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Vimeoおすすめ映像作品3選/東欧の至宝 タル・ベーラの後継者

こんにちは、softinhardです。

このブログでは、Vimeoにアップされた映像作品の中から厳選し紹介しています。ジャンルを規定することなくMVからドラマ、ヴィデオアートまでオールジャンルから厳選しています。

エッセイ的にそれぞれの作品を説明/レビューいたしました。


Chris Liebing & Charlotte de Witte - Liquid Slow MV

Directed by Nogari
Friday, October 4, 2019 uploaded 
テクノシーンのパイオニアである DJ/プロデューサーのChris Liebingと 今(2020)もっとも世界的に注目を集めるDJ Charlotte de Witte によるコラボレーション音源/作品のMV(ミニマムテクノ)です。

2019年にCharlotte de Witte(主宰)が立ち上げたレーベルKNTXTでの初リリース作品(音源)であります。vocalはCharlotte de Witteに、Chris Liebingのパーカッションがラインとして映えている。
ちなみに、音源はリモートでのやりとりから、制作されました。(https://www.mixmag.jp/features/charlotte-de-witte-interview-crssd.htmlより引用)

MVは、パーカッションとヴォーカルのリズムにそう形で若者が踊り続ける。 土壌と熱気をその荒い単調な動きと視線から感じとり、非日常的日常風景のインサートにより、踊る若者の生活での息づかいを表出させている。 野生的土壌に息づいているが、その踊りには前衛が映し出されています。
 
映像監督のFernando Nogariは、タル・ベーラ監督を師事しています。
それは、映像のスタイルと空気そのものから感じ取ることができます。

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Philippe Parreno. « June 8 1968 » // Arles 2018. Extraits de l’œuvre de 2008 **Video art

フランスの現代アーティストPhilippe Parrenoは、アメリカの写真家 Paul Fuscoが1968年のロバート・ケネディの遺体を運ぶ列車の中から沿道の人々を撮影した写真(集)を2008年に再発掘/再構築します。

Philippe Parrenoは、当時と同じルートの列車に乗り、何百人のエキストラを用意し、Paul Fuscoの当時1968年の写真に映った人々の格好や動きを真似させ、写真機を回し再現しました。

失われた記憶/事象とされた過去は、現在と共存/平行して進行し続けることをこの映像作品は示しています。 
何も説明がなければ、この映像は1968年と断定することはできなくても、2008年に1968年の事象を再現したものとは思えないでしょう。

ロバート・ケネディーという存在は、時をますごとに巨大化しアメリカという国そのものを問う象徴のひとつになり、’失われたアメリカ’を代表する存在であることをこの映像は示しているようであります。


INTO THE BLUE Short Drama

13歳のジュリアは、彼女の生まれ育った島に帰郷する。親友のアナと再会するが、アナには男の子と付き合っており、親友同士の関係性は難しくなっていた。 ジュリアの心底に父親の存在、母親との、親友との関係性あらゆる現状の要素が傷となり表れ、彼女の中に暴力的側面が突出し始める。

広大な海洋と故郷の島、13才の少女。
それぞれがメタファーとして呼応し合います。

子供から大人への成長を身体的精神的に実感し始める13才の少女、それは曖昧に未見のものへの恐怖を自己の身体を通して感じ始める。

彼女の曖昧な恐怖は、ナイフのようにするどく好戦的にみえ周囲を困惑させる。彼女を囲む海は、同時に彼女の心情を鏡写ししたようである。

広大な海洋は、神々しくも愛おしいもので在ると同時に、命を奪う力を平行して堅持している。それは、ジュリアが示す行動にも呼応し表出している。

美しくも儚く危うい存在を海洋の深遠さをもって描いた作品であります。

クロアチア/ドゥブロヴニク生まれアメリカ ニューヨーク育ちのAntoneta Alamat Kusijanovicが監督。
第67回ベルリン国際映画祭での Generation 14plus – Special International Jury Mentionを始め、数々の国際的映画祭で賞を受賞しております。

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softinhard


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