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恋愛運が良い人と悪い人の決定的な違い

こんにちは、熱があるのに瞑想をしたら気を失いかけました、清水陽介(@smzyuskmental)です。


最近、こんな本を読みました。

リチャード・ワイズマンさんの「Qのしっぽはどっち向き?」という本でございます。

ちなみに、著者のワイズマンさんは、僕が大好きな学者の一人です。僕が以前書いた『幸せになりたいならお金は物ではなく経験に使いなさい』『科学的に一番当たる性格占い』あたりでも登場しておられます。

で、このワイズマンさんなんと、元マジシャンなんですよね。若い頃はメンタリズムにも手を出していたようで、20代のころは一流のマジシャンとして活躍したんだそう。そして、マジシャンをやる中で「人ってなんで騙されるんだろう?」ということを考えるようになり心理学に興味が湧いて、本当にガチの心理学者になっちゃった、という非常に変態な学者さんです(褒めています)。

そんなわけで、ワイズマンさんは清水陽介激推しの学者さんの一人であります。


で、話は戻りまして。肝心の本書では、いろんな「クウァコロジー」が紹介されております。

「クウァコロジーってなんぞや」って話ですが、語源は「quirk(ひねくれた)+ology(学問)=quirkology(クウァコロジー)」です。要するに「変なことを調べる学問」みたいなものです。わかりやすく具体例を出すと、クウァコロジーではこんな研究内容を取り扱います。

・最も美人の多い地域はどこか?
・野球帽を前向きに被る人と後ろ向きに被る人はどっちが多いのか?
・嘘をつきやすい人とそうでない人の違いは?

要するに、「そんなこと調べて何になるの?」と言われんばかりのくだらないことを極真面目に研究するぞ、という学問です。水曜日のダウンタウンがやってる「〇〇説」みたいなのも「クウァコロジー」的なノリですね。ちなみに僕はこういうのが大好きです。

で、本書でもこんな感じの変な研究がたくさん紹介されているのですが、その中でも「恋愛運がない人とある人の違いとは?」ってところがとても面白かったのでメモ。


Section①
知り合いの知り合いの知り合いの知り合い

昔からよくある疑問で、「どうやったら芸能人と繋がれるんだろう」みたいな話があるわけです。

まぁただ、理論上は「知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの・・・」みたいに、どんどん人脈から人脈へと辿っていけば、いつかは有名人たどり着きます。

で、ここで気になってくるのが、「特定の人と繋がるためには何人必要なのか問題」。要するに「知り合いの知り合いの知り合いの・・・」と続けていった場合、何人目で芸能人と繋がれるんでしょうね?みたいな話です。僕のようなひねくれ者はこういう事が気になっちゃうわけなのですが、これを実際に調べた偉い学者さんがいます。


これは「権威への服従実験」で有名なスタンレー・ミルグラムさんが1967年に行った実験。

この実験では、アメリカのネブラスカ州に住む198人に対し、マサチューセッツ州に住む有名な株式仲介人(ここではターゲットと呼びます)に手紙を届けるように依頼します。

ただ、ここで少しルールがあって、ルールは以下のとおり。

・ターゲットに直接手紙を送ってはいけない
・下の名前で呼びあえるくらいの仲の知り合いの中で、そのターゲットを一番知ってそうな人に手紙を送る

要するに、ターゲットに一番近そうな人を繋いでいって、最終的にターゲットまでたどり着こうというわけです。

で、この実験では「ターゲットにたどり着くまでに何人必要だったのか?」って事を調べたわけですが、その結果はというと

ターゲットにたどり着くのに必要な人数は、たったの”6人”だった!

とのこと。

つまり、特定の誰かと繋がりたい場合、「知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの知り合い」まで辿ればオッケーということですね。笑

だからたとえば、これを読むあなたも、友達に「ゆるふわメンタリストって人がいるんだけど、この人のこと知ってそうな人いる?」と聞く作業を6回繰り返せば、僕に繋がれるという計算です。


で、ちなみに、この6という数字は数学的にも結構正しくて、人間1人の知り合いを44人と仮定した場合、6人を間に経由すると

44×44×44×44×44×44=7,256,313,856人

なので、およそ世界の人口と重なります。ですので、44人の友達がいる人を6人辿れば、理屈上は誰とでも繋がれると。

もちろん、友人の被りがあったりするので正確な計算ではありませんが、とにかく、だいたい6人くらい経由すれば世界中の誰とでも繋がれるよ、という話です。


Section②
現代はもっと少ない人数で繋がれるんじゃないか説

ただ、ミルグラムさんの実験結果を受けて、数学者のジョン・アレン・パウロスさんはこんなことをおっしゃいます。

「ここ50年間の通信技術の発達によって、特定の人と繋がるための人数はさらに少なくなっているのではないかと思われる」

んまぁ確かにそりゃそうですなと。要するに、「今どきインターネットで人と繋がれるから、特定の人と繋がるのに6人もいらないんじゃない?」という話です。「現代はもっと少ない人数で繋がれるんじゃないか説」ですね。


で、このことを実際に確かめるために、著者のワイズマンさんは実験を行いました。

これは2003年に行われた実験です。この実験では100人の参加者を募り、先ほどのミルグラムさんの実験と同様、特定の人物に手紙を届けるようにお願いします。また、手紙を送る条件も先ほどと同じです。

つまり、50年後にミルグラムの実験を再現しようとしてみたのです。

で、その結果はというと、

ほとんどの手紙がたどり着くのに必要なのは、”4人”だった!

とのこと。要するに、50年経って同じ実験をしてみたところ、必要な人数はだいたい2人くらい減っていた、というわけです。

例えば、仮にDaiGoさんと繋がりたいと思った場合、「DaiGoの連絡先知ってそうな知り合いいる?」と聞く作業を4回繰り返せば、DaiGoの連絡先を知ってる人に繋がる計算ですね。


で、これは個人的な推測なので読み飛ばして良いですが、2018年現在、この数値はもう少し小さくなっている可能性もあるよなーと思います。というのも、この実験は2003年なので、まだTwitterやFacebookも普及していないわけです。

さらには、今ではマッチングアプリでの出会いもとても増えています。ですので、なんならば2、3人くらい人脈を辿れば「意外と繋がりがあった」みたいなことってありそうだよなーと思ったりします。


余談はここまでとして、とにかく、特定の人物と繋がりたい場合、片手で数えるくらいの人数を経由するだけで意外と繋がれちゃうよという話です。

だからたとえば、会ったばかりの見知らぬ人に、実は自分と共通の知り合いがいて「世間って狭いなぁ笑」と思ったことがある人がいると思います。しかしながら、これは冷静に考えれば4人経由するだけで特定の人に到達できるわけなので、こういう「世間って狭いよね」はそんなに珍しいことではないわけです。

実際に、1993年の研究によれば

・約70%の人は「見知らぬ人に、実は共通の知人がいた経験がある」と答えた

・約20%はそういう「偶然の一致」を”しょっちゅう”体験している

らしいです。

だからもしかしたら、これを読むあなたも、仲のいい友達が『実はゆるふわメンタリストの友達だった』、みたいなこともあるかもしれませんね。


section③
運が良い人と悪い人の決定的な違い

で、ここからがとても面白いのですが、この実験では「繋がるために必要な人数」のほかに、もう一つ別のことも同時に調べておりました。


というのも、ワイズマンさんはもともと「運」についての研究をしていた学者さんでして、「運がいい人の特徴はなんなのか?そもそも、運とはなんなのか?」みたいなことを調べていたんですね。

で、それまでの研究によってうっすら分かっていたのが、「運がいい人は共通して、”知り合いが多い”」ということ。

というのも、知り合いが多ければ多いほど、その時の自分にとって都合の合う人が見つかる可能性が高くなります。そしてその結果、人生が有利に進むことが多くなるんですね。

たとえば、「Twitterで出会った人と話していると”共通の知り合いがいた”ということが分かり、それがきっかけでものすごく仲良くなれた」みたいな話が時々あります。で、当然ですが、この現象は友達が多い人の方が起こる確率が高くなります

なぜなら、友達が5人しかいない人よりも、友達が1000人いる人の方が、その中に自分と共通している友人が1人いる可能性は高いですからね。

他にも、例えばもし、自分がふと「音楽を作りたい」と思ったとして、知り合いにミュージシャンがいれば、その人からいろんなアドバイスを受けることができます。これも「運が良い」と言えましょう。

つまり、「”運がいい人=知り合いが多い人”なんじゃね?」というのがワイズマンさんの中にあったわけです。


で、この手紙の実験では、実際にそのことを確かめようってことで、被験者にはあらかじめ、

あなたは運がいいと思いますか?

ということを聞いておきました。

つまり、「運がいい人は特定の人に繋がるのが早くて、運が悪いと思っている人は特定の人物と繋がるために多くの人数を必要とするのでは?」という仮説を実際に調べてみたわけです。


で、この研究では被験者は友達へ手紙を送ったわけなんですが、ここで面白い事実が判明しまして、実は、誰へも送られていない手紙が38枚あったんだそう。つまり、被験者のうち38人は、そもそも手紙を送っていなかったと。

そして、この38人の被験者のことを調べてみると、とても面白いことが分かって、

誰にも手紙を送らなかった人のほとんどは、”自分は運が無い”と答えた人だった

という感じ。

さらには、手紙を送らなかった人たちに「なぜ送らなかったのですか?」と聞いてみると、ほとんどの回答は、

「関係のありそうな友達が一人も見つからなかった」

だったんだそう。


つまり、「俺って運が悪いんだよね」と思っている人は、単に友達が少なかっただけ、だったわけです。

まぁこれも考えれば当たり前です。友達が少ないということは、自分に仕事の話を振ってくれる人や、自分が困った時に助けを求められる人の数が、絶対的に少ないので、結果的に「ラッキー」に出会う確率は低くなります

対して、友達が多い人は、知り合いがパーティーに紹介してくれてそこで仕事をゲットしたり、素敵な異性と出会ったりする事ができます。つまり、友達が多いと「ラッキー」に出会う可能性が確実に増えるわけです。


ということなので、結論はこうです。

運がいい人は、単に知り合いが多いだけで、
運がない人は、単に知り合いが少ないだけ。

このようなことが言えるのではないでしょうか。


もちろん、他にも運を左右する要素がある事は科学的に分かっていますが、やっぱり「運が良い人」っていうのは、たくさん社交の場に出ていて、たくさんの知り合いがいるわけです。

『フリーランス成功のための4か条』で解説したアダムグラントさんの話と同じですね。

つまり、ラッキーを掴むには数を打つしかねぇぞと。周りから見て運がいい人は、そのぶんたくさん行動していて、その中の1つがヒットしてるだけであり、途中でたくさんハズレを引いているわけです。

しかしながら、ハズレを引く過程は周りの人には見えないので、結果だけを見た周りの人は「あの人は運がいい」と言います。

ですのでつまり、「ラッキーに生きたいならば、とにかく数を打ちなされ」という話です。


だから、そういう意味で言えば

「男運がない」

「いい異性の相手が見つからない」

こういう人は、単純に出会う回数、もしくは知り合いの数が少ないわけです。

宝くじを1回だけ引くよりも、1000回引いた方が当たりが出やすいのと同じで、選択肢が多ければ多いほど、自分にとって良い人が見つかる確率は高くなります。

そんなわけで、「最近ぜんぜん恋愛してないなー」という人は、とにかく社交の場に出る回数を増やそうぜ、という話です。


まぁただ、恋愛に関して言えば、出会いすぎても良くないよ、ということもわかっています。

ちなみに、この対策については『選択のパラドックスの対処法』と同じです。詳しくは『マッチングアプリの教科書』に書いておりますので、興味があればご覧下さい。


というわけで、今回の話をざっくりまとめると

・人は4〜6人くらいを経由すれば、誰とでも知り合える

・これは当然、知り合いが多い人ほど早い

・ラッキーに出くわしたい人は、とにかくいろんな人と知り合っておこう

という感じですかね。

僕は人と会うのがそんなに得意なタイプではないのですが、やっぱり社交の場にはちょいちょい顔を出さねばいかんなーと思いました。笑


そんなわけで、今回はこの辺で!

久しぶりの更新になりましたが、読んでいただいてありがとうございます。


それでは、またお会いしましょう。

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参考




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