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マイナンバーカード問題に潜む恐ろしい「思考」(2)【安全という視点が抜け落ちるメカニズム】

マイナンバーカード問題について考えています。

この問題を考えると、現代社会に生きる私たちの思考に潜む問題を感じるようになりました。
前回はこちら。

今回は、↓の事故から見えてくるものを考えたいと思います。

何とも痛ましい事故です。閉所恐怖症気味の私には、想像するだけで具合が悪くなる事故でもありました。

ただ、この事故の詳細を知るにつれて、ある違和感を覚えてもいます。

この方のツイートには、納得しかありません。

信じられない程の貧弱な設備。閉所恐怖症でない方でも、こんな「危険な乗り物だったのか」と思われる方も多いのではないでしょうか。

乗り物として、こんな危険なものが存在していいのだろうかという疑問がまず沸き起こります。
報道によれば、結果として水圧によって潰れたとのことですが、こんな貧弱な設備であれば、当然強度にも問題があったのでしょう。

問題は、どうしてこんな危険な乗り物が市場にでて、その乗り物が提供するサービスを受けようと思う人がいるのでしょうか?
にわかには受け入れがたく、考え込んでしまいました。

そこから浮かびあがるのは、安全とコストのバランスです。

この乗り物に、万が一に備えて
・トイレをつける
・照明を想定より長く持つようにつける
・酸素の量を想定の数倍確保する
・長期乗船になった場合に備えてスペースを広く確保する

を整備したとすれば、これらはすべてコストアップ要因となります。

この乗り物、一人当たり、数千万円の費用だったとか。
もし、上記の安全装置をつけた場合、ビジネスとして成立しなかった可能性は十分にありそうです。

つまり、この乗り物は経済合理性が生み出した魔物だったとも言えるのかなと感じています。

経済合理性の推進力は、利便性、快適性です。

便利であることは、快適性を伴うので、現代人の私たちはつい、価値のあるものとして受け入れがちです。

しかし、一方で、利便性に目を奪われるあまり、安全性にどの程度目が行っているのか、私自身の意識は心許ないところがあります。

悲劇的な事故が生じて初めて問題を理解するというのは、リスクが大きい。マイナンバーカードについて、安全に運営するという点はもっと重視されていいのではと感じています。





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