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農業向けのローコストなリモートスイッチを作っていたら、焼津駅の冬景色を彩る事になりました


浜松市の補助事業の取り組みの一つとして、ローコストな灌水システムに利用するハードウェアの試作を行う、と言うものがあります。

ローコストを実現するのってかなり大変です

このローコストな機器というのがとても難関です。
パイが限られている(と思われている)農業分野では、専用にハードウェアを開発していたのでは、そのコストを回収するには長い年月が必要になってきます。まあ、「割に合わない」形になってしまうんですね。
それを避けたいがために、通常では販売単価を上げざるを得ません。
そして補助金を使って導入、という構図になってしまうので、どうしてもコストを下げようという気概が生まれにくいんですよね。

この部分、過去何度も構想や各メーカーさんとも話をしたり、試作までは行ったものの、立ち消えになってしまうケースが多かったです。

現場に展開したものと同じモデルのローコストなリモートスイッチ

今回、例のハードウェアを調達できたので一念発起して、作ってみる事にしました、ローコストハードウェア。

農業分野以外にも使ってみる事になった

と、そのタイミングに私の手元に相談が入ってきました。
「何かSNSと連携して、ある装置の電源をリモートで入り切りしたい。他の業者に頼んでみたけど、無理っぽかった」

なるほど。話を聞くと、焼津駅のイルミネーションプロジェクトの一つでした。他の業者ではリモートでの電源入り切りは出来るかもしれませんが、SNSとの連携が無理っぽいです。しかも要求納期が短い。
携わっている業界が違うと中々難しい点もあるんでしょう。

幸いにして、自分はSNSの部分も齧った経験があるので、この仕事を受けてみる事にしました。
第一目的としては、自社で作成したこのローコストなハードウェアの耐久性がどこまであるのか、という点です。
幸いにして、耐久性に疑問があるSDカードは使っていないですし、気になる稼働部としてはリレーのみ。その点を考えると、いい線行けるのでは?と思っています。

これまでの蓄積が生きている

短納期の案件でしたが、ハードウェアの調達と調整部分に手間取った部分以外は何とかなりました。
特に外部からON/OFFをコントロールする部分ですね。
この部分を一から作るとなるとかなりの時間が必要になりますし、仮に自分がそうだったらリスクがありすぎるので、仕事を受けなかったでしょう。
ただ、ソフトウェアの部分の殆どは稼働して数年の実績があります。更に、今も手を加えている。そこに機能を追加するという形だったのが、短納期でも上手く行った要因だと思います。

ソフトウェアというのは受託で開発している限り、数年の後に陳腐化してしまうのが大半です。が、元々自社サービスとして構築していていれば、日々メンテナンスしている部分が多いため、面倒を見ている限りは自社の強みとなってきます。

現場調整中

点灯式にも行ってきました

イルミネーション初日は点灯式がある、という事で行ってきました。
「焼津市ライトアップ・イルミネーション2023」
事前に現場に顔を出した時点でトラブル発生。機器が反応しないとの事。

見た所、起動に時間がかかっているらしく、電源ON直後に操作しても反応が無くどうしよう、と思っていたそうです。
この部分は反省点で、実際に農場に展開する場合にはどこかに説明を付けるべきだな、とフィードバックする事にしました。
こうして、現場の意見を素早く次回開発に回す、というループを早く回す事で、より魅力的なサービス作りを進めて行きたいと思います。


冬の間、焼津駅前を照らす予定

農業向けとして作成したハードウェアで、何故か適用一号となったのがイルミネーションへの適用、というお話でした。
農業以外の分野も面白いし、未来を感じますね。
今回の開発は自分への刺激になりましたし、次もあるかもしれないのでサービス向上を頑張ってみます。


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