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好きな映画は2回観たかった私の話(同時上映のある時代)

 double feature

 

 「映画館の思い出」ってお題企画があって、今回はこのお題で書いてみようと思います。

 

 ちょっと魅かれるお題なんですよね~、これ
 と、いうのも、自分にとって、映画館は昔から好きな場所の一つなんです。それなりの時間を過ごしてきた場所でもあるので、私の中学~高校の頃の映画館について "note" したいと思います。


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 中学~高校の頃、それなりの映画ファン(注1参照)だった自分は、よく映画館に映画を観に行っていました。
 まだ、場内への出入り口が、スクリーンを前にして後ろにあった時代の映画館です。

 自分が映画を観る時には、ふたつの個人的な決めごとがありました。

 まずひとつは

 好きな映画は一人で行く!

 いや、一緒に行く友だちや彼女がいなかったわけではないんですよ。(すいません、嘘をつきました、彼女はいませんでした💦)
 好きな作品は集中して観たかっただけなのです。

 そして、もうひとつの決めごとが

 好きな映画は2回観る!

 当時の映画館のシステムは、入れ替え制ではなかったので、1回、入場料を払って入ってしまえば、後は何回観ても良かったんです。

 観放題ってことになりますね。
 なので、好きな映画は、必ず2回観るようにしていました。

 当時の映画を巡る状況(注2参照)では、その映画が、次にいつ観ることができるのか分からなかったので、できるだけ眼に焼き付けておきたかったのです。

 2回観るとなると、誰かと一緒だと気を使っちゃいますよね。
 そのため、極力、一人で行って堪能していたわけなのです。


.....ただ、2回観る時に、ひとつ問題がありまして

 これまた、今の映画館のシステムとは違って、昔は、「同時上映」ってのが多かったんですよね。

 同時上映も良し悪し...

 配給元が同じ映画とかを、二本立てにして集客するって作戦なんですが、今では数少なくなってしまいました。でも、自分の中学~高校の頃は、それが普通だったのです。

 アニメ映画「うる星やつら2」と吉川晃司さんのデビュー作「すかんぴんウォーク」なんかは、客層が違う感じなんですが、当時は同時上映として公開されたりしたんですよね。

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 1本分の料金で、2本の映画を観ることができるので、お得なシステムといえばお得なんですけどね。
 多分、映画館に裁量があったと思うので、全国すべてで同じセットってこともないんでしょうが、「うる星やつら2」/「すかんぴんウォーク」みたいに、配給時から同時上映前提のセットも多かったのです。

 記憶を掘り起こしてみると、角川映画なんかは、ほとんど2本立てセットだった印象です。

 「汚れた英雄」/「伊賀忍法帖」
 「探偵物語」/「時をかける少女」
 「メイン・テーマ」/「愛情物語」
 「Wの悲劇」/「天国にいちばん近い島」

 角川映画の2枚看板、薬師丸ひろ子さんと原田知世さんのセットは豪華ですよね。
 ただ、両方観たい映画だといいのですが、片方に興味がなかったりすると微妙なことも多いんですよね。

 「コマンドー」/「バタリアン」
 「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」/「トレマーズ」

 自分としては、シュワルツェネッガーの「コマンドー」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が観たかったのに、同時上映が...  みたいなこともよくあることだったのです。(まあ、そこそこ面白くて観るんですけどねw)

 自分にとって「同時上映」の何が問題だったのかと言うと、観たい映画は2回観る主義なので、同時上映があると、観たい映画→同時上映→観たい映画(2回目)と、3本分観ることになってしまうので、計6時間も映画館に滞在することになるわけです。
 タイミングが良ければ9時から15時って感じなのですが、タイミングが合わない時は、映画館を出たら真っ暗ってことも多かったのです。

 え、両方、観たい映画だった場合は?
 その場合は当然、両方2回観てました!(8時間コースですね)

 自分が、映画館でそれなりの時間を過ごしたってのは、こういう理由からだったのです。


 ただ、同時上映ってシステムは、自分のアンテナが向いてない作品を観る機会にもなってたんですよね。

「タイトロープ」/「ポリスアカデミー」
「マッドマックス3」/「ポリスアカデミー2」
「コブラ」/「ポリスアカデミー3」
「リーサルウエポン」/「ポリスアカデミー4」

 自分はアクション映画が好きだったのですが、観に行くと、いつも同時上映が「ポリスアカデミー」で、意図せず1~4までを制覇してしまったり...。(人気のコメディ映画だったんですけどね。)

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 私の地元では、この2本が同時上映でした。

「ファイヤーフォックス」/「ブレードランナー」

 クリント・イーストウッド主演のSF戦闘機アクションである「ファイヤーフォックス」を観に行ったら、同時上映の「ブレードランナー」にハマって帰ってきたという、そんな幸運な出会いもあったりするのです。

 そう言う意味では、「同時上映」ってシステムは、映画ファン全体のすそ野を広げる役割も果たしてたのかなと思います。


 今では、家に居ながら、配信サービスを受けたり、観たい映画を観たいと思った時レンタルしたり、新作映画だって、早ければ半年後に観ることができます。
 非常に便利なことでもあるんですが、ちょっと不自由だった時代の方が、映画を大切に観てた気もするんですよね~。

 それが私の「映画館の思い出」なのです。

 ちなみに、同時上映セットには、どちらの映画も苦手って感じのセットもあるんですよね。もちろん、観に行きませんでしたが...(関係note参照

「リング」/「らせん」
「リング2」/「死国」

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じ、地獄ですよね💦(苦手な者にとっては...w)


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(注1)私の映画ファン度
 まあ、そこそこの映画ファンでした。
 「月曜ロードショー」や「水曜ロードショー」、「ゴールデン洋画劇場」、「日曜洋画劇場」などのTV放送はチェックしていて、好きな映画をビデオ録画する時はコマーシャルカット(手動w)するぐらいの感じです。


 また、映画誌『ロードショー』を毎月購読し、好きな俳優クリント・イーストウッドの似顔絵を、せっせと投稿していた。
 そんな映画好き少年だったのです。

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 ソフィー・マルソーとフィービー・ケイツが人気女優ランキングで競ってた時代です。



注2当時の映画を巡る状況
 まだ、レンタルビデオ屋が普及してなくて、旧作はTVでの地上波放送でしか観ることができなかった時代でした。
 映画は映画館で観なければ、その後、しばらくの間、観る機会がなかった時代なのです。(一例を挙げると、「スターウォーズ」の公開は1978年ですが、TV放送は1983年だったのです。)
 なので、観たい新作映画は見逃せなかった時代でした。



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