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ガン患者さんのための、憩いの場に行ってみる ~とあるOLの乳がん日記【89】

89.

髪の毛が抜けると、本当にガン患者なんだなという気がひしひしとするので、インストールしたばっかりのSNSに入り浸ったり、また誰かに話を聞いてほしいと思ったりした。

そんな中で、きっかけはSNSだったか、この間のガン患者さんの集まりだったかは忘れたけれど、ガン患者さんやその家族のための、誰でも無料で利用できる、家でも病院でもない、ほっとくつろげる場所が、お台場のほうにあるというのを知った。

さっそくスマホで調べてみると、そこには看護師さんとか専門の人も常駐していて、気軽に話も聞いてくれるという、とても素敵な場所のようだったので、もっと早く知りたかったくらいだと思って、すぐに行ってみようと思った。

でも、開いている時間が、平日の午前10時から午後4時までだったので、仕事を早退するか休むかしないと行けないなと思った。

本当に、そんな素敵な場所が、無料で利用できたりするのか、どんな場所なのかちょっと様子を見てみたいという感じだったから、そこまでするのはなぁと思っていたら、タイミングよく、そこがどういう場所なのかの定期説明会が、その週の土曜日にあることを知ったので、これに行こう!と思った。

行くのは会社ではないし、せっかくなので帽子付きのほうのウィッグを被って、土曜日にお台場に出かけた。
降りたことのない駅だったので、スマホの地図を見ながらきょろきょろして場所を探して歩いていると、渡り廊下で繋がった平屋建ての建物が2棟並んでいるのを見つけた。

ここかな、ここかな?と思いながら、しばらく外から中の様子を窺っていたけれど、中には人が結構わいわいといるし、ここじゃね?と思った。

挙動不審になりそうなのを耐えて、他の人に紛れてさりげなく下駄箱に靴を入れて、建物の中に入ると、受付の人がこんにちは、と笑顔で声をかけてくれたので、挨拶した。

あとは自由に部屋の中を見ていい感じになって、本棚にはたくさんのガンに関する闘病系の本が並んでいたり、ソファがあったり、クッションがあったり、テーブルがあったりした。

私は一人だったし、そこまで中も広くないので、しばらくするとすぐに、ちょっと所在なげな感じになってしまって、でもまだ帰りたくないなと思った。

だからどうしようかなと思っていたら、案内の人が、もうすぐ別棟で、プロジェクターを使った説明会をやるというアナウンスをしてくれて、とりあえずそれに参加しようと思い、さっそくそちらに移動した。

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