④私の楽園
私は事業所の皆が大好きだ。
私が大好きだったアメリカがこんなに近くにあるなんて思っても見なかった。
なぜかって、留学時代の活き活きした私が20年振りに帰ってきたからだ。
誰もが自分自身でいる。
疲れたら疲れたと言う。
休みたい時は休む。
そんな当たり前の事をずっと規制してきた。
大人だから。
社員だから。
お姉ちゃんだから。
年上だから。
ここの皆がには上下がない。
出来ないことをできる人がやる。
作業がゆっくりの人もいれば、
話すのが苦手な人もいる。
わたしはそんな皆に
「ありのままでいいよ」
「出来なくていいよ」
「知らなくて当たり前だよ」
「ゆっくりでいいよ」
と優しく教えてくれる。
男性はちゃんと力仕事を手伝ってくれる。
当たり前に年配の方の荷物を持ち車のドアを開ける。
敬語とかそんなものがなくても、(言語は関係なく)彼らの優しさは誰にでも通じる。
だから例えニューヨークであろうと、彼らは困っている人を見かけたら荷物を持ち、タクシーのドアを開けるだろう。
そんな優しさにつつまれて通所するのが、楽しみでしょうがなかった。
生まれて初めて、明日が来るのが楽しみだった。
病気になって良かったとすら思った。
それがこのままではあと2ヶ月で私はこの事業所を去らなければいけない。事業所の人もとっても居てほしがっている。相思相愛なのにだ。
大好きな人達に囲まれて、大好きな場所で、これからの人生を過ごしたい。
2ヶ月間、できるだけの事をしようと思う。
だって私の夢はもっともっと大きいのだもの。
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