手づくりっていいなっておもう。

自分のためにっていう手づくりのあたたかさは、どうしたって、心がゆるんでしまうから。

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ハクのおにぎりがたべたい。
そんなことばを笑い声とともにきいた。
どうやら、千と千尋の神隠しの影響らしい。

整った顔立ちの男性からのおにぎり。
どきどきしながらも、受けとってしまうだろうな。はずかしさも、食べたいきもちには勝てないもんね。

映画のなかのハクのおにぎりが、特別に感じるのは。千のためだけにハクがもってきたおにぎりだから。

つまり、ハクのおにぎりが食べたいっていうのは。
ハクが “自分のために” もってきてくれたおにぎりが食べたいんだ、きっと。

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友だちのおうちに泊まったとき、おんなじことを感じた。

全然起きないねって笑われたほど、ぐっすりとすやすやと寝ていて。
やっとこ起きたのに、まだまだ眠そうにぼーっとしていたからか、友だちがつくってくれたのはたまごスープだった。

お湯をそそぐだけのスープが、コトンとおかれる。自然とてがのびて、ひとくちのむ。
すると、あたたかさとおいしさが身体のなかにひろがった。ゆっくりとめがさめていって、すごくあったかいきもちになった。

あのときかな。
ハクのおにぎりが食べたいって言葉がわかったのは。

自分のためにつくってくれたものって、ほんとに、すごくパワーをもらえる。ジンとしみこむ。

もしかしたら、はやくわたしを起こして、お昼ごはんをたべにいきたかっただけかもしれないけど。笑
起こすのに、はやく起きてって急かさずに、スープをつくってくれるなんて、ステキな起こし方だ。

食いしん坊なことも、あたたかいスープがすきなこともしっている友だちだから、できたこと。

あの日から、目覚めスープがたのしみなのは、ここだけのナイショ。そのくらい、すごくうれしかったんだ。

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手づくりっていうと、手間をかけたり、工夫したり、趣向をこらしたものって意味合いだったから。
手づくりには、エネルギーが必要だなっておもってたけど。

相手のためにって想いがあるからこそ、手づくりで。その想いがあるから、エネルギーが湧いてくることもあるし。
その想いがあるのなら、どんなことでも手づくりだ。

手づくりにこめられた自分のためにが、響く。胸がいっぱいになって、うれしくて仕方ないくらい。
お湯をそそぐだけだったとしてもね。それは、手づくりなんた。

だから、気合いをいれすぎずに。
わたしも手づくりで、想いを伝えたい。