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6年生歴史授業の軸【齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業】


小学校教諭のsmyle(スまイル)です。
今年度は、6年生を担任しています。


6年生の社会科といえば「歴史」

歴史が好きな子っていますよね。
やたら詳しくて、教師を超える知識をもっている子も
結構いたりします。
子どもたちを惹きつける魅力が「歴史」にはあるのでしょう。


私も、今や歴史学習の面白さに魅了されている一人ですが、
元々の関心は、決して高くありませんでした。

初めて6年生を担任したときも、
歴史を1年間教えていたはずなのですが…
どう教えていたのか1ミリも記憶がないほど
正直、思い入れは薄かったです。

自身が子どもだった時も同様で、
高校時代の世界史の先生の
すぐ脱線する話が面白かった記憶はあるけれど、
「人物名や年号をひたすら暗記するもの」
という認識をもっていた「歴史学習」自体に
面白さを感じることはありませんでした。


時は立ち、再び6年生を担任することになりました。

さあ、1年間歴史を教えなければいけない。
歴史をどう教えたら、子どもたちの学びになるだろうか。
どうすれば面白い授業ができるだろうか。

良い実践はないかと
様々な書籍を読んだりインターネットを彷徨ったり。

そんな中で出会ったのがこの本でした。

「授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業」

下記サイトより引用


ホームページを拝見すると、
この本をそのまま活用すれば授業ができる
「授業マニュアル」になっている、と書いてあります。
本に書いてあることを追試して授業すれば、
立派な歴史授業ができるというのです。

ただ、この本は書店には売られておらず、
著者のホームページにてメールで申し込むとのこと。

初めは半信半疑でしたが、
藁にも縋る思いで、意を決して購入してみました。



さあ、手元に届いたこの本に則って歴史授業をすると、
子どもたちはどうなるのか。

歴史が大好きになります。
そして、
日本ってすげぇ(語彙力)ってなります。




そもそも、著者の齋藤先生は
どんな想いをもってこの本を出版されたのか。

ブログを拝見すると、
「日本のよいところ素晴らしいところを教える。」
と書かれています。


従来の歴史教育では、
「日本が悪い」ということが
繰り返し喧伝されてきました。

日本の歴史を学ぶ小学校6年生以降は「自我形成期」で、
この時期に、自分が所属する共同体(家族や国家)が否定されることは
精神発達にとって致命的なダメージを及ぼす
とのこと。

自国である日本を否定するような歴史教育ばかり繰り返されると
自我形成が歪んでしまうのは必然だろうと。
実際、自国を肯定的に捉えられる子が
他国と比べてなんと少ないことでしょう。

著者のブログより引用

だから齋藤先生の歴史教育は
「世界の中でも日本文明として際立つところをしっかり教える。」
「あくまで日本の味方になって肯定的共感的に学習する。」

という大方針でなされています。


もちろん、
日本はすべて上手くやって来たわけではないし、いつも成功し続けたわけでもありません。
間違い、、失敗、愚かさ、うぬぼれ、油断・・・先人もまた同じ人間としてたくさんの教訓を残しています。
とも書かれています。

それでもなお、
この自我形成期の歴史教育は、
祖国をとことん肯定するものでなければいけない、と。
それが健全な歴史教育であり、
健全な人格形成につながる、と述べられています。



ここで私自身を振り返ると、今まで、
「どんな歴史観を持っていますか?」と問われても、
答えに窮してしまうくらい、
それほど自国の歴史に対する「考え」や「想い」を
持っていないことに気づきました。

そんなことでは、
歴史を通じて子どもたちに何を伝えるのか。
そんなことでは、
私が過去に受けてきた
ただ歴史人物や年号を押さえていくだけの
魅力のない授業を再生産してしまうのではないか。



この本を使って授業をしていると、
本当に子どもたちが、歴史が好きになるのです。
というか、歴史が「自分事」になるのです。

当時の人物になりきり、
歴史の転換点において「自分だったらどうする」を考える。
それを繰り返すことによって、
歴史を自分事としてとらえたり、
偉大なる決断をした先人に敬意を払ったりできる。

自分事になるがゆえに、
ときに喜び、ときに怒りを感じ、
学びの中で大きく感情が動いていく。

そりゃあ、歴史が好きになりますよ。



何より、この本で学べば学ぶほど、
教師である私がのめり込み、
子どもたちへの語りに熱を帯びていく。
特に「戦争」に関わるところでは、
ほとばしる感情を抑えるのに必死でした。

その私の、アツ語りにも近い授業を終えたとき、
いつもは勉強に無気力で
なかなか学びに向き合えない男の子が私のもとにやってきて、
「先生、面白かったっす!!」と言いに来てくれたのは
本当にうれしかったなあ。



先日、今年度の歴史学習が
1年間のフィナーレを迎えました。

歴史学習の最後に、
「歴史を学ぶ意義」について子どもたちに作文してもらったところ、

「先人への感謝」「これからの未来を担う覚悟」など、
しっかりとこの本の著者である
齋藤先生の思いが届いているようでした。

微力ながら、代弁者として、
子どもたちに伝えられたことにほっとしています。



繰り返しになりますが、
日本では、自国に誇りを持てない若者があまりにも多い。
こんなに歴史ある国なのに、素晴らしい国なのに。
自分の国を愛せないなんて、本当に間違っている。

教育が間違っている。
自分の生まれ育った国を大好きでいることが、
何より健全なはずではないですか。

歴史認識については様々な意見があるでしょうし、
もちろん私もめちゃくちゃ歴史を研究しているわけでもないので
齋藤先生の認識が全て合っているのかもわかりません。

本の内容も、ただ読むのではなく自分なりに咀嚼して、
「肚落ち」したものを、
目の前の子どもたちに届く言葉に
私なりに変換して伝えたりしています。

日本は絶対正義、などとはもちろん話さないですし、
なるべく多角的・多面的に話すよう努めています。


ですから、子どもたちに伝えるときは、
先生がみんなに伝えることもまた歴史認識の一側面であり、
それが絶対正解とは限らない。
時代によって歴史認識も変わったりする。
先生が伝えたいことは、
先生の言葉も含め様々な情報を受け取った上で、
「あなた」はどう考えるのか、それが大切なんだよ。

ということは、しつこいほどに繰り返し話しています。
先生が言うことだから、
そこにはどうしても強制力が働いてしまうから、
なるべくそうならないように、ただただ鵜呑みにしないように、
慎重に慎重に。


でも、
この本を通して歴史学習をすることで、
歴史の学びを楽しみ、
休み時間になっても、一日の振り返りでも
歴史について熱く語る子たちが現れる。
この目の前の姿こそが、
答えであるような気がします。

ご興味のある方は、ぜひ手に取ってみて下さい。


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