デジタル化は、たぶん人をダメにする(5)【現実の認識を歪めてしまう「デジタルの盾」】
デジタル化によって、人はダメになっていくのではないか。
私はそのような危機感を持つようになっています。
その危機感は何よりも自分自身の劣化を実感するから切実でもあります。少なくとも、デジタル化によって自身が進化しているとは思えません。
そんな観点から、記事を書いています。前回はこちら。
今回は、現在開会中の臨時国会から。
山本太郎参議院議員の質疑の動画をみて思うことがありましたので、書いています。
れいわ新選組の国会質問の資料はよくできているといわれています。内容に賛同するかどうかは別にしても、与野党問わず国会議員さんたちはよく資料を見ている印象があります。
日本共産党の質疑も上手いと常々思いますが、れいわ新選組も話にストーリー性があり、重要なエビデンスを官僚の方に発言させるなど巧みさを感じます。
なので、Twitterのトレンドに山本太郎代表がずっと上がり続けていたのも納得ではあります。
ただ、今回のターゲットは、山本太郎議員でもなく、岸田首相でもありません。
岸田首相の後ろに映り込む人物、例のデジタル大臣さんです。
非常に態度が悪いですね。
岸田首相の影になってよく見えませんが、別角度でみると資料を手にしていませんし、聞くふりすらしていない。他の閣僚が質疑に真摯に対応しようとしている姿と大きなギャップがあります。
この態度、大臣としてというより、いち社会人としてどうなんでしょうか。
そう思わせるほどの悪態がにじみ出ています。親がちゃんとした人物でも、こうなるといういいお手本なのかもしれません。
ただ、人気商売とまでは言えないものの、他者の信頼がなくては務まらないはずの国会議員がどうしてそんな態度でも大丈夫だと思えるのか。
私はそちらの方が不思議でした。資料を見ながら質疑を聞いてた閣僚及び議員さんとは明らかに一線を画しているからです。
やはり、これもデジタル化と関係があるのかなと思い、調べてみると次の記事が見つかりました。
少し古い記事なので、今は違うのかもしれませんが、このこととの関連を感じてしまいました。
SNSの普及で、自身の影響力を図る数値としてフォロワー数などが目安となることがありますが、それが自身を守る存在、いわば「デジタルの盾」になっているのかなと感じます。
これは、このデジタル大臣さんに限った話ではなく、↓のような例もある。
SNSで多くのフォロワー数を持つ人の中には、あえて露悪的な態度をとることで、存在感を高める人たちがいますが、これは、SNSの性質上、そうなってしまう必然性があるのではと思っています。
SNSを使いこなしているように見えて、結果としてSNSの力に動かされているということです。
数によって自身が守られているような感じになる。それは、間違いなく「錯覚」です。
なぜなら、SNSによるフォロワー数は、人を判断する絶対的な指標ではないからです。
テレビに映ったあの大臣さんの態度を見て、「未来の首相候補?冗談じゃない」と思った人もいたのではないでしょうか。
そのリスクを考えなくなる。これもひとつのデジタルによって劣化する人間の姿なのではないでしょうか。
これも結構怖い一面だなと他人事ながら、実感しています。
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