダンサーを名乗る所以なのです。

いつも応援ありがとうございます。サポートしていただいたお礼はアートプロジェクト事業費として創造空間の作成やアーティスト活動、仲間への感謝の気持ちの一部とさせていただきます✨