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一人一人に生活(くらし)があるんだな

公立学校の教頭になり5年目を迎えています。

慣れ親しんだ中学校の現場を離れ、昨年度から小学校に勤務しています。

小学校でも、担任に加えて教頭などが入り込みをしないといけない学級があり、私も、昨年度から、一つの学級に入り込んでいます。

騒がしかったり、立ち歩きがあったりすることもあり、そのつど、いわゆる「指導」として、あの手この手で使い分けていますが、特効薬はありません。

最初のうちは、中学校の名残で、大きな声で叱り飛ばすことがありましたが、その場だけで、長続きせず、根本的な解決には至ることはありませんでした。

子どもたち一人一人には多様な課題がありますし、子どもたち同士の関係性の中でも、安心して自分らしさを出せないことや、自分の気持ちを素直に出せない中でいらだって別の形で表現してしまうこともあります。

彼らはきっとこれからもあんな感じですすんでいくのだと思います。それを躍起になって鎮めようとするのではなく、「たゆたゆ彼ら」とつきあっていくしかないと思います。

関わる時間が長いほど、彼らは自分の話をしてくれるようになりました。

まだまだ達観できたわけではありませんし、日々大変ですが、そんなふうに思うと少し気持ちが楽にもてるようになった気がします。

今日も、友だち関係の気まずさから、一人の児童が教室に入れなくなっていました。

座っていたとなりに私も腰をかけてみると、昨日釣りに行ってきた話、これまで釣った魚の大きさのこと、昨日の晩御飯の話、ママの兄弟姉妹が6人いてそれぞれに子どもがいるから、ひ孫合わせて全員集まるときはお店を貸切るということ、誕生日パーティーが月に1回あるということ、中学校に行ったらバスケ部に入るかサッカー部に入るか迷っていること等話してくれました。

教室にいたらそんな顔も見せないで強がることが多いのに、柔らかい表情で話してくれました。



一人一人に生活(くらし)があるんだな。見ようとしないと見えないことたくさんあるんだなと思いました。

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