見出し画像

1000日チャレンジ 926日目 東京芸術劇場プレイハウス「ねじまき鳥クロニクル」観劇記録(一部ネタバレあり)

ゴールまで174日

★BMI:22.7

◎先日、東京芸術劇場プレイハウスで「ねじまき鳥クロニクル」を観劇したので記録に残したい

舞台装置模型

「ねじまき鳥クロニクル」
【原作】村上春樹
【演出・振付・美術】インバル・ピント
【脚本・演出】アミール・クリガー
【出演】成河/渡辺大知、門脇 麦、大貫勇輔/首藤康之(Wキャスト)、音 くり寿、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越 満、銀粉蝶
加賀谷一肇、川合ロン、東海林靖志、鈴木美奈子、藤村港平、皆川まゆむ、陸、渡辺はるか
【演奏】大友良英、イトケン、江川良子
【会場】東京芸術劇場プレイハウス
【公演期間】2023年11月7日(火)~11月26日(日)
【主催】ホリプロ、TOKYO FM
【共催】公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
【協力】新潮社・村上春樹事務所
【後援】イスラエル大使館
【企画制作】ホリプロ
【Introduction】(公式siteより引用)
「トップクリエイターたちの手で舞台化された村上春樹の代表作がついに再演!
世界的に評価される村上春樹の傑作長編『ねじまき鳥クロニクル』を、イスラエルの奇才 インバル・ピントと気鋭のアミール・クリガーの演出、演劇界の俊英 藤田貴大の脚本で舞台化し、音楽を大友良英が手掛けた創造性豊かな意欲作。2020年の初演時に、公演期間の短縮を余儀なくされた伝説のステージが、ついに今秋11月に再演される。
初演から引き続き、主人公の岡田トオル役は成河と渡辺大知が二人で一人の人間の多面性を演じ、村上ワールドにいざなう不思議な女子高生・笠原メイ役を門脇 麦が演じる。
圧倒的な悪として存在する綿谷ノボル役は、初演で衝撃的なダンスシーンを見せた大貫勇輔と、新たに、バレエダンサーとして世界的に活躍し現在は俳優としても多くの舞台に出演する首藤康之がダブルキャストで務める。
トオルを不思議な世界へ導く加納マルタ・クレタ姉妹役は、昨年退団した宝塚歌劇団で娘役として歌・ダンス・芝居の技量が高く評価された音くり寿が新たに挑む。
さらに初演でこの壮大な物語をクリエイターと共に創り上げた松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶が再演でも演じ・歌い・踊り、表現していく。
またインバル・ピントによる唯一無二の振付を、加賀谷一肇、川合ロン、東海林靖志、鈴木美奈子、藤村港平、皆川まゆむ、陸、渡辺はるか、8名の表現力豊かなコンテンポラリーダンサーが魅せる。
観客を異世界へ導く生演奏は大友良英、イトケン、江川良子の3名が続投する。」
【あらすじ】(公式siteより引用)
「岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていたが、猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれ、思いもよらない戦いの当事者となっていく――。
物語は、静かな世田谷の住宅街から始まる。主人公のトオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き家で、女子高生の笠原メイと出会い、トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれる。赤いビニール帽子をかぶった“水の霊媒師”加納マルタが現れ、本田老人と間宮元中尉によって満州外蒙古で起きたノモンハン事件の壮絶な戦争の体験談が語られる。
そしてある日、妻のクミコが忽然と姿を消した。クミコの兄・綿谷(わたや)ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。だが、クミコ失踪の影には綿谷ノボルが関わっているのではないかという疑念はしだいに確信に変わってゆく。トオルは、得体の知れない大きな流れに巻き込まれていることに気づきはじめる。
何かに導かれるように隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする主人公トオル。世田谷の路地から満州モンゴル国境まで、クミコを取り戻す戦いは、いつしか時代や空間を超越して、“悪”と対峙する“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。暴力とエロスの予感が世界をつつみこむ……。
はたして、“ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか? トオルはクミコを探し出すことができるのか――。笠原メイとふたたび会えるのか。」

【感想】うーん、難解なお話だった。私は村上春樹の原作も読まずに観たので特にそうなのだろうが、とにかくわけがわからない。失踪した妻を探すなかで、自分自身の心の中に入り込んでいき、妻の隠された歴史も明かされていく。最後に、それまで観客がみていたものはすべて彼の心象風景なのか?と気が付かされるのだが、それだけでもないような。歴史的な事件を重ねたような場面もある。終盤、主人公を2人で演じ分けてきた成河と渡辺大知の役割が曖昧になってきて、ますますわからなくなる。どんな演劇かと聞かれると、音楽・舞踏劇でいて、フランスの無声映画やシュールレアリスムのアーティストたちが作った映画を見ているようでもある。これまでに無い強烈な演劇体験をした。
生演奏がすばらしいし、何よりダンサー陣の奮闘が素晴らしかった。世界的なバレーダンサーの首藤康之は、Wキャストで出演だが、今回は首藤さんの回だった。演技をされているのは初めて観たが、姿勢がピンとしていてさすがという感じ。大知さんはミュージシャンなので当然なのかもしれないが、成河さんの澄んだ甘い歌声もよかった。麦さんもコミカルな歌が、全体的に無常感の漂うどんより思い舞台の中で、ほっとさせてくれた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?