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【安倍元総理銃撃事件】ポルトガル語圏での報道状況など

私自身、
日本において、このようなことが起きるとは
夢にも思っておりませんでした…。

それは海外の報道でも盛んに言われていることです。

一昨日の午前中、Youtubeで一番先に見つけたのが
ブラジルの Record News の一報でした。

当日(8日)の午前中(日本は夜)のニュースで
トップニュースとして扱われていました。

次いで見つけたのがポルトガル版 Euronews でしたが、

こちらは、くしくも同日、アンゴラ共和国の「独裁者」と呼ばれた
ジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス元大統領も亡くなったため、
トップ扱いにこそなっていませんでしたが、
動画の 2':40"辺り から2番目のニュースとして報道されています。

昨日(10日)になると、
現地の8日~9日のニュースが次々とアップされていました。

上にも挙げたRecord News はその後
日系ブラジル人で国際問題専門家の
アレシャンドレ・ウエハラ教授をゲストに迎え、
この件に関する詳しい解説も行っていました。

ただ、
現地では情報が錯綜しているところもあるようで、
「政治に対する不満が原因かも」と推測するなど
多少の誤解もあるように見受けられるものの、
懇切丁寧な番組になっていました。


BBC ブラジル
は、
安倍元総理の功績を紹介した後、
如何に日本が安全であるか、
日本で銃器を所有するのが如何に難しいかなどについて述べ、

「今回は犯人が『ある組織への不満から犯行を企てた』
と証言しており、そのような「不満」を表明するために
犯罪を犯すというようなケースは日本のような国でも起き得るのです」
と、
京アニ放火事件を引き合いに出して説明した上で、

「今後、元の日本に戻ることはないでしょう」
と締め括っています。


CNNブラジル
安倍元総理の血筋や、
憲法9条改正問題やアベノミクスの3本の矢などにも触れ、
国際アナリストの意見なども聞く形でのレポート ↓ の他、


日系ブラジル人ジャーナリストで現在は
武蔵大で教鞭をとるアンジェロ・イシ氏への
日本の様子についての聞き取りなども行っています。

(※ アンジェロ・イシ氏は、以前 TBS系列の
「ここが変だよ日本人」にも出演していらっしゃったので、
ご存じの方も多いかもしれません。


同じくブラジルの SBTは、
奈良県警が警備体制に問題があったことを認めた旨をも伝えています。


ちなみにこの動画 ↑ では、途中から中継でリポートする
在日本特派員のエリカ・オカザキさんが日系人であることもあり、
今回観た動画の中では唯一
「犯人は、ある宗教団体への恨みがあった」
とはっきり報道しています。

これは
外国メディアへの記者会見やプレスリリースにおいては、
敢えて「ある団体」が「宗教団体」であるということが
伏せられていためだと推察されます。


いずれにせよ、
現在ポルトガル語で
「安倍晋三 射殺」と検索すると、
夥しい数の結果が得られる状態です。

検索結果


中でも衝撃的だったのは、
O Jornal Globo が日本では放送できない
事件の瞬間の映像を流したこと ↓  と、


ボルソナロ大統領が
現地の8日朝(日本の夜)には半旗を掲げ、
公式服喪宣言を行っているところを
Jovem Pan が流したことでした。

これについては
こちらのニュースにも掲載されていました。


先日ロシアから肥料を買い続けると言ったかと思えば
今度は自国民でも現役でもない
日本の「元首相」の逝去に際して
このような対応をするという、
相変わらず支離滅裂なボルソナロ大統領ですが、

このような曖昧なのだか極端なのだかよく分からない姿勢でいても
国際社会から袋叩きになったりすらしない辺りが

「やっぱりブラジルって世界的にはマイナーな国なんだなぁ…」

と思ってしまいます...。

(ただ、そのおかげもあり、国際社会に忖度する必要のない
ブラジルのマスメディアは非常に優秀です、はい...。)


さて、
最後に私の思うところなのですが…、

今回つくづく思ったのが
日本人は、たとえ警備にあたる人材であっても

「銃を用いた犯罪はあり得るもの」

だとは夢にも思わず生きているのだということと、
それ故の脅威についてです…。

こちら ↓ は以前私が書いた記事です。

この中では、こんな話もしています。

アフリカのザンビアで
ある飲み屋に銃を持った強盗が入ってきたんだそうです。

それに気づいて、即座に伏せる人、
テーブルの下などに潜り込む人…。
その中で日本人だけが、
「えっ、どうしたの?どうしたの?」と
立ち上がってキョロキョロ周りを見回した…。
という話が、もはや笑い話として語り継がれているんだそうな…。

今回、

「そんな日本人が
なんとも笑い事では済まされないことをしでかしたものだ…」

そう感じました…。

そして先の制限付き動画を観て、
まさしく上の引用文さながらのことが起きていたことに
なんとも言えない憤りを覚えました。

今回は自家製の銃ということもあり、
音こそ典型的だとは言えませんが、

それでも
あの手の大きな爆発音が近くで聞こえたなら、
日本人以外の大抵の国の人が
とっさに身を伏せます…。

そういった身の守り方が
全員身に付いてしまっているのです…。

と同時に、
警護を行う人員は、
とっさに警護対象の人物に追いかぶさるなどするのです。

そして、そのような行動が
無意識に出来るよう訓練されているべきなのが
警護官なのです…。

O Jornal Globo の動画を観ると、
本当にいたたまれない気持ちになります...。

安倍元総理も立ったまま振り返り、
警護官やその他関係者も全員
同様の挙動を見せています。

一発目の音に反応して
取り敢えず一旦しゃがんだのは、たった一人でした。
驚愕でした…。

そこにいた大多数の人が一発目では、
まずは何が起きているのかを理解しようとし、
間を置いて2発目が打たれてようやく
逃げたりしゃがんだりしたため、

安倍元総理がどうなっているかを
気にするに至るまでも
時間がかかってしまっています。

周りに大勢の人がいますが、
無論全員が警護官でないことは
既に明らかになっているものの、

全員が同じ挙動だということは、
警護官すらあの爆音が銃声であり得るとは
すぐには思わなかったということになります...。

とはいえ、
とっさに身を伏せることが出来る人だらけの
国になることが理想だとは思いません。
むしろ、まっぴらごめんです。

それどころか私自身、
それを出来るのが当たり前な国で育ったことを思うと、
実に恐ろしいことだとも思います。

それでも
天変地異に対してならば
防災訓練に並大抵ではない力を入れる日本なのですから、

今後はそれに加えて
「大きな音がしたら、取り敢えずは伏せること」
くらいのことは、教えていくべきだと考えます。

なにせ、日本にいる時はともかく、
(流行病という特別な事情は横に置いて)
多くの国民が海外に出掛ける時代なのですから…。


とにもかくにも一昨日から
この件に関してのモヤモヤが治まりません…。


私は、これまでも上に貼った自分の記事を
数多くの別記事に貼ってきました。

そんなことを繰り返しているとご存じの方々は、
何故このような物騒な話に執着するのだろうと
思われているかもしれませんが、

「日本人は銃声を聞いてもそれと気付かないし、
伏せるなどして身を守る術も知らない」


という事実が
兼ねてより非常に気になっており、
なんとかこのこういったことを広めていかねばと
思っていたのです。

そして今回、
最悪の形で誰もがこのことについて
考えざるを得ない状況が出来上がってしまいました…。

BBCが言う
「もう元の日本には戻らない」
という言葉も記憶から離れません。

それは一理あると思いますし、
一理あるのであれば、
よもや銃を用いた犯罪が増えるのではなく、
身を守る術を知っている人が増えるという形で
変わってほしいと願うばかりです…。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。



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