Shin Matsuguma | 松隈信一郎

医学博士、公認心理師。フィリピン大学ディリマン校心理学部で務めています。専門はポジティ…

Shin Matsuguma | 松隈信一郎

医学博士、公認心理師。フィリピン大学ディリマン校心理学部で務めています。専門はポジティブ心理学で、こころの豊かさや強み、モチベーション等の研究と授業を行っています。

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#01 はじめに - 自己紹介 -

こんにちは、Shinです。現在、フィリピンに住み、フィリピン大学ディリマン校の心理学部で務めています。僕の専門はポジティブ心理学で、こころの豊かさや強み、モチベーションなど、人間のプラス面に関する研究や授業を行っています。 また、オンラインを通して、ポジティブ心理学の理論を基に日本の企業や学校に向けた心理支援や人材育成、心理教育のカリキュラム開発・監修なども行っています。 僕は20代の頃から、日本とフィリピンをよく行き来し、ゴミ山やスラム、台風災害で壊滅した被災地で生きる

    • #19 グッドライフとは - ポジティブ心理学 -

      この記事では「Good Life(よい人生)」とは何かについて、一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では、解決志向アプローチの視点から「人間関係」の問題に対する解決方法について一緒にみていきました。 「望ましい関係性とはどんな状態か?」を思い描き、そのとき、今と違ってどんなことをしているかを考えて、それをできる範囲でやっていこうというお話でしたね。ここで「人間関係」が話題に挙がったため、少しポジティブ心理学のお話をしていきたいと思います。ポジティブ心理学とは「人生を価

      • #18 「人間関係」の問題には「先出しジャンケン」が重要 - 解決志向アプローチ -

        この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では、解決志向アプローチの3つの基本指針のその3「もしうまくいっていなければ、何か違うことをやる」に関連して、「解決しようとする努力が実は悪循環を支えていることもある」ということについてみていきました。 問題の原因を追及する(誰が原因なのかを特定する)よりも、「悪循環」を把握して、そこから逸脱するために今と違うことをやろうというお話でした。今回の記事では、さらに「人間関係」について

        • #17 解決しようとする努力が実は解決を遠ざける - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では、解決志向アプローチの3つの基本指針のその3「もしうまくいっていなければ、何か違うことをやる」について、一緒にみていきました。 「原因を追及するのではなく、悪循環を把握して、そこから脱するために何か違うことをしよう」という内容でしたね。ここでは、この基本指針その3の続編になりますが、「僕たちが解決しようと努力することが、実はこの悪循環を支えているかも」ということについて、一緒に

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        #01 はじめに - 自己紹介 -

          #16 もしうまくいっていなければ、何か違うことをやる - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では、解決志向アプローチの3つの基本指針のその2「もしうまくいっていれば、もっとそれをやる」についてみてきました。 「好循環を把握して、もっとその循環を生み出そう」という内容でしたね。今回は、基本指針その3「もしうまくいっていなければ、何か違うことをやる」について、一緒に学んでいきたいと思います。キーワードは「脱出」です。 この問題は「誰のせい?」 僕たちは、何か問題が起きたと

          #16 もしうまくいっていなければ、何か違うことをやる - 解決志向アプローチ -

          #15 もしうまくいっていれば、もっとそれをやる - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では、解決志向アプローチの前提となる3つの基本指針のその1「もし壊れていなければ、直そうとしない」についてみてきました。 今回の記事では、基本指針その2「もしうまくいっていれば、もっとそれをやる」について一緒に学んでいきたいと思います。 うまくいっていることには目が向きにくい 僕たち人間は、先ずはマイナスのことを考えて、それに備えようとする特性があるため、どうしても、ネガティブ

          #15 もしうまくいっていれば、もっとそれをやる - 解決志向アプローチ -

          #14 もし壊れていなければ、直そうとしない - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回まで数回に分けて、解決志向アプローチの考え方に必要な3つの力についてみてきました。 今回は解決志向アプローチの前提となる3つの基本指針について学んでいきたいと思います。この指針を知っていると、特に人の悩み相談や、子育て・部下育成等の育成場面で「どの方向に会話を進めていけばいいか」が分かりやすくなると思いますんで、ぜひ一緒に学んでいきましょう。この記事では1つ目の指針のポイント、「余計なこ

          #14 もし壊れていなければ、直そうとしない - 解決志向アプローチ -

          #13 小さな変化が大きな変化を生み出す - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。この考え方を身につけるには、3つの力が必要であり、前回は「望む状態を描き、到達するための道筋を考え出す力」について、望む状態を描くために「問題を一旦、棚上げにすること」を学びました。 ここでは、描いた望む状態に到達するための道筋を考え出すプロセスについて、一緒に学んでいきたいと思います。キーワードは「小さな変化」です。 10段階でスケーリングする 自分が望む状態を鮮明に描ければ描けるほど

          #13 小さな変化が大きな変化を生み出す - 解決志向アプローチ -

          #12 問題は一旦、棚上げする - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。この考え方を身につけるには、3つの力が必要であり、前回は「自分の強みやリソースに気づき、それを活かす力」について、勝因分析がいかに重要であるかをみてきました。 今回は、3つ目の力である「望む状態を描き、到達するための道筋を考え出す力 (Goal Orientation)」について、まずは、「望む状態の描き方」を一緒に学んでいきたいと思います。 「何が原因なのか?」ではなく「何を望んでいるか

          #12 問題は一旦、棚上げする - 解決志向アプローチ -

          #11 敗因分析よりも勝因分析を - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回は「自分の強みやリソースに気づき、それを活かす力」について「例外的にうまくいったことを探すこと」について、一緒にみてきました。ここでは、その応用編として「敗因分析も大事だけど、勝因分析もめっちゃ大事」というお話をしていきたいと思います。前回の記事を読まれた後の方がこの記事の内容の意味がもっと分かると思いますんで、ぜひこちらをまずご覧ください! 「反省会」という名の下で 部活の試合でも会

          #11 敗因分析よりも勝因分析を - 解決志向アプローチ -

          #10「例外」の中にヒントがある - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。この考え方を身につけるには、3つの力が必要であり、前回は2つ目の力、「自分の強みやリソースに気づき、それを活かす力 (Resource Activation)」について、「こころの力に目を向けること」の大切さを一緒に学んできました。 今回は「原因を追及して、悪い部分を直す」という従来の問題解決のやり方ではなく、「過去に使っていた自分のリソースを活かして、解決に結びつけていく」というやり方につ

          #10「例外」の中にヒントがある - 解決志向アプローチ -

          #09「こころの力」に目を向ける - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では「全てダメだ」と思えるような状況でも、あるものにフォーカスすることで、こころのエネルギーが湧いてくるというお話でした。 今回は「自分の強みやリソースに気づき、それを活かせる力」を養うために、きっと役立つ言葉を1つ紹介したいと思います。特に問題を抱えていて、つらい・しんどい・苦しいときに、是非、つぶやいてみてほしい言葉です。 「全てダメだ」と思ったとき 人は大きな問題を抱えて

          #09「こころの力」に目を向ける - 解決志向アプローチ -

          #08 あるものにフォーカスする - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。この考え方を身につけるには、3つの力が必要であり、前回はそのうちの1つ「問題の原因に囚われない力」についてみていきました。 今回は2つ目の力、「自分の強みやリソースに気づき、それを活かす力 (Resource Activation)」について一緒に学んでいきたいと思います。 問題を抱えているとき「全てうまくいっていない」と思いがち 僕たちは、大きな問題を抱えているとき、なんだか全てがうま

          #08 あるものにフォーカスする - 解決志向アプローチ -

          #07 どんな過去の出来事も今の問題に紐づけられる - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。数回に分けて書いていきますが、前回は「問題の原因に囚われない力 (Problem Disengagement)」を身に付けるために「原因追及しても意味がなかった」「問題の原因とは全く違うところに解決があった」という事例にいっぱい触れていこうというお話でした。 今回も「原因を追及しても、あんまり意味ないな」と思えるようになるために知っておくとちょっぴり役立つことを一緒に学んでいきたいと思います

          #07 どんな過去の出来事も今の問題に紐づけられる - 解決志向アプローチ -

          #06 原因追及しても意味がない - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。数回に分けて書いていきますが、前回は「何が原因なのかではなく、何を望んでいるのか」を考えることで解決の糸口が見つかるというお話でした。そして、「問題解決」ではなく「解決構築」を行っていく上では3つの力が必要であり、今回は、そのうちの1つである「問題の原因に囚われない力 (Problem Disengagement)」を身につけるためにはどうすればいいかについて、一緒に学んでいきたいと思います。

          #06 原因追及しても意味がない - 解決志向アプローチ -

          #05 問題解決から解決構築へ - 解決志向アプローチ -

          この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。数回に分けて書いていきますが、前回は「問題を解決するのに必ずしも原因を追及する必要はない」というお話でした。今回は「解決の糸口の見つけ方」について、一緒に学んでいきたいと思います。 「原因追及」では解決しないとき 前回の記事でもあったように、お腹が空いている人に対して「なぜお腹が空いているのですか?」と問いただしてもこの問題は解決しないように、いくら原因を探っても、解決に結びつかない場合が

          #05 問題解決から解決構築へ - 解決志向アプローチ -