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「フライト」はマジで大好きな映画なので自分もオススメしとく(序盤のネタバレあり)

デンゼル・ワシントン、ロバート・ゼメキスの「フライト」はマジで大好きな映画なので自分もオススメしとく。

旅客機のパイロットであるウィトカーはアルコール依存症でコカイン常習者。
機内アナウンスしながらスクリュードライバー作ったりするくらいには終わってる酒飲み。

その日も酒飲んでコカインキメていつも通り通常運行…していたのだが、飛行中に機体トラブルで機体が操縦不能に。
ウィトカーは神テクニックで機体制御を立て直し、緊急着陸に成功する。
「奇跡のパイロット」として英雄となったウィトカーだが、連邦航空法において航空機の飲酒運転は当然重罪。飲酒運転の事実が事故調査委員会に知れればウィトカーも罪に問われる可能性があった。
だが航空会社は訴訟を恐れ、その事実をもみ消そうと事故調査委員会と対立する。
物語は人の心の弱さを描きつつ、航空機事故の責任を問う法廷闘争に突入。
最後は衝撃の結末に……!という物語。PG12。

この映画の面白いところは責任をめぐる法廷闘争の部分以外に、人の心の弱さを巧みに描き出しているところにある。
「オレンジジュースください」のくだりは本当に面白いし、コカインをキメたらかかるローリングストーンズの音楽もいい。
薬物(当然アルコールも薬物である)依存者にとって本当に必要なものはなにか?そして責任ある行動とは一体何か?ということについて深く考えさせられる。

お酒はどこでも買える。日本だと電車の中でストロングゼロを飲んでいる終わってる人も散見される。アメリカやカナダだと、公共の場所、たとえば歩道や一般の列車内などでの飲酒は罪に問われる。車の中であっても窓を開けて飲酒していたら罪に問われる。(取り締まりはユルいらしい。)
北米ではそういう事情から、公共の場所でどうしても飲酒したい人(つまりアル中)は紙袋に酒瓶を入れて、「いや、自分は酒は飲んでないッスよ」という顔をしながら飲むらしい。

北米から日本に来た外国人が驚くことの一つに「ケミカルな安酒(=ストロングゼロなどのチューハイ様発泡酒)」を道端で飲んでいる奴が多い」ということがあるらしい。ソースは北米出身者。

ストロングゼロが社会問題化したことは記憶に新しいし、たぶん今もそういう酒をがぶ飲みして気絶している人は多いのではなかろうか。

この映画はつまりそういう映画なのである。
「酒ッ!飲まずにはいられないッ!」という人たちが抱えている病理は何か?という映画なのだ。
自分は酒は飲まない。というより体質的に飲めない身体だ。父も飲めない。遺伝である。だが結局、人は何かに依存しながら生きている。自分だって気付かないうちにきっと何か心のよりどころを求めているに違いないのだ。
お酒を飲んでヘベレケになっている人を、私は笑うことができない。
お酒が好きな人も、別にそうでない人も、この映画を見て「アルコール依存は怖いなあ」とか「社会的信用ってなんなんだろうなぁ」とか考えてほしいのである。

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